[10月1週]椿荘キャンプ場の捜索で二重遭難頻発

[10/1~7の遭難関係ニュースから]
(遅くなりましたが)10月第1週の遭難まとめです。

北アルプスなど3000m級の高山エリアでは、例年どおりなら紅葉の最盛期になっています。登山者数のデータは取れませんが、多数の登山者が北アルプス、南アルプスを訪れ、それに伴い遭難事故が多くなっているものと思われます。さらにこの時期は、キノコ採りで入山した人の遭難も加わっています。
また、丹沢・道志エリアの椿荘キャンプ場で行方不明になった女児の捜索活動に加わっていた関係者が、複数回にわたって二重遭難事故を起こしています。

10/1(火)古賀志山滝コース付近で男性(78)が登山道から30m下に倒れているのを登山者が発見。病院へ搬送後死亡
10/1(火)行方不明女児の捜索に加わっていた男性(55)と妹が、丹沢・大室山山中で道に迷う。10/2朝自力下山
10/1(火)北丹沢・椿荘キャンプ場付近で、遭難捜索ボランティアの男性(40代)が捜索中にクマと遭遇し、逃げる際に転倒して右足首骨折
10/1(火)南アルプス尾白川渓谷千ヶ淵付近で男性(68)が足を滑らせ転倒し左脚骨折の疑い。防災ヘリが救助搬送
10/1(火)長野県木曽町の山林でキノコ採りの男性(84)が滑落して行動不能となる。木曽署などが救助
10/1(火)北アルプス大日平登山道で男性(67)が濡れた木道で足を滑らせて転倒し左足骨折。県警ヘリが救助搬送
10/1(火)北アルプス白馬鑓ヶ岳で男性(44)が仲間と下山中、疲労により行動不能。10/2遭対協が救助
10/2(水)栗駒山登山口から2km地点で女性(34)が日没で行動不能となり、弟が下山し救助要請。翌日ヘリで救助
10/3(木)富士山吉田口一合目からキノコ採りに入山したと見られる男性(88)が行方不明。10/19三合目で遺体発見
10/3(木)北アルプス下ノ廊下半月峡付近で男性(53)がクマに襲われ鼻、胸、左腕を負傷。自力下山して病院へ
10/4(金)八ヶ岳・編笠山~観音平で女性(74)が下山中に木の根につまずき転倒、左脚骨折。防災ヘリが救助搬送
10/4(金)北アルプス槍沢で男女2人(77・75)登山中、疲労と体調不良により行動不能。遭対協が救助
10/5(土)岩手県大槌町の山林でキノコ採りの男女(70代)が体力を消耗したため山中泊。翌日、下山中を発見救助
10/5(土)上州武尊山で男性(51)が下山中に滑落して肋骨骨折など重傷。警察・消防が救助搬送
10/5(土)奥秩父・木賊山南東で女性(55)が西沢渓谷へ下山中に急斜面のガレに迷い込み動けず。県警ヘリが救助
10/5(土)北丹沢・椿荘キャンプ場付近で、TV局カメラマンの男性(36)が女児捜索を取材中に林道脇で足を踏み外して5m転落、鎖骨骨折の重傷
10/5(土)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で男性(43)が滑落、同行の男性(48)と衝突し2人とも負傷。翌日ヘリ救助
10/6(日)北海道釧路町の山中で男性(82)がキノコ採りに出かけたまま戻らず。10/7警察が発見救助
10/6(日)尾瀬・燧ヶ岳御池ルートで女性(80代)が午後「道に迷った」と親族に連絡。22:10消防隊員が発見救助
10/6(日)奥秩父・瑞牆山で女性(70)が転倒し頭に軽いけがを負う
10/6(日)房総・無実山山中で男性(72)が仲間と別れて以後行方不明。10/7登山道から400m離れた沢で遺体発見
10/6(日)富士河口湖町の山中で男性(59)が午後からキノコ採りに出かけて戻らず。10/7斜面に倒れた遺体発見
10/6(日)上記男性を捜すために入山した父親(87)が連絡不通となり母親が通報。崖下に倒れて発見、死亡確認
10/6(日)南アルプス北岳で男性(57)が下山途中に転倒して左足首を骨折。県警ヘリが救助
10/6(日)南アルプス北岳で女性(75)が下山途中に足を滑らせ5m滑落、腰椎圧迫骨折。10/7警察・消防が搬送
10/6(日)南アルプス西農鳥岳で男性(71)が滑落して右足を負傷
10/6(日)北アルプス剱沢平蔵谷出合付近で男性(78)が登山中にふらついて転倒し顔を負傷。防災ヘリが救助搬送
10/6(日)北アルプス横尾谷で女性(77)が家族2人で涸沢から下山中、疲労により行動不能。県警・遭対協が救助
10/6(日)北アルプス西穂山頂付近で男性(44)に直径30cm大の落石が当たり左手骨折の模様。県警ヘリが救助
10/6(日)鈴鹿・仙ヶ岳白谷道で、男性(66)が頭部を負傷し登山道の15m下に倒れているのを発見、のち死亡確認
10/7(月)北アルプス剱岳に向かった男性(71)が、当日宿泊予定の山小屋に到着せず行方不明。10/14捜索打ち切り

気にかかった遭難事例

●椿荘キャンプ場女児捜索で二重遭難
丹沢・大室山北麓にある椿荘キャンプ場で、9月20日に女児(7)が行方不明になり、大規模な捜索が続けられました。捜索活動に加わるボランティアも多くいたようですが、二重事故の発生が4件報じられています。
9月27日、男性(27)が捜索中に崖から転落して重傷を負い、110番通報しました。29日朝、自力で林道を下山中のところを発見、保護されました。10月1日、早朝から妹と2人で捜索に加わった男性(55)は大室山で道に迷い、翌2日に自力下山しました。同1日、別の40代男性は捜索中にクマと遭遇して、逃げる際に転倒して右足首などを骨折しました。10月5日、取材中の民放テレビカメラマンの男性(36)が、林道から足を踏み外して沢に転落し、機動隊に救助されました。
その他、報道に出ていないトラブルもあったもようです。

山岳遭難捜索は専門的なレスキュー技術が必要な業務で、アマチュアがやるべきことではありません。専門技術を持っていない人には、可能な範囲での活動を指示して分担してもらう必要があります。きちんとした指揮系統(安全性の判断ができる)のもとで捜索救助活動を行わないと、大きな二重事故を起こしてしまう危険性があると思います。

●房総の低山で山岳会男性死亡
10月5日、「房州アルプス」の通称がある無実(みなし)山で、男性(72)が行方不明になりました。男性は同じ山岳クラブの男性と2人で、下見のために入山していました。日帰りの予定でしたが、周囲が暗くなってきたので、「家族から懐中電灯をもらってくる」と言って1人で先に下山しました。そのまま戻らず、携帯電話もつながらなくなりました。
仲間の男性は道に迷い、その夜は山中に泊まって、翌6日10時10分ごろ消防に通報しました。11時55分ごろ、仲間の男性は山中で発見、救助されました。
行方不明の男性は翌7日10時25分ごろ、登山道から400m離れた水のない沢で発見されましたが、すでに死亡していました。死因など詳細は不明です。富津署は「台風15号による倒木などで危険な場所もあるので、山に入るのは控えてほしい」と呼びかけています。

地形図を見ると、尾根筋は分岐が多いものの明瞭で、道迷いで引き返せなくなる地形ではないように思えます。また、登山ルートはすべて稜線上にあって、そこから400m離れた場所はほぼ沢底になってしまいます。薄暗い中を急いで歩いている際に滑落して、自力で動けなくなるような状態に陥ったのではないでしょうか?
マスコミ記事は検証の視点から書かれているわけではないので、遭難の状況がよくわからないものが多いです。特に山名、地名、沢名などを明記していないのは残念です。

[9月4週]紅葉シーズンに入り、また遭難多発傾向

[9/24~30の遭難関係ニュースから]
(遅くなりましたが)9月第4週の遭難まとめです。

北アルプスでの遭難事故がかなり多いです。3000m級のエリアでは紅葉が始まり、しだいに最盛期へと向かう時期です。そのためか、夏山シーズンに準じて遭難発生が多くなっています。よく目立つのは、「転倒して負傷」「疲れて歩けない」「体調を崩して行動不能」のような事例です。
9月末には首都圏の低山で遭難が続発しています。扇山、滝子山、不老山というような「やさしい山」で、道迷い遭難や滑落事故が起こっています。夏の暑さがなくなって、近場での山歩きが楽しめる季節になりましたが、登山者が移動するのにともなって、遭難事故の起こり方も変動していくようです。

9/24(火)北アルプス白馬大雪渓で男性(57)が下山中にスリップして転倒負傷。大町署・遭対協が救助
9/24(火)北アルプス焼岳で男性(64)が上高地へ向けて下山中に転倒して負傷。遭対協が救助
9/24(火)北アルプス・常念岳烏帽子沢で渓流釣りの男性(77)が日没のためビバーク後、疲労等により行動不能
9/24(火)屋久島淀川休憩所近くの沢から300m下流で、岩に挟まれた男性の遺体発見。年齢・身元不明
9/25(水)日光・小真名子山で男性(70)が知人に「山で迷った」とメールを送り不明。9/29民間捜索隊が発見救助
9/25(水)日光白根山中ツ曽根登山道で、男性(60)が国境平経由で下山中に道に迷い通報。県警ヘリが発見救助
9/25(水)北アルプス三俣蓮華岳を下山中の女性(67)が岩につまずき転倒、左手首骨折など。9/26防災ヘリが救助
9/25(水)北アルプス奥穂ロバの耳付近で男性(41)が50m滑落し右足骨折など。別の登山者が通報、県警ヘリが救助
9/25(水)西中国山地聖山の南西方で男性(76)が「道に迷った」と連絡後不明。9/27ボランティアが赤川谷で発見
9/25(水)広島県三原市で児童16人・先生4人が学校東側の山林で自然学習中オオスズメバチに襲われる。20人軽傷
9/26(木)苗場山で女性(70)が仲間と登山中、疲労と体調不良により行動不能。飯山署・遭対協が救助
9/26(木)北アルプス奥穂ザイテングラードで男性(70)が下山中に足を滑らせて滑落し負傷。県警ヘリが救助
9/26(木)宝満山(福岡県筑紫野市)で男性(68)が登山道を外れた脇道から足を踏み外し18m滑落。崖下で遺体発見
9/27(金)志賀高原裏志賀山で男性(69)が仲間と登山中、疲労により行動不能。県警ヘリが救助
9/27(金)戸隠連峰高妻山から下山中の男性(78)が、大洞沢で道に迷い行動不能。9/28長野中央署が救助
9/27(金)奥多摩・扇山から百蔵山へ縦走中の女性(29)がルートを外れて道に迷い12:05通報。防災ヘリが救助
9/27(金)北丹沢・椿荘キャンプ場付近で、遭難捜索ボランティアの男性(27)が捜索中に崖から転落し右腕・右手首骨折。9/29自力下山中を救助
9/27(金)北アルプス白馬岳で男性(65)が宿泊中の山小屋で何らかの疾患のため行動不能。県警ヘリが救助
9/27(金)北アルプス横尾谷で男性(77)が横尾に向けて下山中、体調不良により行動不能。県警救助隊が救助
9/28(土)磐梯山で男性(54)が下山途中に転倒して右足を骨折、歩けなくなる。県警ヘリが救助
9/28(土)長野市鬼無里日影の山中で男性(63)がクマに襲われて負傷
9/28(土)北アルプス前穂重太郎新道で男性(61)が下山中に足を踏み外して滑落負傷。県警・遭対協が救助
9/28(土)大菩薩・滝子山で女性2人(24・24)が夕方「道に迷った」と110番通報。2.5H後大月署が救助
9/29(日)道志・不老山(神奈川県上野原市)で男性(55)が下山途中に5m滑落して耳に軽いけが。防災ヘリが救助
9/29(日)奥多摩・浅川峠(山梨県大月市)で男性(46)が「道に迷った」と110番通報。県警ヘリが救助
9/30(月)北アルプス三俣山荘~雲ノ平間で男性(43)が岩で足を滑らせ転倒、右足首骨折。10/1県警ヘリが救助
9/30(月)北アルプス上高地で9/27ごろからホテルに宿泊していた男性(71)が9/30以降行方不明。家族が届け出る

