[7月4週]本格的夏山シーズン始まり、遭難発生急増

[7/23~29の遭難関係ニュースから]
7月第4週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

7/24(水)北陸、近畿、四国、九州で梅雨明け
7/25(木)中国で梅雨明け
7/27(土)台風6号、三重県に上陸(熱帯低気圧に変わり東海上へ離れる)
7/28(日)東海で梅雨明け
7/29(月)関東甲信で梅雨明け。全国的に夏空が広がり、山間部では雷雨あり

この週、関東甲信以南までが梅雨明け、本格的な夏山シーズンに入りました。それとともに遭難発生も多くなり、マスコミ報道などから把握した事例は7/23~29の7日間で38件にのぼっています。北アルプスでの遭難が非常に多くなっています。

7/23(火)羊蹄山(北海道)頂上付近で11:00ごろ、男性(67)が倒れ心肺停止状態となる。5.5H後に発見、死亡確認
7/23(火)飯豊連峰三国岳剣ヶ峰で男性(50代)が滑落して頭部を負傷、三国小屋へ退避。7/24新潟県防災ヘリが搬送
7/23(火)南アルプス栗沢山頂上付近で女性(50)がバランスを崩し転倒、頭を骨折など重傷。小屋・南ア署などが救助
7/23(火)南アルプス赤石岳砲台休憩所付近で女性(54)が滑落して足を骨折のもよう。2.5H後静岡市消防ヘリが救助
7/23(火)南アルプス茶臼岳ウソッコ小屋付近で男性(65)が増水した沢を迂回中に20m滑落、左手小指骨折など。消防ヘリが救助
7/23(火)北アルプス立山・大汝山山頂付近で男性(83)が体調不良で動けないのを警備隊員が発見。県警ヘリが搬送
7/23(火)北アルプス剱沢キャンプ場付近で女性(64)が石につまずいて足をひねり右足首骨折。7/24県警ヘリが搬送
7/23(火)北アルプス烏帽子岳で女性(69)が仲間4人とブナ立尾根を下山中に転倒負傷。大町署救助隊などが救助
7/24(水)奥秩父西沢渓谷で女性(67)が登山道から3m下の河原に転落、全身打撲など。日下部署・消防が救助
7/24(水)北アルプス白馬大雪渓で男性(74)が大雪渓を下山中に転倒負傷。県警ヘリが救助
7/25(木)道志山塊室久保川で女性(55)が沢登り中、石に足を滑らせて転倒し右脚骨折。大月署・消防が救助
7/25(木)北アルプス蝶ヶ岳でツアー参加の女性(67)が三股へ下山中につまずいて転倒負傷。県警救助隊などが救助
7/26(金)奥秩父廻目平で男性(48)がクライミング中にロープ操作を誤り転落負傷。山梨県防災ヘリが救助
7/26(金)富士山富士宮口九合目付近で男性(55)が岩に足を取られて転倒、左足首骨折の疑い。天候回復を待ち7/28救助
7/26(金)北アルプス前穂高岳で男性(73)が重太郎新道を下山中につまずいて転倒負傷。県警ヘリが救助
7/27(土)雄物川左岸斜面(秋田市)で女性(82)が山菜採りに出かけたまま帰宅せず。7/30防災ヘリが発見救助
7/27(土)飯豊連峰三国小屋付近で男性(60代)が岩場で足を滑らせて3m転落、額などにけが。2H後防災ヘリが救助
7/27(土)南アルプス塩見岳周辺でツアー参加の男性(67)が分岐で道を間違えはぐれる。7/28熊ノ平小屋へ自力避難
7/27(土)北アルプス剱岳早月尾根で女性(43)が残雪でバランスを崩し20m滑落、頭を強打。県警ヘリで救助後意識回復
7/27(土)北アルプス剱沢の山小屋で女性(44)が高山病のため動けなくなる。未明0:40通報、山岳警備隊が搬送
7/27(土)北ルプス黒部五郎岳カール内で女性(69)がバランスを崩して転倒し左足首骨折など重傷。7/28県警ヘリが救助
7/27(土)北アルプス北穂高岳で女性(51)が涸沢へ下山中に足を滑らせ転倒負傷。県警救助隊が救助
7/27(土)北アルプス北穂高岳で女性(72)が涸沢へ下山中につまずいて滑落負傷。県警救助隊が救助
7/28(日)八ヶ岳峰ノ松目付近で女性(68)が硫黄岳に向けて登山中、道に迷い行動不能。7/29茅野署などが救助
7/28(日)北アルプス雪倉岳北側稜線2330m地点で男性(31)が濃霧のため道に迷う。山岳警備隊・遭対協が救助
7/28(日)=発見日/北アルプス黒部湖畔1500m地点で頭部を負傷した男性(74)が倒れているのを登山者が発見通報
7/28(日)北アルプス雲ノ平登山道で男性(60)が足を踏み外して転倒、右足首骨折。山荘まで歩き、県警ヘリが救助
7/28(日)北アルプス燕岳合戦尾根で男性(51)が下山中に足を滑らせ転倒負傷。県警ヘリが救助
7/29(月)日高連峰カムイエクウチカウシ山で男性(40代)がハイマツ帯から飛び出た熊に襲われもみ合う。頭・背中などに重傷
7/29(月)谷川岳西黒尾根で登山者(性別・年齢不明)が下山中に転倒して滑落負傷。ヘリで救助
7/29(月)西丹沢・切通峠付近で男性(79)が三国峠から高指山を目指す途中で道に迷う。19:05富士吉田署が救助
7/29(月)八ヶ岳亀甲池付近で女性(73)が「疲れて動けない」と山小屋を通じ救助要請。茅野署・遭対協が救助
7/29(月)中央アルプス木曽駒ヶ岳から中岳へ下山中の男性(73)が滑落負傷。駒ヶ根署・遭対協が救助
7/29(月)=通報日/北アルプス剱岳へ7/25に入山した男性(69)が行方不明。8/1小窓ノ王で全身に擦り傷のある遺体発見
7/29(月)北アルプス剱岳源次郎尾根側壁で男性(67・41)が装備不足のため急斜面で動けなくなる。気づいた登山者が通報
7/29(月)北アルプス祖父岳~雲ノ平山荘間で男性(61)が濡れた岩に足を取られ転倒、左足アキレス腱断裂。7/30ヘリ救助
7/29(月)=通報日/北アルプス穂高連峰で男性(38)が7/24に入山後行方不明、登山届未確認、目撃情報もなし。8/9奥穂2300m斜面で遺体発見
7/29(月)九州津波戸山(大分県杵築市)で女性(50代)が誤って登山道脇の斜面を30m滑落、頭などに軽いけが。防災ヘリが救助

