長野県消防学校に全国初の「山岳救助科」

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[6/26~7/2の遭難関係ニュースから]
長野県の消防隊員の教育・訓練を行う消防学校に、全国で初めての「山岳救助科」が新設されました。
6月27日に入校式が行われ、県内12の消防から志願した36人の隊員が参加しました。定員は20人でしたが、希望者が多く、座学のみ定員外16人の受講を受け入れたそうです。受講期間は29日までの3日間でした。
どんなことを学ぶのでしょうか?
・山岳地帯での医療、気象、地図の読み方
・ロープによる確保の方法
・岩場での遭難者の搬送方法
というようなことが、報道ではあげられていました。
たとえば、5人1組になり、10数メートルの岩場で滑落した要救助者を1人が背負い、4人が引き揚げたり、担架に固定して搬送したり、という実技内容がありました。
今回、ここで学んだ皆さんは、各消防に戻って伝え、山岳救助の方法を話し合いつつ、実際の救助に生かしていくそうです。
これまでは、全国対象の国立登山研修所(富山県)の研修で、年1回、各都道府県から1~2人しか受講できませんでした。それに比べれば、「山岳救助科」開設で、山岳救助技術の習得環境が大きく充実することになりました。

余談ですが、20~30年前までは、私たちが入っていた山岳会でもこういうことを学んだり、練習して習得しようとしていたものです。しかし、現在の登山ブームの中では、登山を楽しむ人と、山岳レスキューをする人とが、はっきりと分かれてしまいました。

日本山岳文化学会の遭対関係イベントにて(本文とは関係ありません)

6/26(火)蔵王連峰へ入山した男性(27)が戻らず行方不明
6/29(金)大東岳で男性(27)が道迷い。消防ヘリで発見救助
6/30(土)甲斐駒ヶ岳で女性(38)が歩行困難となり、7/1救助
6/30(土)北穂高岳で女性(25)が行動不能
6/30(土)東京都内で長野・富山・岐阜3県による北アルプス安全登山セミナー開催
7/1(日)笠ヶ岳に入山し6/26に下山予定の男性(40)が行方不明
7/1(日)台高・宮ノ谷渓谷の高滝登山道で男性(75)が滑落、死亡
7/1(日)六甲山中の滝つぼで男性(57)の遺体発見。当日朝入山したもの