気にかかった遭難事例

●ボランティア男性が遭難者発見
9月25日15時ごろ、広島県の高岳に1人で登った男性(76)が、親族に「登山ルートから外れてしまった。帰りが少し遅くなる」と電話連絡がありました。その30分後、登山仲間にも「道に迷った」と連絡して、その後連絡がとれなくなりました。登山仲間の男性は26日早朝から高岳周辺を捜しましたが見つからないため、8時50分に119番通報。この日、消防と山県署員が30人体制で捜索しましたが、発見できずに捜索を終了しました。
翌27日はボランティアも含む70人体制で、8時30分から捜索が開始されました。広島・島根両県の警察や消防、男性が所属している登山グループのメンバーも捜索に加わりました。9時45分ごろ、高岳と尾根続きの聖山から南西1kmの赤川谷で、遭難男性は発見されました。発見したのはボランティアで入っていた呉市の海上自衛隊員男性(34)でした。遭難男性が登山仲間に電話した際に話した峠の名前などの情報を元に聖山方面へ向かい、林道から沢へ入ると、男性が岩の上へ仰向けになっていたそうです。衰弱しているもののけがはなく、意識もはっきりしていました。携帯電話が圏外のため、林道に戻って10時15分に消防隊に伝えられました。最後の連絡から約43時間ぶりに救助された遭難者は、ヘリと救急車で病院へ運ばれました。

遭難者の男性は経験豊富なベテラン登山者のようですが、よく知っている山でも、ほんのちょっとしたきっかけで道迷いは起こっています。沢にいるときは焚火ができれば、発煙によって容易に位置を知らせることができます。非常用燃料、ライター、ツエルト(orレスキューシート)を、いつも持つようにするといいですね。

[9月3週]秋深まり、全国で多様な形態の遭難発生

[9/17~23の遭難関係ニュースから]
9月第3週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

21日から23日にかけて大型の台風17号が東シナ海を北上し、3連休はその影響を考えて登山を控えた人が多かったと思われます。週の前半には北アルプスで数件の遭難がありましたが、週末の連休時には、登山者の遭難は非常に少なくなっています。キノコ採りや山仕事中の事故が発生しているほか、山梨県道志川沿いのキャンプ場で女の子の行方不明事故がありました。捜索が難航しており、現在(9月28日)も見つかっていません。

9/18(水)北アルプス涸沢で女性(64)が滞在中の山小屋で体調不良となり行動不能。遭対協が救助
9/18(水)北アルプス焼岳でツアー登山中の男性(73)が足を滑らせて転倒し負傷。県警救助隊が救助
9/19(木)=発見日/北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で行方不明者を捜索中の県警ヘリが身元不明の遺体を発見収容
9/19(木)北アルプス蝶ヶ岳で男性(51)が単独で下山中、階段を踏みはずして転倒負傷。県警ヘリが救助
9/19(木)三重県伊賀市の山林で男性(86)が倒れているのを発見、病院で死亡。全身にハチに刺された跡あり
9/20(金)11:30に望岳台から十勝岳へ入山した男性(50)が、15:00「吹雪で道に迷った」と通報。9/21グラウンド火口付近で発見されるが、病院で死亡確認
9/20(金)丹沢・大室山北麓のキャンプ場で水遊びに行った子供らを1人で追った女児(7)が行方不明。9/28未発見
9/22(日)北アルプス焼岳で女性(61)が仲間と4人で登頂後、単独で下山中に道に迷い行動不能。県警ヘリが救助
9/22(日)長野県木曽町の山林でキノコ採り中の男性(54)が何らかの疾患により倒れる。消防が救助後死亡
9/22(日)長野県木曽町の山林でキノコ採り中の男性(44)がクマに襲われる。肩を噛まれ軽傷
9/23(祝)=発見日/八風山(長野県佐久市)でキノコ採り中の男性(92)が何らかの原因により滑落死亡

[2019/11/10]追記
9/19(木)御坂・黒岳から下山途中の男性(65)が道に迷い110番通報。県警ヘリが山頂の南東600m地点で救助
9/19(木)北アルプス剱沢三ノ沢出合付近で男性(69)がつかんだ岩が崩れて右足に当たり負傷。防災ヘリが救助
9/20(金)鈴鹿・雨乞岳で男性(58)が家族に「迷子になった」と連絡し行方不明。9/21山中で無事発見
9/21(土)北アルプスカベッケヶ原付近で女性(69)が木道でつまずいて転倒、右足首骨折。県警ヘリが救助

[その他のニュース]
●御嶽山噴火の教訓伝える手ぬぐい
9/18=毎日/5年前の御嶽山噴火災害のときに、火口から350mの場所で被災しながら自力で生還した小川さゆりガイドが、安全登山を伝える手ぬぐいを自作して、実費販売しているそうです。登山初心者に「最低限この準備と装備があれば、万一の際に助かる可能性が高まる」というものが、手ぬぐいにイラストで描かれています。手ぬぐいを持っている間は記憶が反すうされますね。いいアイデアです。描かれているものは、登山届、ヘルメット、地図、コンパス、時計、雨具、ヘッドライト、ダウンジャケット、ツエルト、食料と水、でした。

手ぬぐいはこんな感じ

●クマに襲われ負傷
9/22=長野県警/9月22日、長野県大町市で男性(64)が自宅近くの路上で熊に襲われ、尻を噛まれました。また、長野県木曽町の山林でキノコ採りをしていた男性(44)もクマに襲われ、肩を噛まれました。2人とも軽傷でした。どこまでを「山岳遭難」または「山岳事故」ととらえるかですが、住宅地で遭遇したものは除き、山地・山林内でのものは山岳遭難と考えてよいと思います。ただし、長野県警が発表している山岳遭難の「週報」では、上記2事例とも含められていませんでした。

気にかかった遭難事例

●吹雪の十勝岳で遭難死
9月20日15時前、十勝岳を登山中の男性(50)が「吹雪が強くなり視界が悪い。登山道を外れたかもしれない」と、警察に通報しました。警察が夕方から救助に向かいましたが見つからず、21時前に捜索を中断しました。翌21日6時30分から道警ヘリと救助隊で捜索を再開し、12時5分ごろ、標高1800mのグラウンド火口付近に男性が倒れているのを発見しました。病院へ搬送後、死亡が確認されました。

発見時、男性は登山道から約120m離れた場所に、あお向けに倒れていたそうです。20日当時の視界は100mほど。通報時、男性は山頂から20分ほど下りた斜面にいると言っていますので、登頂後に下山する途中で風雪が激しくなり、下山ルートを迷いかけていたと推測されます。19時過ぎからは携帯電話の呼び出し音が鳴るものの、連絡がつかなくなったそうで、この時刻までに何らかの異変が起こったのでしょう。
首都圏からやって来て、望岳台から11時半ごろ登山開始しています。遅い時刻ですが、前日まで低気圧の悪天域にあって、天気は回復に向かっていました。時刻が遅いほうが好天になるだろうとの読みがあったかもしれません。
不利な場所にとどまり続けるよりも、地図読みや携帯GPSの知識を駆使して下り続けていれば助かったかもしれないと、考えさせられる事例でした。

9月20日12:00の地上天気図(出典:気象庁) 低気圧が通過して天気は回復に
向かっているものの、北海道中央部にはまだ薄い雲がかかっている状態だった

●道志のキャンプ場で女児行方不明
9月21日、山梨県道志村のキャンプ場で、小学1年の女の子(7)が行方不明になりました。女の子は家族・友人ら約30人でキャンプ場を訪れていて、21日15時半ごろ、先に遊びに行った子供たちを追いかけて1人で山に向かって以後、行方がわからなくなりました。大規模な捜索が連日行われていて、マスコミでも大きく報道されています。9月28日現在見つかっていません。

[9月2週]連休を中心に多くの遭難が発生

[9/10~16の遭難関係ニュースから]
9月第2週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

9月14~16日は3連休でしたが、中部~東日本では好天に恵まれました。南・北アルプスで多くの遭難が発生しましたが、死亡事故はなかったもようです。槍ヶ岳北鎌尾根、南アルプス北岳で、少なくともそれぞれ3件の遭難事故がありました。また、北アルプス槍ヶ岳方面と、四国山地の国見山では、行方不明事故が発生しています。