[その他のニュース]
●ヤマレコ地図に遭難場所を表示
7/23(火)登山者向けSNS「ヤマレコ」に、長野県内での過去の遭難発生場所を表示した「山岳遭難マップ」が掲載されることになりました(すでに掲載されています)。このマップは長野県警が協力し情報提供しており、当面は2017年度の北・中央・南アルプスと八ヶ岳での遭難データで、転倒、転落、滑落事故の発生箇所が計125カ所表示されています。今後、2018年度のデータも追加されていくようです。また、日本アルプス・八ヶ岳以外の山域が加えられていく可能性もあるでしょう。しっかりと運用されれば、オフィシャルな情報だけに、登山者にとって有益なものとなるでしょう。※『山と溪谷』2019年9月号ヤマケイ・ジャーナルに関連記事を書きました。

●剱岳の登山道に「スマート山岳道標」
7/25(木)毎日新聞より/富山県では7月中旬に、北アルプス剱岳の登山道付近10カ所に「スマート山岳道標」を設置しました。県では今年の夏山シーズンから、日本山岳ガイド協会が運営する「コンパス」での登山届ができるようになりました。コンパスのアプリを入れたスマートフォンで登山届を提出していれば、そのスマホを携帯したまま「スマート山岳道標」の近くを通過すると通過時刻が記録され、その情報が県警や家族などにも共有されます。以前お伝えした、ヤマップの「みまもり機能」と似たシステムです。

●鹿島槍ヶ岳で遺体発見
7/26(金)鹿島槍ヶ岳の北側2100m地点で富山県警山岳警備隊員が男性(47)の遺体を発見しました。今年3月24日に発生した滑落事故で、男性(44)1人は救助され、もう一人は現地に残されたままになっていました。死因は滑落による頭部損傷とのことです。

