四国・石鎚山 2022年2月25日

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01:成就の石鎚神社、正式には石鎚神社中宮成就社

ロープウェイの始発は8時40分、最終は17時、雪山用に多めに見積もったコースタイムは6時間余りである。時間内に戻って来られるかが問題だった。
30分以上かかって(遅い・・・)成就に着いた。旅館が2~3軒あると聞いていたが、荒廃してひっそりしているし、営業しているかわからない。本当はここに前泊して、早朝から登り出すのがよかった。

02:八丁鞍部、ルート中標高が最も低くなったところ

神門をくぐってゆるく下っていくと、しばらくで八丁鞍部に着く。この区間はブナの古木が多い見事な植生の森だった。途中から雲が取れて、石鎚山の一部が見えるようになってきた。前社森への急登が始まる手前でアイゼンをつけた。一段登ったところで、早すぎる気もするが休憩にした。標高1470mのあたり。

03:前社森休憩所、いちおう入れるようになっていた
04:登りの途中から見えた瓶ヶ森(左)と笹ヶ峰(左)

前社森(ぜんしゃがもり)の岩峰を左に回り込んで通過すると、細い稜線上に休憩所があるが、人はなく休業中である。その先のピークを右寄りに巻き上がっていくと、水平なトレースになり夜明峠(よあかしとうげ)に出た。石鎚山が全面に広がって、左右にゴツゴツとした岩稜を伸ばす様子は独特だ。猛禽類の広げた翼を連想させる。

05:夜明峠から見上げる石鎚山はすばらしい。岩峰は右から弥山、天狗岳、南尖峰
06:二ノ鎖迂回ルートのハシゴ、急斜面の途中に架けられているうえ長く続く

ここからの標高差300m余りが核心である。二ノ鎖小屋で片手をピッケルに持ち替え、不安な場所では(山側に)ピッケルをしっかり挿して進むことにする。ルートは右に大きく迂回して、急斜面に架けられたハシゴや桟道を伝っていく。転倒したら事故になるリスクのある場所なので緊張した。とても危険である。場合によってはロープを使うこともあるのではないだろうか?

07:山頂の石鎚神社(弥山頂上)、すばらしい天気になった
08:二ノ森(中央)、鞍瀬ノ頭、右の白い平らなピークは堂ヶ森、左遠くに五代ヶ森
09:天狗岳、すぐ左遠くに手箱山、左の尖峰は岩黒山
10:左から、笹ヶ峰、瓶ヶ森・女山、(男山の後ろ)西黒森、冠山、平家平(白いピーク)

三ノ鎖も右斜面からの巻きルートで通過するとすぐ頂上山荘の横に出た。13時23分。日は高く上ってしまったが、最高の天気、すばらしい展望。ちょっと迷ったが、帰りの時刻が心配なので、最高峰の天狗岳の往復はしないことにした。無事に登れたことに感謝して、15分ほどで頂上を後にして下山開始した。

11:下山する登山者、ガイドと男性の2人

13時40分頂上、14時10分二ノ鎖小屋。ガイド登山の2人組が、ペースの上がらない私を追い抜いていった。若い男性と、中年の男性ガイド。手にしていたロープをザックにしまうようだ。ガイド氏は「クライミングもやったほうがいいよ」と、若いお客さんにアドバイスしていた。

12:八丁鞍部~成就間で、ルート沿いのブナ林が美しい

14時40分夜明峠。おそらく本日最後の単独男性が、私を追い抜いていった。あまり急がずに、ゆっくり下山しようという人のようだった。時間があれば私もそうしたい。
15時53分八丁鞍部、16時31分成就。ギリギリでロープウェイ最終に乗ることができた。天狗岳を往復していたなら、もっと忙しくなっていただろう。

[情報]
*ロープウェイは、冬期は8:40~17:00の運行(元日以外)。体力的に弱い人は日帰りは厳しい。成就に前泊すると余裕をもって歩ける。
*成就社では白石旅館のみ通年営業で、ほかの旅館は冬期休業となっている。白石旅館は休憩所(茶店)も営業していた。
*二ノ鎖、三ノ鎖は、巻きルートにトレースが踏まれている(直登ルートはトレースがなく一般的でない模様)。転倒すると長い距離を滑落するリスクがあるので慎重に。初級者にはロープ使用も検討したほうがよい。

『雪山登山』の訂正点
(1)成就で冬期営業している旅館は白石旅館のみで、その他は季節営業(冬期休業)となっている。P239キャプション3行目、アドバイス欄、地図中の成就をさすネームを変更
(2)追加情報欄:「トイレは12~3月使用不可」->「トイレは冬期使用不可」(今年は11/17~4月下旬使用不可、年により変わる)