9/12(木)鈴鹿・御在所岳で女性(34)が下山途中の14:00「道に迷った」と通報。四日市西署らが救助
9/14(土)奥秩父・西沢渓谷で男性(78)が疲労のため両脚がけいれんし歩行困難となる。防災ヘリが救助
9/14(土)=発見日/奥秩父・中ノ沢方面へ8/26に入山した男性(51)が行方不明。9/14遺体発見、死因は多発外傷
9/14(土)北アルプス大日岳で男性(41)が下山中にバランスを崩し左足首をひねって骨折。県警ヘリが救助
9/14(土)白山・美濃俣川で男性(20代)が沢登り中に2~3m滑落して足首骨折の疑い。防災ヘリが救助
9/15(日)山寺の岩場(山形市)で女性(33)がクライミング中に5m転落して左側頭部にけが。防災ヘリが救助
9/15(日)早池峰山小田越ルート五合目で男性(55)が下山中に転倒して右足腓骨骨折。防災ヘリが救助
9/15(日)谷川連峰大源太山七合目付近で男性(66)が下山中に手足がしびれ動けなくなる。県警ヘリが救助
9/15(日)妙高山で女性(49)が下山中に転倒し右手首骨折。黒沢池ヒュッテまで下山後、防災ヘリが救助
9/15(日)奥秩父・瑞牆山の岩場で男性(30)が滑落し右肘などに軽傷。防災ヘリが救助搬送
9/15(日)三ツ峠山で女性(73・57)が16:20「道に迷った」と110番通報。県警ヘリが救助
9/15(日)北アルプス剱沢小屋に滞在中の男性ガイド(63)が胸の痛みを訴え、防災ヘリが救助。肺気胸の疑い
9/15(日)北アルプス剱沢2630mで男性(30)が下降中に浮石を踏んで転倒し右足骨折。9/16県警ヘリが救助
9/15(日)=認知日/北アルプス黒部川東沢谷で男性(59)が転倒負傷後7日間ビバーク。通った登山者が救助要請
9/15(日)北アルプス黒部五郎岳カールで女性(75)が登山道上で石につまずいて転倒し額に軽傷を負う
9/15(日)白山奥長倉避難小屋付近で男性(72)が転倒して歩行不能。9/16防災ヘリが救助。右足首骨折の模様
9/15(日)天杉山(広島県安芸太田町)で女性(69)が「下りる道がわからない」と通報。9/16消防ヘリが救助
9/16(祝)北アルプス剱岳前剱付近で男性(36)が下山中に滑落、肋骨骨折などで行動不能。9/17県警ヘリが搬送
9/16(祝)北アルプス黒部川赤木沢出合付近で男性(69)が道に迷い、9/18家族が通報。山岳警備隊員が救助

[2019/11/10]追記
9/11(水)北アルプス前穂重太郎新道を登山中の男性2人(21・21)が疲労などにより行動不能。県警・遭対協が救助
9/14(土)日光白根山で女性(35)が山頂100m下を下山中に転倒して左足首骨折。県警警備隊員らが救助
9/14(土)群馬県上野村の山林でキノコ採りの男性(54)が足を滑らせ沢へ20m転落、胸骨骨折など。消防らが救助
9/14(土)南アルプス八本歯コル~大樺沢二俣間で男性(61)が下山中に砂地で転倒し左脚骨折。県警ヘリが救助
9/14(土)南アルプス八本歯コル付近で男性(76)が左俣ルートから岩壁方向に迷い込み行動不能。県警ヘリが救助
9/14(土)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根でガイド登山の女性(57)が疲労と体調不良により行動不能。県警ヘリが救助
9/14(土)=認知日/北アルプス上高地から槍ヶ岳方面へ9/8に入山した男性(61)が行方不明。9/14認知、捜索中
9/15(日)南アルプス鳳凰・白井沢で男性(67)がバランスを崩し20m滑落、左膝靭帯損傷の疑い。県警ヘリが救助
9/15(日)中央アルプス南越百山で男性(68)が登山中に滑落負傷、その後自力下山中に道に迷う。県警ヘリが救助
9/15(日)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で女性(58)が仲間4人と登山中に転倒し負傷。県警ヘリが救助
9/15(日)北アルプス岳沢周辺を単独で登山中の女性(60)が転倒し負傷。県警ヘリが救助
9/15(日)御嶽山でツアー登山中の女性(74)が転倒して負傷。県警ヘリが救助
9/15(日)四国山地・国見山に上野登山口から入山した女性(70代)が、山頂到着後に行方不明。9/17捜索打ち切り
9/16(祝)南アルプス北岳大樺沢で男性(65)が下山中にバランスを崩して転倒し左足首骨折。県警ヘリが救助
9/16(祝)南アルプス雨乞岳で男性(75)がキノコ採り中に30m滑落、背骨を折るなど重傷。防災ヘリが救助搬送
9/16(祝)南アルプス日向山で男性(23)が落とした携帯電話を拾おうと崖を下るが戻れなくなる。県警ヘリが救助
9/16(祝)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で女性(49)が登山中に脱臼骨折により行動不能。9/17県警ヘリが救助
9/16(祝)北アルプス燕岳で男性(51)が単独で登山中に転倒して負傷。安曇野署・遭対協が救助

[その他のニュース]
●剱立山のキャンプ場で盗難
9/10=富山テレビ/9月6日14時ごろ、剱沢キャンプ場へ登山を終えた人が戻って来たところ、1人用テントとザック、シュラフなど一式がなくなっていたそうです。また、9月7日、雷鳥沢キャンプ場でも1人用テントなど一式がなくなる盗難被害が起こりました。この事件はSNSでも拡散されましたが、その後、同様の被害があったとは聞いていません。登山も油断がならない時代になったと思いました。

●山梨県側の富士登山者5.6%減少
9/11=テレビ山梨/富士山は9月10日で夏山シーズンが終わりました。山梨県側からの登山者数は18万5807人で、昨年より1万867人減少し、世界遺産登録後では過去2番目に少なくなりました。昨年秋に山頂付近の石積みが崩れて、今年のシーズン当初に山頂まで登れなかったことと、天候不順が重なったことが、登山者減少の要因とみています。

●富士登山鉄道の構想
9/12=テレビ山梨/9月12日、富士山麓と五合目とを結ぶ富士山登山鉄道の検討会が、東京都内で開催されました。この検討会は山梨県知事が中心となって設置され、鉄道や火山研究の専門家、国会議員などが委員になっているそうです。10月に現地視察を行い、年明けに中間報告をまとめるスケジュールになっています。登山鉄道は、しっかりとした環境保全の考え方のもとに運営されれば、自動車道路よりもエコな環境を実現できると思いますが、どうでしょうか?

気にかかった遭難事例

●槍ヶ岳北鎌尾根で遭難3件
この週であげた遭難18件のうち、9件は長野県内で発生しており、そのうち3件は槍ヶ岳北鎌尾根で起こりました。具体的な状況は不明ですが、14日は女性(57)がガイド登山中に疲労と体調不良により行動不能、15日は女性(58)が5人パーティで登山中に転倒し負傷、16日は女性(49)がやはり5人パーティで登山中に脱臼骨折しています。3件とも県警ヘリで救助されました。

北アルプス槍穂高連峰の北鎌尾根、前穂北尾根、北穂東稜は人気がありますが、一般登山者向けのルートではなく、クライミング技術を駆使して登攀するバリエーションルートです。上記遭難事例の詳しい状況はわかりませんが、北鎌尾根を登るための体力・技術が追い付いていなかったのでは?と推測させるものでした。
北鎌尾根のようなバリエーションルートを、「たいしたことない」「思ったよりカンタン」などと言うベテラン登山者もいるかもしれません。遭難しないためには、北鎌尾根の難しさや危険性をよく理解しているリーダーや先輩と行くことが大事だと思います。

[9月1週]南北アルプスや富士山で再び遭難多発

[9/3~9の遭難関係ニュースから]
9月第1週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

9月6日(金)から8日(日)にかけて、中部山岳地域などでは好天に恵まれ、シーズン終盤の夏山登山を楽しんだ人が多かったのではないでしょうか。北・南アルプスや富士山で再び遭難が多くなっています。悪天候などで条件の悪いときよりも、好天になったほうが遭難が多いというのが、残念ながら現代の遭難発生の特徴です。

9/4(水)=発見日/日高山脈カムイエクウチカウシ山1180m付近で登山者が男性の遺体を発見。死後数日から数週間
9/4(水)=発見日/六甲・烏原大橋の真下で脚・顔などを骨折して倒れた男性(63)の遺体発見。大橋から転落か
9/5(木)谷川連峰万太郎山で男性(40代)が沢登り中に滑落して頭部や右膝を負傷。2H後防災ヘリが救助
9/5(木)御坂・三ツ峠登山口から天下茶屋を目指した男性(71)が登山道を外れて迷い16:35通報。大幡山で救助
9/5(木)八ヶ岳・赤岳で男性(71)が美し森へ下山中に道に迷い17:20通報。9/6北杜署が救助
9/6(金)吾妻・天元台高原で親子行事の山歩き集団がハチに襲われる。先頭グループ男女5人(中1)が刺され軽傷
9/6(金)尾瀬・燧ヶ岳で男女2人(60代)が登山中に道に迷い、下山しないため宿泊施設が通報。9/7朝自力下山
9/6(金)苗場山で男女2人(40代)が登山届の下山日を誤って1日早く記載。最終日に妻の弟が通報し遭難騒ぎに
9/6(金)富士山御殿場口下山道太郎坊付近で男女2人(30代)が負傷および疲労により救助要請。県警救助隊が救助
9/6(金)富士山御殿場口下山道大砂走り付近で男性(30代)が足を負傷して動けなくなる。夜、県警救助隊が救助
9/6(金)八ヶ岳・夏沢峠~硫黄岳間で男性(62)が登山中に同行者とはぐれ行方不明。9/8時点で未発見
9/6(金)南アルプス高嶺付近で女性(59)が下山中に岩場でバランスを崩し転倒、左足首骨折。県警ヘリが救助
9/6(金)北アルプス槍ヶ岳から槍沢を下山中の男性(70)が疲労により行動不能。遭対協が救助
9/7(土)面白山で女性(28)が濡れた登山道で滑落すると思い動けなくなって通報。山形署・消防が同伴して下山
9/7(土)平ヶ岳鷹ノ巣ルートの台倉山で、男性(40代)が下山中に脱水症などで動けなくなる。防災ヘリが救助
9/7(土)富士山富士宮口五合目宝永山下山道で男女2人(年齢不明)が道に迷い救助要請。県警救助隊が発見救助
9/7(土)富士山須走口八合目付近で男性(年齢不明)が足の痛みを訴え救助要請。防災ヘリが救助搬送
9/7(土)八ヶ岳・赤岳の文三郎尾根を下山中の男性(41)が足を滑らせて転倒し右足骨折。県警ヘリが救助
9/7(土)八ヶ岳・権現岳から下山中の男性(58)が足を滑らせ右脚骨折の重傷。防災ヘリが救助
9/7(土)南アルプス鋸岳で男性(71)が下山中に道に迷い日没となったためビバーク。9/8林道を歩行中に救助
9/7(土)南アルプス栗沢山で男性(54)が下山中にバランスを崩し転倒、右足首骨折。小屋関係者などが救助
9/7(土)北アルプス剱岳八ツ峰で男性(22)が岩登り訓練中に10m転落し頭・右手などに重傷。県警ヘリが救助
9/7(土)北アルプス焼岳で女性(38)が新中尾峠から上高地へ下山中に転倒して負傷。県警ヘリが救助
9/8(日)鳥海山で仲間から1人だけ遅れた男性(69)が、登山道に倒れているのを発見される。病院で死亡確認
9/8(日)奥秩父・瑞牆山のカサメリ沢で女性(52)がクライミング中に25m滑落、全身を打ち死亡。防災ヘリで搬送
9/8(日)南アルプス大樺沢二俣で男性(66)が転倒時に額を岩に打って負傷。小屋を通じ通報、県警ヘリが救助
9/8(日)北アルプス剱岳・前剱登山道付近で女性(19)が下山中に稜線から150m滑落死亡。8/12県警ヘリが2650m地点で遺体発見、収容
9/8(日)北アルプス東沢岳で男性(77)が餓鬼岳から東沢を下山中に足を滑らせ滑落して負傷。県警ヘリが救助
9/8(日)鈴鹿・御在所岳で男性(47)が登山に出かけたまま帰宅せず。9/12防災ヘリで遺体収容
9/8(日)白滝山(広島県尾道市)八合目駐車場付近で観光客ら4人がスズメバチに刺され軽傷。登山道は一時閉鎖
9/9(月)=通報日/南アルプス鳳凰三山へ向かった男性(82)が下山せず。9/12県警ヘリが地蔵岳南東170mで発見

