赤城山 2019年1月19日

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 前夜車で赤城山南麓にある道の駅「ふじみ」に行き車中泊。翌朝8:10始発のバスで赤城山へ向かいました(ちなみに土日祝のみ6:15始発もあります)。
 山麓は晴れで雪はまったくなし。しかし途中で路面が凍り始め、箕輪では1cmほど薄く雪が積もって、空からも小雪がぱらつき始めました。バスは20分ほど停車してチェーンを巻きました。それからは雪景色になっていき、雪山登山ができそうなので安心しました。
 大沼(「おの」と読む)湖畔の「あかぎ広場前」で下車しました。冷たい風が吹きすさび、灰色の湖面にワカサギ釣りのテントが寒そうです。けっこうな数の車が来ていて、登山者も次々と出発していきます。

01:猫岩から大沼、赤城神社

 赤城山は人気の(便利な)雪山になっていました。拙編著『雪山登山』が出るころより以前は、雪山登山対象として赤城山はそれほど注目されていませんでした。当時は、ピッケル、アイゼンを使わずに登れる赤城山は、やさしすぎると考えられていたのでしょう。
 登山口で、一群の人たちがアイゼンをつけていました。私は靴のまま通り過ぎ、登り始めましたが、すぐに少し後悔することになりました。雪が少ないうえにアイゼンで踏み固められ凍ったステップは、ツルツルして滑りやすかったからです。ほとんどの人が最初からアイゼンをつけて歩いていました。

02:キツイ登りが稜線までつづく

 猫岩で展望が開け、大沼と赤城神社が見下ろせます。毛坊主のような鈴ヶ岳だけは陽がさして明るいですが、そのほかの山は雲の中に沈んでいます。
 あとから登って来る人に次々に追い越され、少しプライドが傷つきますが、体力が落ちているので仕方ありません。自分のペースで登ります。
 上の稜線が思いのほか近く見えたのでGPSを操作すると、稜線まで高差約50mの地点まで来ていました。そのまま登ってしまいました。これで登山口から1時間20分、バス停からだと1時間40分ノンストップです。飲まず食わずの山歩きは体に負担が大きく、あまり勧められたものではありません。

03:黒檜山山頂、午前は展望なし
04:展望台へ行くトレース
05:霧氷
06:信越方面の大きな展望(展望台から)
07:にぎわう黒檜山付近

 霧氷というのか、雪のつぶつぶが木の枝に砂糖菓子のように凍り付いています。降雪量が少ない山ならではの雪の造形です。写真に表現できればいいのですが、うまく撮れないだろうと思いつつ何回もシャッターを押しました。
 簡単に登れてこのきれいな雪景色が見られたら、ビギナーは雪山の虜になることでしょう。でも、ちょっと滑る場所で、ビギナーにすぐアイゼンをはかせてしまう大甘のやり方をしていると、本当の雪上歩行のバランスが体得できないかもしれません。
 そういう私も、黒檜山からの急下降に備えてアイゼンをはきました。私のような中高年は転ぶと骨折する危険性が高いから、アイゼンをはいて慎重に歩いたほうがいいのです。南向き斜面でさらに雪の少なくなった登山道はアイゼンで歩きづらかったです。

08:霧氷の樹木におおわれた駒ヶ岳北面
09:木の影(大ダルミ付近)

 最低鞍部(大ダルミというらしい)は風が強く、駒ヶ岳の北面も全面がシュガーツリーになっていました。晴れ上がって山々が輝き、谷川連峰以外の四方の山々がすべて見渡せる好天になりました。駒ヶ岳からは筑波山や富士山も見え、雪のない関東の広漠とした地塊が広がっていました。
 雪山入門にふさわしい、短い一日の雪山歩きでした。

10:駒ヶ岳稜線から黒檜山
11:駒ヶ岳登山口に下りた
12:駐車した富士見温泉からの夕景

[注]『入門&ガイド 雪山登山』の訂正です
(1) P157マイカー情報/「AKG冬割バス」は「AKG冬割パス」の誤り。ただし、この割引チケットは車中では販売されていませんでした。廃止された可能性があります(バス会社にまだ問い合わせていません)。正規運賃は富士見温泉から赤城山上各バス停まで片道1200円です。
(2) P157追加情報/富士見温泉の入浴料は510円。なお、道の駅「ふじみ」の野菜販売は安くお買い得です。

[1/21追記]「AKG冬割パス」は今年も販売中で、富士見温泉~赤城間往復1650円(750円割引)。ただし前橋駅から乗車する場合は、別途前橋駅~富士見間の運賃が必要です。バス車中で販売し、道の駅「ふじみ」などでは販売していないそうです。関越交通渋川営業所0279-24-5115