●山梨県の遭難発生最多ペース
7/26(金)山梨日日新聞より/山梨県警が発表した今年上半期(1~6月)の山岳遭難発生状況は、56件(前年同期比17増)、65人(同9増)で、過去最多だった2017年を上回っている状況です。全国的に多い「道迷い」ではなく、「滑落」が最も多いそうです。

気にかかった遭難事例

●剱岳北方で行方不明者、遺体で発見
7月25日に北アルプス剱岳へ単独で入山した男性(69)が下山せず、行方不明になりました。下山予定日の翌日29日、家族が携帯電話にかけてもつながらないため、男性が所属する山岳会を通じて室堂警備派出所に連絡しました。29~31日は発見できませんでしたが、8月1日、県警ヘリが小窓ノ王付近の岩場に横たわっている男性の遺体を発見し、収容しました。当初、めだった外傷はないと報道されましたが、全身に擦り傷があり、滑落した可能性があるとのことです。死因は低体温症でした。
単独登山で剱岳北方稜線をめざすのは、かなり実力も経験もあるベテランだったと推測されます。どういうミスで遭難してしまったのでしょうか?

瀬谷・追分市民の森

赤番号は写真を撮影した場所を示しています

(歩いた日=2019年7月21日)
横浜市の最西部に位置する瀬谷区には瀬谷市民の森(約19ha)、隣接する旭区には上川井・追分・矢指市民の森(計約45ha)が連なって、大きな緑地帯になっています。また、瀬谷市民の森の西側一帯には米軍の旧上瀬谷通信施設跡地(約240ha)があって、その一部は「瀬谷の原」と呼ばれていたようです。2015年に全域が返還されることが決まり、現在、土地利用の検討が進められています。

ここでは4つの市民の森を1回で歩いてしまうコースを考えて、実際に歩いてみました。もちろん、もっと短いコースをゆっくり歩くのもいいと思います。

(1)長天寺の裏にある八剣大明神と横穴式古墳の碑

瀬谷駅の北口を出たらすぐ右に歩いて行きます。横浜銀行の所で左折します。正面に瀬谷小学校が見えます。小学校前の交差点で右折します。下り坂を行って「臨済宗長天寺」の表示の所で左折すると、右側に長天寺があります。ここで横穴古墳跡の説明書きを読んでおいたほうがいいでしょう。
長天寺の裏側で右折して細い道を行くと、横穴古墳跡の碑があります。すぐ先で相沢川に突き当たり右折します。最初のカーブミラーがある分かれ道で左に曲がります。右は長天寺の入口(東口)ですが閉ざされています。

(2)諏訪社とケヤキ古木

相沢川を渡って直進すると、石垣の手前で突き当たり左折します。次の交差点で右折するのが順路ですが、ここは直進して諏訪社を往復します。50mほど歩いて右側に神社があります。立派できれいな神社です。

引き返して先ほどの交差点を左折します(東へ向かう)。150mぐらい歩くと広い車道に突き当たり、右角に石碑が5つあります。ゴミ置き場になっているようで、ネットが置かれているため写真が撮りづらいです。
広い車道を横切って、少し右の細い道に入ります。200mほど歩くと下りになって、和泉川沿いの道に突き当たります。左折して少し行くと「和泉川源流広場」と書かれたカエルの看板が立っています。
木道などが設置された小川沿いの道をしばらく(300m以上)歩きます。T字路に突き当たり右折し、さらに突き当たって左折します。すぐに道なりに右に曲がり、狭い1車線の車道を行きます。前方に市民の森が見えてきます。

真新しい広い車道の交差点に出ますが、できたばかりのようで交差点の名前もありません。渡って直進すると左側にグランドがあります。グランドの北側で左折して市民の森へ入ります。左がグランド入口になっています。ここを過ぎて下って行くと、すぐに市民の森入口の看板があります。川の源流を渡ります。瀬谷市民の森でもホタルが出るとの情報がありますが、このあたりの小川でしょうか。