[その他のニュース]

●富山県の夏山遭難最多
9/5=毎日など/富山県内で発生した7~8月の夏山期間の遭難事故は80件(速報値、前年比+12)、遭難者数は84人(同+13)となりました。これまで最も多かった2002年の71件・76人を上回り、過去最悪記録を更新しました。遭難者のうち60歳以上が43人で半数以上を占めています。態様別では多い順に、転倒22人、病気(高山病、熱中症など)20人、転落・滑落10人、疲労7人、道迷い4人となっています。※「態様」とは遭難事故の形態、表われ方のことです。

●長野県の夏山遭難は減少
9/3=信越放送など/長野県内で7~8月の夏山期間に発生した遭難事故は99件(前年比-18)、遭難者数は106人(同-15)、死者・行方不明者は9人(同-9)でした。過去最悪だった昨年から減少したのは、悪天候や梅雨明けの遅れから登山者が減少したのが原因とみています。年齢別では60代以上が60人(57%)、40代以上では総数の87%を占め、中高年ないし高齢者の遭難が目立っています。転倒・転落・滑落が63件で、全体の66%を占めました。

●全国の夏山遭難は606件・669人
9/6=時事通信など/警察庁は9月6日、7~8月に全国で発生した山岳遭難件数が606件、遭難者数は669人だったと発表しました。過去最多だった昨年よりも115件、124人減少しました。死者・行方不明者は54人(前年比-17)でした。「7月に天候の悪い日が多かったことが影響しているのではないか」とみています。

気にかかった遭難事例

●11日後遺体発見、9日後に身元特定
9月3日、南アルプス署は南アルプス間ノ岳の東側斜面で8月25日に見つかった男性遺体の身元を、DNA鑑定により特定しました。男性(63)は8月11日に単独で長野県大鹿村から入山。同13日に熊ノ平小屋に宿泊し、翌朝出発してから行方不明になっていました。同25日に上空をパトロール中の山梨県警ヘリが発見し、翌日収容されました。男性は稜線から約300m下の斜面に倒れ、死因は滑落による多発外傷でした。

●前剱で19歳女性が滑落死亡
9月8日から単独で剱岳に登山に出かけた女性(19)が行方不明になり、同12日9時ごろ、前剱~一服剱間の標高2650m地点で倒れているのが発見されました。女性は心肺停止の状態で、県警ヘリで搬送されましたが、病院で死亡が確認されました。死因は報道されていませんが、滑落による多発外傷と推定されます。

行方不明だった同11日の夜、女性のお兄さんがツイッターで情報提供を呼びかけ、本人の顔や登山姿が写った写真、簡単な服装リストなどを公開しました。発見後にもお兄さんから簡単な経過報告がされたことから、私たちも一部分ではありますが、この遭難事例の状況を知ることができました。
剱岳のルート中、前剱の南側斜面は事故発生が最も多い場所の一つです。本事例と同じパターンの転落・滑落事故がここで何度も発生してきました。あらかじめその危険性を知っていれば、意識の持ち方も変わっていたのではないでしょうか。登山者の皆さんに遭難情報、危険情報を伝えてゆくことは重要だと思います。

前剱南面の登山道。15年前に撮ったものなので、現在は変わっているかもしれません

[8月5週]北アルプスで高齢者の遭難続く

[8/27~9/2の遭難関係ニュースから]
8月第5週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

夏休み最後の週、山岳遭難はかなり少なく、現在のところ把握された事例は10件ほどです。北アルプスでは4件の遭難があり、どれも高齢登山者によるものです。死亡事故が1件、行方不明事故が1件発生しています。停滞前線や寒気の影響で局地的な大雨もあり、全般に登山の天候には恵まれない週になりました。登山者が少なかったために、遭難発生も少なかったものと思われます。また、秋田県仙北市ではキノコ採りでの死亡事故が、長野県小谷村では地質調査作業中の転落死亡事故が起こっています。
9月上旬に長野県、富山県での夏山遭難のまとめが報道されています。長野県では昨年よりも減少、富山県では遭難増加となりました。詳しい内容は次回掲載します。

8/27(火)秋田県仙北市の山林で、8/18にキノコ採りで入山後行方不明になっていた男性(79)の遺体発見
8/27(火)北アルプス穂高連峰岳沢に向けてツアー登山中の男性(69)が滑落負傷。県警ヘリが救助
8/28(水)8/27北アルプス徳本峠へ向かった男性(79)が行方不明。松本署などが捜索中
8/28(水)白山で男性(30代)が下山せず行方不明。8/31左足首を骨折し間名古ノ頭付近で発見、防災ヘリが救助
8/29(木)北アルプス大天井岳で女性(74)が疲労・体調不良により行動不能。遭対協が救助
8/30(金)北アルプス穂高・奥又白谷で男性(71)が増水した沢を渡ろうとして流される。8/31300m下流で遺体発見
8/31(土)台高・大杉谷、桃の木山の家勤務の女性(38)が携帯電話の通じる場所に向かったまま戻らず不明。9/2午後無事発見、全身に打撲痕あり
9/1(日)近畿八幡山(滋賀県近江八幡市)で女性(29)が下山中、日没のため道に迷い行動不能。山頂150m下で救助
9/2(月)浦川砂防堰堤(長野県小谷村)で男性(53)が地質調査作業中に15m転落、川に流される。9/3遺体発見
9/2(月)南アルプス地蔵岳から薬師岳へ向かう途中、女性(76)がグループからはぐれ道に迷う。9/2早朝救助

[2019/09/18追記]
8/27(火)白山黒ボコ岩付近で登山中の女性(69)が足首を捻挫して行動不能。福井県防災ヘリが救助搬送
8/29(木)南アルプス聖岳で女性(67)が登山初日に低体温症を発症しツアー関係者が通報。8/29救助隊が救助
8/29(木)竜爪山(静岡市葵区)から道白山へ登山中の女性(39・39)が道に迷い16:15通報。消防ヘリが発見救助
8/31(土)大菩薩・小室川谷で沢登り中の男性(24)が手をかけた岩が崩れて滑落し、右足を負傷。防災ヘリが救助
8/31(土)富士山富士宮口元祖七合目下で男性(31)が下山中に転倒して足を負傷。県警・消防救助隊が付添い下山
9/1(日)南アルプス北岳大樺沢左俣ルートで男性(57)が下山中に持病の腰痛を発症し行動不能。県警ヘリが救助

[その他のニュース]
●岩殿山の鏡岩が一部崩落、メインルート通行止め
8/28=テレビ山梨/8月27日、岩殿山(山梨県大月市)の登山道に落石があると、登山者から連絡がありました。市で調べたところ、山頂直下にある鏡岩の一部が幅5m、高さ3mにわたって崩落し、流れ落ちた岩が登山道を塞いでいました。市は落石のあった強瀬ルートを通行止めにしました。27日0:00過ぎに神奈川県西部を震源として発生した地震が、崩落の原因と見ています。同ルート復旧のめどは立っていません。

●富士山吉田口の登山者1割減少
9/2=テレビ山梨/富士吉田市が吉田口登山道六合目で集計した登山者数は、7~8月の2カ月間で16万655人になりました。昨年の同期間よりも約1万9000人、率にして9.1%減少しました。山頂付近の石積みの崩落により登山道が一部通行止めの時期があったこと、お盆の時期に台風10号が接近したことなどが、減少の原因ではないかと、富士吉田市は分析しています。

気にかかった遭難事例

地理院地図(レベル16)に加筆

●奥又白沢で増水した沢に流され死亡
8月30日午後、奥又白谷の標高1900m付近を登っていた5人パーティのうち、先頭で沢を渡ろうとしていた男性(71)が流され、行方不明になりました。31日7:20ごろ、事故発生現場から約300m下流に倒れている男性が発見され、死亡が確認されました。

8月28~29日は九州北部で大雨が降り、長野県中部も停滞前線が横断していました。この間の雨で各地の沢は増水していたのでしょう。ふだんはごく細い流れや、涸れ沢であるものが、急な大雨によって増水し徒渉できなくなることは、森林限界以上のエリアが広大な山ではよく起こることです。涸沢へ行くのに、難路である奥又白谷を経由せず、より安全な横尾回りのルートで入山すればよかったと思います。

[8月4週]夏山終盤、遭難発生はほぼ通常なみに

[8/20~26の遭難関係ニュースから]
8月第4週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

遭難発生数は、通常の週なみのレベルに近くなってきました。北アルプスでの遭難発生がかなり多く、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳でも遭難がありました。8月20日の北アルプスで発生した3件は、どれも高齢登山者で低体温症を伴うものでした。8月26日に富士山で起きた落石死亡事故はマスコミで多数報じられました。

