■5月27日(日)晴
地理・地名分科会の巡検に参加しました。
巡検というのは、地質学・地理学研究のための実地調査のことです。地理・地名分科会では、地方にいる会員が参加できるように、年次総会(5月)または大会(11月)終了後に巡検を企画・実施しています。調査というより、小旅行のような気軽なものです。
今回の巡検は「甲府盆地」がテーマでした。
戦国時代に武田信玄が御勅使川の流れをコントロールした遺跡が保存されています。とても高度な土木事業だったことがわかります。
荒れ狂う洪水の流れを弱めるために考えられ、三角形の木組みの上にこのような重り籠を載せて川岸に沈めました。甲州が始まりだそうです。
甲府盆地で氾濫を繰り返した御勅使川の流れを、土木工事により北側に導き、この岩壁に当てて水勢を弱めたうえ富士川に合流させました。
御勅使川の激流を二分して水勢を弱めるための石積みです。戦国時代に作られたとは思えない、しっかりとしたものでした。
高田の天井川。川底よりも低い位置に集落があります。川の下をトンネルで鉄道(JR身延線)と車道が通っています。
甲府盆地の南端で、富士川が一番狭くなるところです(写真前方が盆地=北)。鉄道が開通するまでは、水運で人やモノが運ばれました。流れが速いときは駿河まで4時間で行ったそうです。
博物館展示にあった鰍沢船着き場です(写真前方が駿河方面=南)。前の写真よりも少し上流にありました。
コンビニでお昼ご飯を仕入れ、車で峡南橋から四尾連湖に登って昼食にしました。甲府盆地の周縁は地滑り地形が多く見られます。四尾連湖も大規模な地滑りによって形成された湖だそうです。
山越えをしてふたたび盆地に戻ります。甲府南インター近くにある考古博物館を見学しました。アンデス展が開催中でしたが、甲府盆地の常設展を見ました。
博物館敷地内は曽根丘陵公園になっていて、多数の古墳群が復元されています(外見のみ)。丸山塚古墳(直径72m)は山梨県最大の円墳だそうです。隣の甲斐銚子塚古墳(全長169m)は、4世紀では東日本最大級の前方後円墳だそうです。
勝沼に移動して「天空の湯」で温泉に入りました。南アルプスを展望しながら露天風呂に入れます。電線がじゃまですが、扇状地に広がるぶどう畑がきれいに展望できます。
国宝のあるお寺です。安価(民宿なみ料金)で宿泊できます。
= 第2日に続く =