[9月2週]連休を中心に多くの遭難が発生

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[9/10~16の遭難関係ニュースから]
9月第2週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

9月14~16日は3連休でしたが、中部~東日本では好天に恵まれました。南・北アルプスで多くの遭難が発生しましたが、死亡事故はなかったもようです。槍ヶ岳北鎌尾根、南アルプス北岳で、少なくともそれぞれ3件の遭難事故がありました。また、北アルプス槍ヶ岳方面と、四国山地の国見山では、行方不明事故が発生しています。

9/11(水)北アルプス前穂重太郎新道を登山中の男性2人(21・21)が疲労などにより行動不能。県警・遭対協が救助
9/14(土)日光白根山で女性(35)が山頂100m下を下山中に転倒して左足首骨折。県警警備隊員らが救助
9/14(土)群馬県上野村の山林でキノコ採りの男性(54)が足を滑らせ沢へ20m転落、胸骨骨折など。消防らが救助
9/14(土)南アルプス八本歯コル~大樺沢二俣間で男性(61)が下山中に砂地で転倒し左脚骨折。県警ヘリが救助
9/14(土)南アルプス八本歯コル付近で男性(76)が左俣ルートから岩壁方向に迷い込み行動不能。県警ヘリが救助
9/14(土)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根でガイド登山の女性(57)が疲労と体調不良により行動不能。県警ヘリが救助
9/14(土)=認知日/北アルプス上高地から槍ヶ岳方面へ9/8に入山した男性(61)が行方不明。9/14認知、捜索中
9/15(日)南アルプス鳳凰・白井沢で男性(67)がバランスを崩し20m滑落、左膝靭帯損傷の疑い。県警ヘリが救助
9/15(日)中央アルプス南越百山で男性(68)が登山中に滑落負傷、その後自力下山中に道に迷う。県警ヘリが救助
9/15(日)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で女性(58)が仲間4人と登山中に転倒し負傷。県警ヘリが救助
9/15(日)北アルプス岳沢周辺を単独で登山中の女性(60)が転倒し負傷。県警ヘリが救助
9/15(日)御嶽山でツアー登山中の女性(74)が転倒して負傷。県警ヘリが救助
9/15(日)四国山地・国見山に上野登山口から入山した女性(70代)が、山頂到着後に行方不明。9/17捜索打ち切り
9/16(祝)南アルプス北岳大樺沢で男性(65)が下山中にバランスを崩して転倒し左足首骨折。県警ヘリが救助
9/16(祝)南アルプス雨乞岳で男性(75)がキノコ採り中に30m滑落、背骨を折るなど重傷。防災ヘリが救助搬送
9/16(祝)南アルプス日向山で男性(23)が落とした携帯電話を拾おうと崖を下るが戻れなくなる。県警ヘリが救助
9/16(祝)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で女性(49)が登山中に脱臼骨折により行動不能。9/17県警ヘリが救助
9/16(祝)北アルプス燕岳で男性(51)が単独で登山中に転倒して負傷。安曇野署・遭対協が救助

[その他のニュース]
●剱立山のキャンプ場で盗難
9/10=富山テレビ/9月6日14時ごろ、剱沢キャンプ場へ登山を終えた人が戻って来たところ、1人用テントとザック、シュラフなど一式がなくなっていたそうです。また、9月7日、雷鳥沢キャンプ場でも1人用テントなど一式がなくなる盗難被害が起こりました。この事件はSNSでも拡散されましたが、その後、同様の被害があったとは聞いていません。登山も油断がならない時代になったと思いました。

●山梨県側の富士登山者5.6%減少
9/11=テレビ山梨/富士山は9月10日で夏山シーズンが終わりました。山梨県側からの登山者数は18万5807人で、昨年より1万867人減少し、世界遺産登録後では過去2番目に少なくなりました。昨年秋に山頂付近の石積みが崩れて、今年のシーズン当初に山頂まで登れなかったことと、天候不順が重なったことが、登山者減少の要因とみています。

●富士登山鉄道の構想
9/12=テレビ山梨/9月12日、富士山麓と五合目とを結ぶ富士山登山鉄道の検討会が、東京都内で開催されました。この検討会は山梨県知事が中心となって設置され、鉄道や火山研究の専門家、国会議員などが委員になっているそうです。10月に現地視察を行い、年明けに中間報告をまとめるスケジュールになっています。登山鉄道は、しっかりとした環境保全の考え方のもとに運営されれば、自動車道路よりもエコな環境を実現できると思いますが、どうでしょうか?

気にかかった遭難事例

●槍ヶ岳北鎌尾根で遭難3件
この週であげた遭難18件のうち、9件は長野県内で発生しており、そのうち3件は槍ヶ岳北鎌尾根で起こりました。具体的な状況は不明ですが、14日は女性(57)がガイド登山中に疲労と体調不良により行動不能、15日は女性(58)が5人パーティで登山中に転倒し負傷、16日は女性(49)がやはり5人パーティで登山中に脱臼骨折しています。3件とも県警ヘリで救助されました。

北アルプス槍穂高連峰の北鎌尾根、前穂北尾根、北穂東稜は人気がありますが、一般登山者向けのルートではなく、クライミング技術を駆使して登攀するバリエーションルートです。上記遭難事例の詳しい状況はわかりませんが、北鎌尾根を登るための体力・技術が追い付いていなかったのでは?と推測させるものでした。
北鎌尾根のようなバリエーションルートを、「たいしたことない」「思ったよりカンタン」などと言うベテラン登山者もいるかもしれません。遭難しないためには、北鎌尾根の難しさや危険性をよく理解しているリーダーや先輩と行くことが大事だと思います。