8/20(火)北アルプス七倉岳から蓮華岳へ登山中の男性(74・68)・女性(65)が疲労と体調不良により行動不能
8/20(火)北アルプス前穂吊尾根を奥穂へ登山中の男性(68)が疲労と体調不良により行動不能。常駐隊などが救助
8/20(火)北アルプス常念岳から蝶ヶ岳へ向けて登山中の男性(69)が疲労により行動不能。遭対協が救助
8/21(水)=通報日/8/19鳥海山秋田県側へ釣りで入山した男性(72)が行方不明。8/24登山口から700mの川で発見
8/21(水)鳥海山伏拝岳付近で女性(69)が仲間と別れて一人で散策中に転倒、左脚骨折の疑い。防災ヘリが救助
8/21(水)北アルプス八峰キレットを五竜岳に向けて登山中の男性(72)が視界不良のため道に迷う。常駐隊が救助
8/21(水)鬼ヶ城跡(鳥取県若桜町)で男性(68)が登山道から10m下に滑落し全身打撲など。ドクターヘリで搬送
8/22(木)中央アルプス西駒山荘から駒ヶ岳へ登山中の男性(73)が体調不良により行動不能。駒ヶ根署などが救助
8/22(木)祖母山で男性(40代)が10:00ごろ登山開始し、19:00「道に迷った」と通報。豊後大野署が救助
8/23(金)北アルプス黒部湖平ノ渡場付近で男性(23)の持つストックが急に縮んで転倒、30m滑落。県警ヘリが救助
8/24(土)巻機山米子沢で男性(61)が沢登り中に10m滑落して意識不明。3.5H後防災ヘリで搬送、死亡確認
8/24(土)富士山御殿場口六合目付近で女性(30)が下山中に転倒し頭に切り傷を負う。県警救助隊などが救助
8/24(土)北アルプス涸沢で家族5人で幕営中、男子(13)が体調不良を訴え行動不能。常駐隊が救助
8/25(日)雨飾山山頂付近で男性(34)が滑落して負傷。県警ヘリが救助
8/25(日)八ヶ岳権現岳~三ツ頭間で男性(38)が下山中に足を滑らせ転倒、右足首を脱臼骨折。防災ヘリが救助
8/25(日)南アルプス尾白川千ヶ淵で男性(18)が溺れ、助けに向かった男性(18)も溺れる。病院で死亡確認
8/25(日)=発見日/南アルプス北岳~間ノ岳で稜線から300m下に男性の遺体発見。死後数日、年齢不明。8/26収容
8/25(日)北アルプス白馬乗鞍岳で男性(62)が転倒して負傷。8/26大町署・常駐帯が救助
8/25(日)北アルプス西穂~奥穂で男性(53)が西穂から奥穂へ登山中、バランスを崩し滑落負傷。県警ヘリが救助
8/25(日)雨飾山山頂付近で下山中の男性(34)が滑落負傷。県警ヘリが救助
8/25(日)奥美濃・小津権現山で男性(45)が下山中に滑落し山頂の南東3kmの斜面で動けなくなる。県警ヘリが救助
8/25(日)若杉山(福岡県篠栗町)から宝満山へ至るルートに入山した男性(60代)が行方不明。8/26午後妻が通報
8/26(月)富士山須走・吉田ルート山頂直下200mで女性(29)が胸などに落石を受け死亡。付近は半日~1日通行止に
8/26(月)富士山富士宮口八合目衛生センターで女性(66)が下山中に転倒して足首を負傷。常駐隊などが救助
8/26(月)富士山宝永山付近で女性(61)が下山中に膝痛のため歩行困難になる。御殿場署が富士宮口五合目へ搬送
8/26(月)八ヶ岳赤岳の山小屋2700m付近で女性(66)が転倒して右足首を骨折。8/27県警ヘリが救助
8/26(月)北アルプス槍ヶ岳で男性(53)が転倒して負傷。県警ヘリが救助
8/26(月)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で男性(68)が道に迷い行動不能。県警ヘリが救助

[2019/09/18追記]
8/26(月)南アルプス尾白川渓谷で男性(43)が登山道から2m下の岩場に飛び降り腰・右足首骨折。県警ヘリが救助
8/26(月)京都・大津市境の音羽山を兄弟で登山中に、弟(11)がはぐれて迷う。発見した女性(34)が一緒に下山
8/26(月)三徳山(鳥取県三朝町)投入堂から下山中の男性(71)が湿った岩場で滑り転倒負傷。防災ヘリが救助

[その他のニュース]
●山梨県の遭難最多ペース
8/21=NHK山梨/山梨県の遭難多発がくり返し報じられています。2019年度、8月10日までに山梨県で起きた遭難は85件(前年同期比+14)、遭難者数は98人(同+7)、過去最多だった2017年をいずれも上回っています。また、死亡者数は16人で、前年同期より5人多くなっています。遭難者のうち、東京、神奈川など、県外から訪れた人が85%を占めるそうです。県警は「遭難は特に中高年に多く、疲労が蓄積して集中力が低下した下山中の滑落、転倒が多くなっているのではないか」と分析しています。

気にかかった遭難事例

●北アルプスの低体温症遭難
8/25=信濃毎日/長野県内で8月20日に発生した3件の遭難が、いずれも低体温症を伴ったものではないかと指摘されています。
(1)常念~蝶ヶ岳 標高約2600m 男性(69)が行動不能
(2)蓮華岳 標高約2700m 男女3人(74・68・65)が行動不能
(3)奥穂~前穂 標高約2900m 男性(68)が行動不能
遭難者はいずれも60代後半以上の高齢でした。救助時には衣類が濡れた状態で風を受け、動けなくなっていました。救助隊が同行しながら山小屋に避難すると、症状は回復したそうです。

この日、長野県内は前線や湿った空気の影響で、平地では昼前から夕方にかけて降水がありました。穂高岳山荘や針ノ木小屋によると、現地では朝方から雨が降り、昼過ぎには風が強まったということです。低温、濡れ、強風という3つの条件がそろったところに、防御行動をしないでいると、人間は簡単に低体温症になってしまうのです。

2019年8月20日9時の天気図
当日9:00の天気図。午後~夜に前線は少しずつ南下しました(出典:気象庁)

●富士山で落石により20代女性死亡
8月26日(月)、富士山吉田口・須走口ルートの山頂下約200m地点で、日本人の夫と登山中だったロシア人女性(29)が落石を胸などに受けました。女性は心肺停止状態となり、搬送中に心肺蘇生を受けましたが、死亡が確認されました。死因は外傷性心肺損傷ということです。今年の夏山遭難でおそらく報道が最も多かった事例となりました。

富士山では平均すると数年に1度の割合で、落石死亡事故が起こっていると思います。比較的落石の起こりやすい山なので、大量の登山者が登っている状況は危険なはずです。落石が起こりにくいように注意を払って環境整備が行われる必要があります。しかし、発生比率として落石事故は多いものではなく、富士山では高山病や心臓病などのほうが多く発生します。日本人・外国人を問わず、富士登山の危険性を正しく伝えてゆくことが大事だと思います。

[8月3週]夏山遭難やや減少し沈静化

[8/13~19の遭難関係ニュースから]
8月第3週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

お盆連休の週でしたが、夏山遭難はいくぶん件数が減って沈静化してきました。南アルプスでの遭難が目立っており、連休を利用して長期登山に出かけて遭難した例もあったのではないでしょうか。8/16、8/19の南アルプス塩見岳~仙丈ヶ岳で発生した行方不明遭難はその例で、このような場合、捜索・救助活動も困難なものになると思われます。
死亡遭難事故は只見町の蒲生岳、朝日連峰、奥秩父笛吹川東沢(沢登り)、南アルプス北岳バットレス、北アルプス前穂東壁、大峰山脈山上ヶ岳、大菩薩嶺で起こっています。北アルプスは発生件数は多いですが、死亡・行方不明事例はあまり多くありません。

8/13(火)蒲生岳(福島県只見町)で男性(18)が下山中に1人だけ先に進みはぐれる。登山口近くの山林で遺体発見
8/13(火)南アルプス北岳で女性(34)が下山中にバランスを崩して転倒し右足首骨折
8/13(火)南アルプス北岳で男性(45)が滑落して左足に2週間のけが
8/13(火)北アルプス北穂高岳で男性(58)が涸沢へ向けて下山中、転倒負傷。県警ヘリが救助
8/14(水)朝日連峰に8/10に入山した男性(57)が帰宅せず。8/15朝日鉱泉付近の登山道から50m崖下の沢で遺体発見
8/14(水)北アルプス白馬岳で女性(74)が下山中、疲労と体調不良により行動不能。大町署・遭対協が救助
8/14(水)北アルプス唐松岳で男性(51)が家族と八方尾根を下山中、転倒負傷。大町署・遭対協が救助
8/14(水)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根を登山中の男性(43)が疲労と体調不良により行動不能。大町署が救助
8/14(水)北アルプス北穂から南岳へ向かっていた女性(55)が大キレット付近で滑落負傷。松本署・遭対協が救助
8/14(水)北アルプス常念岳へ登山中の男性(35)が疲労及び体調不良により行動不能。遭対協が救助
8/15(木)南アルプス北岳大樺沢で下山中の男性(65)のストックが縮みバランスを崩して転倒。南ア署などが救助
8/16(金)南アルプス塩見岳~仙丈ヶ岳で、7/28山小屋から仙丈ヶ岳へ向かった男性(77)が行方不明。8/16届出
8/17(土)奥秩父東沢ホラの貝ゴルジュで男性(22)が沢下り中に姿が見えなくなる。8/18滝つぼ中で遺体発見
8/17(土)山中湖村の山中で男性(20代)が行方不明。詳細不明
8/17(土)南アルプス北岳バットレスで男性(31)が第5尾根を目指し登攀中20m滑落。県警ヘリが救助、病院で死亡
8/17(土)北アルプス前穂東壁で男性(41)がロープを使い岩場を下降中に60m滑落。8/18県警ヘリが発見、死亡確認
8/17(土)大峰・山上ヶ岳でボランティアガイドの男性(63)が一人で下山中に数十m崖下に滑落。8/18遺体発見
8/18(日)苗場山系釜川で男性2人(59・40)が沢登りで入渓後下山しないため通報。8/19林道に戻った所を発見保護
8/18(日)大菩薩嶺から小菅登山道を下山中の男性(76)が40m下の沢へ滑落。警察・消防が救助、搬送先病院で死亡
8/18(日)八ヶ岳蓼科山山頂から下山中の男性(35)がバランスを崩し転倒負傷。茅野署・遭対協が救助
8/18(日)南アルプス北岳バットレス第4尾根で男性2人(40代)が疲労のため行動不能。県警安全対策隊などが救助
8/18(日)中央アルプス木曽駒ヶ岳から下山中の女性(60)が浮石に乗り転倒負傷。駒ヶ根署・遭対協が救助
8/18(日)北アルプス小蓮華山で男性(66)が下山中に転倒負傷。県警ヘリが救助
8/18(日)北アルプス唐松岳八方尾根で女性(60)が下山中に転倒負傷。常駐隊・遭対協などが救助
8/18(日)北アルプス針ノ木岳で女性(50)が下山中に転倒負傷。県警ヘリが救助
8/19(月)南アルプス熊ノ平小屋を8/14に出発した男性(63)が行方不明。連休後勤務先から連絡を受け家族が通報
8/19(月)北アルプス白馬鑓ヶ岳で男性(58)が猿倉に向けて下山中に滑落負傷。大町署・常駐隊などが救助