(3)瀬谷市民の森の北縁の道路(A3の先)
(4)瀬谷の原と思われる広大な草地、遠くに細谷戸団地が見えます

すぐに細い山道が左に分かれますので、メインルートを離れて左に入ってみます。道標(A2)を過ぎて市民の森の外れに出ます。地図では二重線ですが、車が1台通れる未舗装の道でした。道標が「左:相沢方面、右:上川井町方面」とあります。上川井町方面へ進みます。
道の左側は短い区間ですが自然林で、右側も道沿いに自然林があって、その奥は放置された感じの人工林です。左の樹林の奥のほうに広い草地が見えますが、米軍跡地(瀬谷の原)と思われます。

(5)和泉川源流近くの流れ、左に小さな梅林があります

左側の草原が途切れる所で右から道が合流し、この道に入ると、すぐ先で左右に分かれています。柵のない右の道へ行きます。左右へ横切る道が合流しますが、直進すると畑と梅林の所に出ます(A4)。ここを左折します。
すぐにロープなどが張られた和泉川の源流に着きます。右から山道が合流しますので、この道に入ります。源流の付近はいろいろ踏跡がついています。源流に沿って上流へ行く踏跡がありますが、その入口に立入禁止の黄色いテープが張られていました。勝手に入ってはいけないようです。

先ほどの分岐を右折すると、すぐ左右から来る山道に合流します(A5)。直進する細い踏跡もあります。ここを右に曲がります。最後はツバキが多く植えられた所を通って、森の中央を横切る車道(なかみち)に出ます(A6)。瀬谷市民の森の看板と「瀬谷の原」の説明板があります。車道の反対側のちょっと右方向にトイレがあります。

(6)みずきのみち、虫捕りに行く子どもとおじいちゃん

左へ100mほど車道を進み(B1)、左へ入って「みずきのみち」を行きます。Aコースは細い道が多かったですが、Bコースは左右に鎖が張られた立派なコースになっています。
中間でB2・A7の合流点を過ぎ、瀬谷市民の森のポイントとなる十字路(KA2)に着きます。直進が追分市民の森方面、左が上瀬谷方面、右が瀬谷高校方面となっています。追分市民の森へ行きますが、その前に上瀬谷方面を往復して瀬谷の原を見てきます。

(7)野境のみちの外れにあった古戦場の解説板
(8)市民の森の外側に米軍基地の古い看板が残されていました

左折するとヤブが少しうるさくなり、右上には施設跡地のような空き地があったり、車両通行止めの木杭が3本立っていたりします。やがて右側に「中丸山古戦場跡」の古い説明板を過ぎると、草むした車道と荒れた草原に出ます。何カ所か畑が作られていたものの、荒涼とした感じの風景でした。

(9)上川井市民の森を散歩する老人(KA3の付近)

分岐の十字路まで戻り、左折して上川井市民の森へ行きます。高木とシダ類の多いきれいな森を歩き、南北抜け道の起点に着きます(KA4)。南北抜け道を南に歩いて市民の森の入口(KA5)へ出てきました。

(10)つぼみのヤブミョウガ、追分市民の森の八ツ塚みちで(OA4の付近)

車道(なかみち)を左へ20mほど進むと交差点があって、その向こう側に追分市民の森入口があります。市民の森に入り、少し行くと最初の分岐(OA2)があります。直進してもいいのですが、右折すると、四辻のちょっとした広場になっていて、新しいベンチがあるので休憩しやすい所です(OA3)。ここで左折すると先ほどのルートにすぐ戻れます(OA4)。

(11)追分市民の森のお花畑広場、ヒマワリは一分咲きでした

メインコースに戻り、森の北側で道なりに右に曲がって高台の畑作地に出ます。下っていくと人家のある車道に合流します(OA6)。道標は左が下川井方面、右が追分広場、三ツ境方面となっています。右折して追分広場へ行きます。
100mほど行くとふたたび森の中の道になります。夏なら左にヒマワリ畑が見えてきます。追分広場(OA7)にはトイレと広場があります。愛護会の作業によく使われている場所のようです。

