[9月3週]秋深まり、全国で多様な形態の遭難発生

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[9/17~23の遭難関係ニュースから]
9月第3週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

21日から23日にかけて大型の台風17号が東シナ海を北上し、3連休はその影響を考えて登山を控えた人が多かったと思われます。週の前半には北アルプスで数件の遭難がありましたが、週末の連休時には、登山者の遭難は非常に少なくなっています。キノコ採りや山仕事中の事故が発生しているほか、山梨県道志川沿いのキャンプ場で女の子の行方不明事故がありました。捜索が難航しており、現在(9月28日)も見つかっていません。

9/18(水)北アルプス涸沢で女性(64)が滞在中の山小屋で体調不良となり行動不能。遭対協が救助
9/18(水)北アルプス焼岳でツアー登山中の男性(73)が足を滑らせて転倒し負傷。県警救助隊が救助
9/19(木)=発見日/北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で行方不明者を捜索中の県警ヘリが身元不明の遺体を発見収容
9/19(木)北アルプス蝶ヶ岳で男性(51)が単独で下山中、階段を踏みはずして転倒負傷。県警ヘリが救助
9/19(木)三重県伊賀市の山林で男性(86)が倒れているのを発見、病院で死亡。全身にハチに刺された跡あり
9/20(金)11:30に望岳台から十勝岳へ入山した男性(50)が、15:00「吹雪で道に迷った」と通報。9/21グラウンド火口付近で発見されるが、病院で死亡確認
9/20(金)丹沢・大室山北麓のキャンプ場で水遊びに行った子供らを1人で追った女児(7)が行方不明。9/28未発見
9/22(日)北アルプス焼岳で女性(61)が仲間と4人で登頂後、単独で下山中に道に迷い行動不能。県警ヘリが救助
9/22(日)長野県木曽町の山林でキノコ採り中の男性(54)が何らかの疾患により倒れる。消防が救助後死亡
9/22(日)長野県木曽町の山林でキノコ採り中の男性(44)がクマに襲われる。肩を噛まれ軽傷
9/23(祝)=発見日/八風山(長野県佐久市)でキノコ採り中の男性(92)が何らかの原因により滑落死亡

[その他のニュース]
●御嶽山噴火の教訓伝える手ぬぐい
9/18=毎日/5年前の御嶽山噴火災害のときに、火口から350mの場所で被災しながら自力で生還した小川さゆりガイドが、安全登山を伝える手ぬぐいを自作して、実費販売しているそうです。登山初心者に「最低限この準備と装備があれば、万一の際に助かる可能性が高まる」というものが、手ぬぐいにイラストで描かれています。手ぬぐいを持っている間は記憶が反すうされますね。いいアイデアです。描かれているものは、登山届、ヘルメット、地図、コンパス、時計、雨具、ヘッドライト、ダウンジャケット、ツエルト、食料と水、でした。

手ぬぐいはこんな感じ

●クマに襲われ負傷
9/22=長野県警/9月22日、長野県大町市で男性(64)が自宅近くの路上で熊に襲われ、尻を噛まれました。また、長野県木曽町の山林でキノコ採りをしていた男性(44)もクマに襲われ、肩を噛まれました。2人とも軽傷でした。どこまでを「山岳遭難」または「山岳事故」ととらえるかですが、住宅地で遭遇したものは除き、山地・山林内でのものは山岳遭難と考えてよいと思います。ただし、長野県警が発表している山岳遭難の「週報」では、上記2事例とも含められていませんでした。

気にかかった遭難事例

●吹雪の十勝岳で遭難死
9月20日15時前、十勝岳を登山中の男性(50)が「吹雪が強くなり視界が悪い。登山道を外れたかもしれない」と、警察に通報しました。警察が夕方から救助に向かいましたが見つからず、21時前に捜索を中断しました。翌21日6時30分から道警ヘリと救助隊で捜索を再開し、12時5分ごろ、標高1800mのグラウンド火口付近に男性が倒れているのを発見しました。病院へ搬送後、死亡が確認されました。

発見時、男性は登山道から約120m離れた場所に、あお向けに倒れていたそうです。20日当時の視界は100mほど。通報時、男性は山頂から20分ほど下りた斜面にいると言っていますので、登頂後に下山する途中で風雪が激しくなり、下山ルートを迷いかけていたと推測されます。19時過ぎからは携帯電話の呼び出し音が鳴るものの、連絡がつかなくなったそうで、この時刻までに何らかの異変が起こったのでしょう。
首都圏からやって来て、望岳台から11時半ごろ登山開始しています。遅い時刻ですが、前日まで低気圧の悪天域にあって、天気は回復に向かっていました。時刻が遅いほうが好天になるだろうとの読みがあったかもしれません。
不利な場所にとどまり続けるよりも、地図読みや携帯GPSの知識を駆使して下り続けていれば助かったかもしれないと、考えさせられる事例でした。

9月20日12:00の地上天気図(出典:気象庁) 低気圧が通過して天気は回復に
向かっているものの、北海道中央部にはまだ薄い雲がかかっている状態だった

●道志のキャンプ場で女児行方不明
9月21日、山梨県道志村のキャンプ場で、小学1年の女の子(7)が行方不明になりました。女の子は家族・友人ら約30人でキャンプ場を訪れていて、21日15時半ごろ、先に遊びに行った子供たちを追いかけて1人で山に向かって以後、行方がわからなくなりました。大規模な捜索が連日行われていて、マスコミでも大きく報道されています。9月28日現在見つかっていません。