[9/4追記]
8/13(火)蔵王・中丸山で男性2人(40代)がお釜から熊野岳経由で下山中に道に迷い16:45通報。夜間に救助、下山
8/13(火)富士山富士宮口八合目付近で男性(12)が体調不良で動けなくなったと届出。救助隊が救助
8/13(火)富士山富士宮口九合目付近で男性(52)が転倒して腰を強打し歩行困難になる。救助隊が救助
8/13(火)富士山富士宮口山頂付近で女性(15)が転倒して足首を負傷し歩行困難になる。救助隊が救助
8/13(火)=発見日/南アルプス尾白川渓谷で男性(65)が10m下の川岸に倒れ、散策中の男性が発見。外傷複数あり
8/13(火)北アルプス剱岳早月尾根下部で男性(50)が倒れているのを登山者が発見通報。県警ヘリが救助搬送
8/15(木)北アルプス剱沢キャンプ場で女性(54)に発熱と悪寒の症状が現れ高山病と診断される。防災ヘリが救助
8/17(土)阿武隈山地日隠山(福島県大熊町)で男性(47)が下山中に道に迷い110番通報。2H後に双葉署が発見救助
8/17(土)丹沢・切通峠付近で男性(24)が濃い霧のためはぐれる。8/22菰釣山の南3.5kmの沢で遺体発見、外傷なし
8/18(日)岩手山馬返し登山道六合目を下山中の男性(69)が足をくじき右足首骨折。通報1.5H後に防災ヘリが救助
8/18(日)北アルプススバリ岳~針ノ木岳間で男性(61)がバランスを崩し10m滑落、左脚骨折。防災ヘリが救助

[その他のニュース]
●大谷渓谷で台風10号による増水のため18人孤立
8月14日夕方、深耶馬渓の大谷渓谷(大分県玖珠町)で、バーベキューに来ていた18人グループから「車が水没して動かなくなった。助けてほしい」と消防に通報がありました。18人は5家族で、生後5カ月の女児を含む未成年11人と30~40代の7人。14日にRV車6台で渓谷を訪れ、バーベキューを終えて河原を走行中、岩石や砂利にタイヤがはまり4台が立ち往生しました。その後、台風による大雨で急激に川が増水し、車が水没したそうです。グループは近くの山の斜面にテントを張り、救助を待ちながら夜を明かしました。
県警・消防は夜から延べ約90人で捜索しましたが、激しい風雨のため15日深夜2:00に中断、朝7:20から45人体制で再開しました。川岸から高さ10mの場所にテントを見つけ、ロープを使って斜面を登り、午前中に全員救助されました。
大谷渓谷に沿った道路はなく、今回の事例を通じて、渓谷自体がRV車などでオフロード走行されている実態が明らかになりました。法律や条例で車の進入を規制することはできないため、渓谷入口に注意喚起の看板が設けられたそうです。また、ネット上では遭難グループに対する非難の書き込みが多くあったようです。

●5Gを使い登山者見守りシステム
8/15~20=長野日報他/信州大学とKDDIは、次世代通信規格「5G」を活用した山岳遭難対策の実証実験を、10月上旬に中央アルプス千畳敷周辺で実施すると発表しました。信大総合情報センター長の不破泰教授が進めている「登山者見守りシステム」が、総務省の「5G利活用アイデアコンテスト」で5G特性活用賞を受賞したことから、総務省予算から実験費を出して委託されることになりました。千畳敷に5G無線機やアンテナを設置し、登山者が遭難したことを想定して、位置情報の確認、ドローンによる捜索、遭難者の安否確認、救助隊の情報共有などの実験を行うそうです。

気にかかった遭難事例

熱中症を防ぐために気温計があるといい。30度を超えたら登山中止

●蒲生岳で熱中症により死亡
8月13日(火)13:30ごろ、福島県只見町の蒲生岳登山道近くで、男子学生(18)が倒れているのを住民が見つけて通報しました。心肺停止状態で病院に運ばれ、その後死亡が確認されました。男性はこの日の8:00ごろ、父親らと3人で登山を始め、下山途中一人で先に進んで、そのまま2人とはぐれていました。

蒲生岳は通常なら登り1.5時間、下り1時間ほどで往復できる低山です。当日はかなり高温だったと予想され、山を下りるほど気温も上昇したでしょう。遭難男性は脱水または熱中症により、急激に体調を崩して歩けなくなったと推定されます。

「只見」アメダス8/13の気温。事故発生時には35度レベルに(tenki.jpより)

●朝日連峰でも熱中症と推定される死亡事例
朝日連峰でも13日に男性(57)が、熱中症と思われる状態で遭難死しています。この男性は10~11日に入山、12日に大朝日岳の山小屋に泊まりました。しかし、14日になっても下山しないため家族が警察に届け出て、県警は15日午前中に朝日鉱泉の駐車場で男性の車を発見しました。そして、鉱泉から15分ほど登った登山道で男性のザックと帽子が見つかり、13:30ごろ、近くの沢で男性の遺体が発見されました。

ここからは推定になります。大きな外傷がないことから、男性は滑落したのではなく、水を飲むために沢に下りようとしたのでしょう。正常な判断力があれば、あと10~15分歩き続ければ朝日鉱泉に着くことはわかります。その余裕もないくらい、症状は切羽詰まっていたのだと想像されます。
熱中症は予防することがだいじです。暑すぎる環境下での山歩きはやめましょう。拙著『55歳からのやってはいけない山歩き』の熱中症の項では、気温25度以上なら厳重注意、気温30度以上なら山歩きを中止するようおすすめしています。

「大井沢」アメダス8/13の気温。10~17時には30度超え(tenki.jpより)

[8月2週]北アルプスに集中して遭難発生

[8/6~12の遭難関係ニュースから]
8月第2週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

「山の日」ウイークでした。前週に次いで多くの遭難事故が起こり、なかでも北アルプスに集中して発生しています。死亡事故は、発生件数の割には多くないと言えるかもしれませんが、剱岳源次郎尾根、常念~蝶縦走路、黒部川上ノ廊下、奥穂高岳ジャンダルムで起こっています。北アルプス以外での死亡事故は、富士山、南アルプス北岳~間ノ岳、八海山~中ノ岳、日高山脈カムイエクウチカウシ山で起こっています。また、富士山御殿場口五合目で登山者と思われる遺体が発見されています。

8/6(火)鳥海山湯ノ台口ルートで男性(47)が登頂を断念し引き返すが、途中で暗くなり行動不能。8/7発見
8/6(火)月山~念仏ヶ原間で男性2人(80・78)が体調不良で動けなくなる。通りかかった男性が通報、8/7救助
8/6(火)湯ノ丸高原・烏帽子岳で女性(76)が下山中道に迷い、さらに転倒負傷。上田署・消防が救助
8/6(火)富士山山梨側八合目で学校登山中の男性(60)が休憩時に意識を失いツアーガイドが通報。8/7死亡確認
8/6(火)富士山御殿場口五合目付近で斜面に人が倒れているのを登山者が発見し通報。腐敗が進み性別・年齢不明
8/6(火)南アルプス杖立峠付近で下山中の女性(65)が靴ひもが絡まり転倒、左手首骨折。南ア署・消防が救助
8/6(火)南アルプス鋸岳を登山中の男性2人(64・64)が崖に迷い込んで行動不能。8/7県警ヘリが救助
8/6(火)北アルプス立山・真砂岳で、雨の中男性(58)が岩場で足を滑らせ左膝靱帯損傷。8/7防災ヘリが救助搬送
8/6(火)北アルプス大天井岳で、燕山荘から縦走してきた男性(49)が足を滑らせ転倒負傷。県警ヘリが救助
8/6(火)北アルプス常念岳から下山中の男性(68)がつまずいて転倒負傷。県警ヘリが救助
8/7(水)南アルプス北岳山荘~間ノ岳で最後尾にいた男性(21)が落雷を頭に受け死亡。ほか3人は山小屋に避難
8/7(水)北アルプス剱岳源次郎尾根で男性(83)が「迷っている」と電話後連絡不通。8/8滑落状態の遺体発見
8/8(木)日高・ヌカビラ岳で男性(51)が「ヌカビラ岳から下山する」と連絡後行方不明。8/9山岳会が発見救助
8/8(木)八海山から中ノ岳へ向かった男性(64)が行方不明。8/9荒山付近登山道の15m下で遺体発見
8/8(木)富士山須走口六合目付近で男性(75)が転倒し右足首骨折。通報から1.5H後に御殿場署などが救助
8/8(木)北アルプス白馬大雪渓で男性(65)が登山中に疲労と体調不良により行動不能。大町署・遭対協が救助
8/8(木)北アルプス唐松岳八方尾根で男性(61)が下山中に登山道から滑落して負傷。大町署・遭対協が救助
8/8(木)北アルプス赤岩岳で男性(67)が燕岳から西岳方面へ縦走中、赤岩岳付近で滑落負傷。県警ヘリが救助
8/8(木)北アルプス常念岳~蝶ヶ岳で8/1に山小屋に泊まった男性(42)が行方不明。8/9登山道の60m下で遺体発見
8/9(金)北アルプス白馬鑓ヶ岳から家族で下山中の男性(50)が転倒し負傷。県警ヘリが救助
8/9(金)北アルプス奥穂高岳で女児(10)が休憩時座った岩が動いてバランスを崩し転倒負傷。県警救助隊が救助
8/9(金)北アルプス大天井岳から西方へ縦走中の男性(43)が石を踏み外して転倒負傷。県警ヘリが救助
8/10(土)北アルプス唐松岳から下山中の女性(67)が足を滑らせ転倒負傷。大町署・遭対協が救助
8/10(土)乗鞍岳剣ヶ峰から下山していた男性(50)が転倒し負傷。県警・消防救助隊が救助
8/11(祝)日高・カムイエクウチカウシ山八ノ沢カールで女性(70)が2m滑落し全身を打つ。8/12心肺停止のち死亡
8/11(祝)南アルプス白鳳峠付近を下山中の男性(69)が岩場で足を滑らせ転倒、右膝負傷。林道まで下山して救助
8/11(祝)中央アルプス権現山を下山中の男性(61)が道に迷い行動不能。8/12伊那署が発見救助
8/11(祝)北アルプス黒部川上ノ廊下で男性(60代)が水中に沈んでいるのを発見。防災ヘリが収容後、死亡確認
8/11(祝)北アルプス黒部川赤木沢2000m地点で男性(58)が沢登り中に転落し右足骨折の重傷
8/11(祝)北アルプス湯俣川で沢登り中に男性(61)のつかんだ石が足に落ちて負傷、行動不能。県警ヘリが救助
8/11(祝)北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根で男性(77)が登攀中、疲労と体調不良で行動不能。8/12県警ヘリが救助
8/11(祝)北アルプス槍ヶ岳で女性(56)が登山中に滑落負傷。8/12救助要請、県警ヘリが救助
8/11(祝)北アルプス奥穂ジャンダルム付近で男性(49)が西穂へ縦走中、稜線から100m滑落死亡。8/12遺体発見
8/11(祝)岩屋山(長崎市)で男性(48)が下山中に脱水で意識もうろうとなり行動不能。8/12警察・消防が救助
8/12(休)北アルプス白馬乗鞍岳で男性(14)が栂池方面へ下山中に転倒負傷。大町署・遭対協などが救助
8/12(休)北アルプス白馬乗鞍岳で女性(35)が下山中に体調不良(熱中症疑い)で行動不能。常駐隊などが救助
8/12(休)北アルプス白馬鑓ヶ岳で女性(67)が下山中に転倒負傷。8/13救助要請、県警ヘリが救助
8/12(休)北アルプス餓鬼岳で男性(54)が白沢登山口へ下山中に滑落負傷。大町署が救助
8/12(休)北アルプス常念岳を目指して一ノ俣谷を沢登り中の男性(65)が転倒負傷。県警ヘリが救助
8/12(休)九重・大船山で男女2人(50代)が沢水登山口から入山、19:50「道に迷った」と通報。8/13防災ヘリが救助

[9/4追記]
8/8(木)北アルプス薬師沢登山道で男性(76)が足を滑らせ転倒して左脛骨骨折。8/9救助要請、県警ヘリが救助
8/8(木)北アルプス薬師沢登山道で男性(71)が浮石を踏んで転倒し右足を負傷。8/9救助要請、県警ヘリが救助
8/10(土)富士山富士宮口新七合目付近で男性(27)が転倒して右足首を負傷、行動不能。富士宮署などが救助
8/10(土)南アルプス赤石小屋で女性(71)が体調不良を訴え救助要請。8/11静岡市消防ヘリが救助搬送
8/10(土)北アルプス立山・二ノ越付近で男性(65)がバランスを崩して右足首をひねり骨折。防災ヘリが搬送
8/10(土)北アルプス立山・雷鳥坂付近で女性(64)が転倒して左足骨折の重傷。県警ヘリが救助搬送
8/10(土)北アルプス黒部川上ノ廊下で女性(46)が岩壁から2m転落、左腕脱臼と腰部打撲。県警ヘリが救助
8/11(祝)和賀山地甲山の東1kmで男性(37)が沢を下降中に転倒し左肩脱臼。防災ヘリで救助搬送
8/11(祝)船形山御宝前付近で男性(52)が御所山荘から登る途中、ルートから外れて迷う。8/12防災ヘリが救助
8/11(祝)富士山吉田口ルートで男性(61)が六合目を0:10に出発、九合目付近で突然倒れる。その後死亡確認
8/11(祝)南アルプス造林小屋跡で男性(31)が腹痛と手足のしびれを訴え下山不能。静岡中央署・消防が救助
8/11(祝)=発見日/南アルプス伝付峠付近で登山道から100m下方に男性の遺体発見。年齢不明。付近にザックあり
8/11(祝)北アルプス剱岳山頂直下で男性(46)が手をかけた岩が崩れたため転倒し右手指骨折。県警ヘリが救助
8/11(祝)北アルプス剱岳早月尾根で女性(59)が下山中に浮石でバランスを崩し右足骨折。8/12防災ヘリが救助
8/11(祝)北アルプス黒部源流赤木沢で男性(58)が沢登り中に岩で足が滑り転倒、右足首骨折。県警ヘリが救助
8/11(祝)北アルプス岩苔乗越付近で男性(44)が濡れた岩で足を滑らせて転倒し左膝靭帯損傷。県警ヘリが救助
8/11(祝)三徳山文殊堂付近で男性(18)が谷に落としたスマホを拾おうとして20m滑落負傷。ドクターヘリで搬送
8/12(休)飯豊・梅花皮小屋の南東2kmの登山道で男性(42)が滑落し左足首骨折。8/13防災ヘリが救助
8/12(休)富士山宝永火口付近で女性(8)が腹痛のため動けなくなる。目撃した登山者が五合目派出所に届出
8/12(休)富士山富士宮口八合目衛生センターで男性(44)が腕を負傷(骨折の疑い)。衛生センターから救助要請
8/12(休)富士山富士宮口山頂付近で女性(69)が転倒し頭部などを負傷。救助隊などが救助
8/12(休)富士山富士宮口山頂付近で男性(60)が転倒した女性(69)を助けようとして自分も転倒。救助隊などが救助
8/12(休)富士山富士宮口九合目付近で男性(14)が転倒して頭部を負傷。救助隊などが救助
8/12(休)北アルプス間山~北薬師岳で男性(60)が体調不良(熱中症)で歩行困難。8/13県警ヘリが救助

[その他のニュース]
●御嶽山規制区域への入山者、木曽署が取り調べ
8/6(火)=信濃毎日/御嶽山の入山規制区域に立ち入ったとして、災害対策基本法違反の疑いで、木曽署が県外の男性2人を取り調べていることがわかりました。2人は7月10日と14日に、王滝口登山道で帰省中の九合目より上部に入りました。九合目には規制を示すロープや看板があったが、人けがなかったので立ち入ってしまったとのこと。ほかにも複数人を調べているそうです。

●浅間山が小規模噴火
8/8(木)7日夜、浅間山で小規模噴火が発生し、噴煙の高さは火口から1800mを超えました。気象庁は噴火警戒レベルを1から3(入山規制)に引き上げ、半径4kmの範囲で大きな噴石や火砕流への警戒を呼び掛けました。これに伴い、浅間山の登山口はすべて封鎖し、立ち入りが規制されました。8月末時点で、小浅間山登山口、石尊山登山口、一の鳥居(浅間山荘)登山口、高峰高原登山口(黒斑山周辺を含む)から浅間山への登山は規制中です。
追記:8月19日午前、気象庁は浅間山について「中規模の噴火の可能性は低くなった」とし、噴火警戒レベルを3から2(火口周辺規制)に引き下げました。25日夜には再び小規模噴火が発生しましたが、噴火警戒レベル2が維持されました。火口から2km以内が入山規制となり、小浅間山、石尊山、賽ノ河原分岐点より上部には登山できません。

●ヒグマ事故後も多数の入山者
8/10(土)=十勝毎日/7月11日と29日にクマとの接触事故が起きた日高山脈のカムイエクウチカウシ山。山頂下の八ノ沢カールにテント泊し、翌早朝、山頂への登山中にクマと遭遇し襲われました。29日の40代男性はドクターヘリで搬送され、50針を縫う重傷を負いました。11日の事故後から道警、森林管理局、中札内村は入山自粛を呼び掛けていましたが、8月9日までに40人以上が入山し、本州からのツアー登山もあったそうです。地元山岳会のベテランは「一度襲ったクマは、また襲う。同じ場所に居着いているかもしれず、駆除されないかぎり山には登れない」と言っています。しかし、山はクマ本来の生息地でもあり、中札内村は駆除しない方針だそうです。

気にかかった遭難事例

●剱岳早月尾根から源次郎尾根へ迷う
8月7日、剱岳に登った男性(83)が行方不明になりました。男性はこの日、早月尾根の山小屋を出発し、11:30ごろ自宅妻(82)に「道に迷っている」と電話しました。その後電話がつながらなくなったため、妻から山小屋を通じて室堂警備派出所に通報がありました。8日12:10ごろ、剱岳の源次郎尾根2800m付近で倒れている男性を県警ヘリが発見、死亡が確認されました。頭部に裂傷があるほか、右足などを骨折しており、滑落した可能性が高いそうです。

データを調べると当日は好天だったと思われます。どういう経路で早月尾根から源次郎尾根へ迷うものか、気づかないうちに剱岳山頂付近を通過してしまったものか、山頂付近に登山者の姿が見えなかったでしょうか。案外ガスで視界が悪かったのでしょうか。道迷い遭難の特徴ですが、迷っても滑落しなければ助かったであろう事例でした。

9/4追記:新たに入手した情報によると、男性は剱岳頂上付近から100m以上滑落したと見られるそうです。多発骨折しており、外傷性ショックにより死亡していました。男性は約30年前に剱岳で遭難死した息子を弔う目的で入山していました。

地理院地図より

●カムエク山で女性滑落死
8月11日13:00ごろ、日高山脈カムイエクウチカウシ山で登山ガイドの男性から「八ノ沢カール付近で女性が2mぐらい滑落して負傷した」と通報がありました。女性(70)はガイド・仲間6人と10日に登山開始し、11日に登頂して下山途中に滑落、全身を強く打ちました。当初は呼びかけにかすかに反応していたそうです。道警ヘリと救助隊が出動しましたが、視界が悪く11日は救助できませんでした。12日午前、心肺停止の状態で発見され、その後死亡が確認されました。

2mの滑落ですから、致命的なほど危険な場所ではなかった(つまり、ロープを使うなどの状況ではなかった)のかもしれません。こういう場合にフォロワーの事故を防ぐのは、ガイドとして力量が必要だろうなと思います。そして、救助隊の非をあげるのではないですが、ヘリで一発救助されていれば助かったかもしれず、残念な事例だったと思います。

[8月1週]北・南アルプスや富士山など中心に遭難多発

[7/30~8/5の遭難関係ニュースから]
8月第1週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

7月30・31日に東北地方が梅雨明けして、これで本州以南全国が梅雨明けしました。例年より遅れての夏山シーズンの始まり、多くの登山者が山へ出かけたことと思います。この週は遭難が非常に多く発生し、なかでも北アルプス、南アルプス、富士山で多発しています。把握した事例は7日間で72件になりました。なお、長野県警は全遭難事例の概要データを発表しています。ここでのリストには長野県警データからの引用も含まれています。

長野県警の週報では、この週の状況について「梅雨明けとともに多くの登山者が長野県内に訪れ、それに比例して遭難も多発し、1週間で24件もの遭難が発生しています。特に下山中の『転・滑落』『転倒』による遭難が多発しています(以下略)」と解説しています。

7/30(火)奥秩父三条ノ湯から雲取山を目指した女性(48)がルートを外れて迷うが、動かずに待機。8/6民間捜索隊が発見救助
7/30(火)八ヶ岳赤岳北面2800m地点で地蔵ノ頭へ下山中の男性(76)が滑落し、大腿骨骨折の重傷。県警ヘリが救助
7/30(火)八ヶ岳天狗ノ奥庭を下山中の男性(83)が転倒し左わき腹を打撲。回復しないため7/31救助要請、県警ヘリが救助
7/30(火)南ルプス北岳大樺沢二俣付近で男性(42)が下山中に強い吐気と足腰の疲労により行動不能。県警ヘリが救助搬送
7/30(火)南アルプス白蓬ノ頭付近で、聖岳を目指して登山中の男性(56)が道に迷う。16:35通報、1H後に県警ヘリが救助
7/30(火)北アルプス雪倉岳北側2150m地点で、仲間と別れ下山中の女性(66)が霧のため迷う。7/31入善署などが救助
7/30(火)北アルプス薬師沢登山道2050m地点で、男性(48)が濡れた木の道で滑って転倒し左足骨折。県警ヘリが救助
7/30(火)北アルプス六百山で男性(78)が上高地に向けて下山中に転倒負傷。松本署などが救助
7/31(水)奥秩父瑞牆山で、みずがき山自然公園から入山した男性(60)が1800m付近で道に迷う。県警ヘリが救助
7/31(水)南アルプス北岳山荘付近で下山中の女性(71)が足を滑らせ転倒、右ひじ脱臼。8/1防災ヘリが救助
7/31(水)北アルプス清水岳で男女(75・70)が「迷ったかもしれない」と宿泊予定の小屋に連絡後消息不明。8/2発見救助
7/31(水)北アルプス不帰ノ嶮で男性(68)が唐松岳方面へ縦走中に滑落負傷。常駐パトロール隊などが救助
7/31(水)北アルプス剱沢キャンプ場で男性(78)が小屋へ向かう途中バランスを崩して転倒、肋骨骨折。県警ヘリが搬送
7/31(水)北アルプス黒部五郎岳カール内で男性(73)が浮石を踏んで転倒し10m滑落、肋骨骨折など。防災ヘリが救助搬送
7/31(水)北アルプス槍沢で男性(66)が槍ヶ岳から下山中、疲労のため行動不能。8/1遭対協が救助
7/31(水)北アルプス涸沢で女性(70)が奥穂方面から涸沢に下山中、疲労のため行動不能。県警救助隊が救助
7/31(水)北アルプス前穂高岳で男性(59)が前穂高岳から下山中に滑落負傷。県警ヘリが救助
7/31(水)北アルプス餓鬼岳で男性(65)が登山中に転倒し、滑落負傷。県警ヘリが救助
8/1(木)八ヶ岳地蔵ノ頭2700m付近で15:30ごろ登山中の男性(71)が倒れ心肺停止状態。8/2県警ヘリが収容、死亡確認
8/1(木)南ア小仙丈ヶ岳付近で馬ノ背から北沢峠へ下山中の男性(47)が転倒し右足首骨折。南アルプス署などが救助
8/1(木)南アルプス白根御池小屋で男性(75)の熱中症が悪化して歩行困難、小屋に救助を求める。8/2防災ヘリが救助
8/1(木)北アルプス常念岳から蝶ヶ岳へ縦走中の男性(48)が2512mピーク付近で滑落負傷。県警ヘリが救助
8/1(木)「天主山(熊本県山都町)に登る」とメモを残し出かけた男性(77)が戻らず行方不明。8/4内大臣川角上橋で救助
8/2(金)日高山脈幌尻岳へ夫婦で登山中、途中で別れた妻(64)が下山せず。8/3道警ヘリがピパイロ岳で発見救助
8/2(金)谷川岳天神尾根を家族で登山中、男児(7)が足を滑らせ右足首を捻挫。警備隊・県警ヘリなどが救助
8/2(金)富士山富士宮口八合目付近で女性(64)が下山中に転倒して動けず、足を捻挫のもよう。常駐隊が救助
8/2(金)南アルプス白峰南嶺・笹山で男性(70代)が「笹山の頂上にいる」と連絡後不明。8/5登山道から外れた場所で発見
8/2(金)南アルプス椹島ロッジ付近で男性(72)が使われていない登山道に入って道に迷う。8/3静岡中央署が発見救助
8/2(金)北アルプス唐松岳から五竜岳方面へ縦走中の男性(72)が大黒岳において転倒負傷。8/3県警ヘリが救助
8/2(金)北アルプス剱岳源次郎尾根2700m付近で男性(71)が熱中症とみられる症状で動けなくなる。県警ヘリが救助搬送
8/2(金)北アルプス涸沢登山道で男性(67)が横尾に向けて下山中に転倒負傷。県警ヘリが救助
8/2(金)北アルプス北穂高岳から奥穂高岳方面へ縦走中の男性(46)が、涸沢岳付近で滑落負傷。県警ヘリが救助
8/2(金)大山ユートピア避難小屋で女性(72)が手足のしびれなどの症状を訴え、県警ヘリが救助。中等度の熱中症
8/3(土)月山湯殿山側ルートで男性(86)が下山途中で体調が悪く動けなくなる(熱中症の疑い)。消防隊が救助
8/3(土)磐梯山で男性(55)が下山中に足を滑らせ左足を負傷して歩けなくなる。防災ヘリが救助
8/3(土)妙高山で男性(58)が登山中に転倒して右足骨折。ヒュッテから救助要請、県警ヘリが救助
8/3(土)奥秩父瑞牆山荘の北東100mの登山道で下山中の男性(43)が足を滑らせて転倒し右足骨折。北杜署などが救助搬送
8/3(土)南アルプス椹島の北方山中で男性(69)が下山途中に腰痛のため歩けなくなり110番通報。静岡中央署などが救助
8/3(土)北アルプス鹿島槍ヶ岳で男性(30)が下山中に滑落負傷。大町署・遭対協が救助
8/3(土)北アルプス黒部・仙人小屋付近で女性(40)が登山道の岩場から5m滑落し右仙骨骨折の重傷。県警ヘリが救助搬送
8/3(土)北アルプススゴの頭付近で男性(72)が手足にしびれを感じ歩けなくなる(脱水症と診断)。県警ヘリが救助
8/3(土)北アルプス燕岳で女性(50)が登山中に転倒負傷。県警ヘリが救助
8/3(土)北アルプス燕岳で女性(51)が大天井岳に向けて縦走中に転倒負傷。県警ヘリが救助
8/3(土)北アルプス大天井岳で、燕岳から縦走してきた男性(46)が滑落負傷。県警ヘリが救助
8/3(土)北アルプス蝶ヶ岳で男性(80)が横尾方面へ下山中、疲労により行動不能。県警救助隊・遭対協が救助
8/4(日)日高山脈幌尻岳から下山中の男性(70代)が、ヌカビラ岳付近で腰の痛みを訴え歩行困難。8/4道警ヘリが発見救助
8/4(日)日高山脈チロロ岳へ入山した男女5人(40-70代)が予定日の深夜になっても下山せず。8/5自力下山中を発見
8/4(日)尾瀬平ヶ岳・下台倉山で男性(40代)が19:00前「具合が悪い」(脱水症状あり)と通報。8/5防災ヘリが救助
8/4(日)谷川連峰蓬峠付近で男性(56)が登山道から沢に滑落し全身打撲。家族が通報し、埼玉県防災ヘリが救助
8/4(日)富士山御殿場口八合目付近で男性(56)が体調不良で動けなくなり、119番通報。県警救助隊などが担架搬送
8/4(日)天子山塊白水山で男女(60・31)が登頂後、下山中に道に迷い14:45救助要請。防災ヘリが救助
8/4(日)南アルプス小河内岳付近において、7/31に山小屋に泊まった女性(77)が以後行方不明。8/4家族が届出
8/4(日)北アルプス唐松岳キャンプ指定地で男性(25)が体調不良により自力歩行困難。富山県防災ヘリが救助搬送
8/4(日)北アルプス爺ヶ岳で男性(58)が下山中に転倒負傷。県警ヘリが救助
8/4(日)北アルプス剱岳・前剱付近で女性(42)が登山中にバランスを崩して右足首を負傷。防災ヘリが救助搬送
8/4(日)北アルプス剱岳・三ノ沢付近で男性(51)が雪渓を歩行中に足を滑らせて右足首を骨折。8/4県警ヘリが救助
8/4(日)北アルプス立山・三ノ越付近で女性(66)が雄山へ登山中に突然倒れる。県警ヘリが救助、病院で死亡確認
8/4(日)北アルプス立山・浄土山付近で女性(58)が下山中にバランスを崩し右足首をひねって骨折。山岳警備隊が救助
8/4(日)北アルプス間ノ岳で、西穂方面へ縦走中の男性(58)が転倒負傷。県警ヘリが救助
8/4(日)白山の展望歩道で女性(62)が下山中に転倒し右足首をくじいて負傷。福井県防災ヘリが救助搬送
8/4(日)医王山(金沢市)で女性2人(年齢不明)が15:10「道に迷った」と119番通報。市消防などが捜索し2.5H後に救助
8/5(月)富士山富士宮口新七合目付近で女性(69)が「胸が苦しい」と119番通報。県警救助隊が救助、五合目から救急搬送
8/5(月)富士山富士宮口新七合目付近で男子(11)が下山中に体調不良となる。県警救助隊が救助、五合目から帰宅
8/5(月)富士山御殿場口次郎坊付近で子供3人(小4)が下山中に足の痛みや疲労を訴える。1H後消防救助隊などが救助
8/5(月)富士山須走口六合目付近で男性(47)が足の痛みと体調不良のため行動不能。3H後御殿場署などが救助
8/5(月)南アルプス北岳山荘で男性(64)が、8/4下山時に体調不良となったため北岳山荘で受診。8/5防災ヘリが救助
8/5(月)北アルプス朝日岳~水平道分岐間で男性(60)が浮石で転倒し右足首骨折。悪天候のため、8/6防災ヘリで救助
8/5(月)北アルプス雲ノ平登山道2450mで女性(64)が濡れた木道で足を滑らせて転倒し、左足首骨折。県警ヘリが救助
8/5(月)北アルプス薬師沢登山道2050mで女性(53)が木道で転倒し、右脛骨骨折。県警ヘリが救助
8/5(月)北アルプス槍ヶ岳で男性(63)が下山中に足を踏み外して転倒負傷。県警ヘリが救助
8/5(月)白山砂防新道で女性(74)が両脚のけいれんにより歩けなくなり同行者が通報。福井県防災ヘリが救助
8/5(月)谷川連峰白崩避難小屋付近で男性(47)が縦走中に転倒して歩けなくなり110番通報。県警ヘリが救助

気にかかった遭難事例

●雲取山で道迷いの女性、1週間ぶり救助
7月29日から1泊2日の予定で雲取山へ1人で入山した女性(48)が、30日朝に三条の湯の山小屋を出発した後、行方不明になりました。帰宅しないため家族が通報し、警察などが3日間捜索しましたが発見できず、捜索は打ち切りとなりました。その後8月6日、家族が依頼した民間の捜索隊が三条の湯から約250m離れた沢で女性を発見、県防災ヘリで収容されました。

女性は山小屋を出た後、分かれ道でルートを誤り、気づいて引き返す途中で斜面を滑落してから道に迷いました。8月1日に食料や水が尽きましたが、沢の水や雨水は口にしなかったそうです。発見当初のNHKの報道によると、女性は、「『遭難した場合は動かないほうがいい』と本で読んだのを思い出して、動かないようにしていた。1泊分の食料しかなく、ほとんど飲まず食わずで、夜はアルミのシートにくるまって寒さをしのいだ」と話しました。

●南アルプスの難ルートで道迷い遭難死
7月31日に広河原から北岳方面に入山し、白峰三山から笹山を縦走して、8月3日に下山予定だった男性(70代)が行方不明になりました。8月2日11:50ごろ、「笹山の頂上にいる」と家族に連絡がありましたが、その後連絡がつかなくなったため、18:45ごろ家族は南部署に通報しました。8月5日、捜索中の同署救助隊が山中で遺体を発見しました。奈良田から笹山へ向かう登山道から外れた場所で、道に迷ったものと推測されます。

高齢、上級者のベテラン、難ルートへの挑戦という特徴がそろった事例です。笹山は白峰三山から稜線続きの白峰南嶺上にあり、人気がありますが、遭難も多い山です。