(12)お花畑広場を歩く男女、矢指市民の森から見下ろしたもの

お花畑の終わる所で左に下りる道がありますので(OA8)、ここを左折して矢指市民の森へ向かいます(道標あり)。対岸に矢指市民の森の南西入口(YA1)がありますので、お花畑に一番近いルートを歩いていきます。途中でお花畑を上から見下ろすことができます。
ベンチの先で道が左右に分かれますが、左へ広いメインの道を行きます。次の分岐(YA2、YA3)も直進して、くぬぎ通りを緩やかに登って尾根道に合流し(YB5)、右折してさらに登ります。

(13)矢指市民の森のくぬぎ通り(YA3の付近)
(14)荒れ地に群生したヒメジョオンなど

尾根道の途中で杉の木通りに入る所(YB4)がありますので、右折して杉の木通りに行きます(ここを直進するとトイレに行けます)。
杉の木通りからヒノキ通りに合流して、すぐ左に太陽の広場があります。暗い森のなかでぽっかりと開けて光が射し込む太陽の広場です。
広場を通過して直進するとしいの木通りに合流します(YA6)。左に行くとトイレ、右に行くと南西入口です。右折して下るとクヌギ通りに合流し、左に行くと南西入口に戻ります。

(15)追分市民の森の桧山みち周辺(OD2の奥)
(16)谷戸に作られたマリゴールドのお花畑と里山

南西入口から元の道に戻ってもいいのですが、流れに沿って上流(南方向)へ歩いてみます。橋を渡った所から左へ行きます。このあたりはホタルが出そうな雰囲気です。
高架の下をくぐると百日草のお花畑になっていて、歩いて通り抜けることができます。
百日草が過ぎると左右に横断する道に合流します。その先にマリゴールドのお花畑がありますが、歩道がないため通り抜けることはできません。横断する道は、左へ行くと小さな流れと谷戸があって、ホタルが好みそうな谷戸の湿地が広がっています。そのまま行くと矢指配水池付近へ抜けます。横断道を右へ行くとお花畑の谷戸の右(西)側の道に合流します。

追分市民の森の南口(OD1)に出て、長かった市民の森歩きは終わりです。出た所は中原街道の旧道ですが、右へ2~3分で中原街道の新道に合流します。左へ少し進んで「西部病院入口」の交差点を左折して野境道路を行きます。
静かな車道を約600m(10分)歩き、右側が楽老ハイツの角を右折します。左側には民家のブドウ棚があります。右折したのは楽老南公園に立ち寄るためです。ここから丹沢や富士山の眺めがすばらしいというのですが、実際に行ってみて展望はよくありませんでした。樹木の葉が落ちた冬~早春なら見えるのかもしれません。

[アクセス] 行き:相模鉄道瀬谷駅/帰り:相模鉄道三ツ境駅 ※野境道路の「西部病院前」バス停から三ツ境駅北口までバス約5分(神奈中バス・相鉄バス)
[参考時間] 瀬谷駅(10分)長天寺(10分)諏訪社(25分)瀬谷市民の森入口(10分)「A3」(5分)瀬谷の原と思われる草地(15分)和泉川源流(5分)車道:A6(3分)みずきのみち入口:B1(17分)野境みち4差路:KA2[中丸山古戦場跡往復15分](10分)南北抜けみち:KA4(7分)車道:KA5(8分)なかみち休憩所:OA3(20分)追分みち合流点:OA6(7分)追分広場:OA7(3分)矢指市民の森分岐:OA8(10分)矢指市民の森尾根みち合流点:YB5(10分)太陽の広場(10分)矢指市民の森南口(10分)お花畑の南端:OD2(10分)中原街道口(20分)三ツ境駅 計4時間
[追加情報]
・追分市民の森のヒマワリは7月下旬~8月上旬に満開のようです
・瀬谷、追分市民の森ともにホタルが出る情報がありますが未確認
・径路が複雑なため地点記号を付記しました。市民の森のガイドマップで確認しながら歩いてください

瀬上・氷取沢市民の森

赤番号は写真を撮った場所を示しています

(歩いた日=2019年6月25日)
横浜市の最南部で栄区、磯子区、金沢区が接する地域の森は、横浜市最大の緑地帯になっていて、面積は約700haあります。このうち栄区内には瀬上市民の森、磯子区内は氷取沢市民の森、金沢区内は釜利谷市民の森、金沢市民の森があります。さらに最南端に横浜自然観察の森(栄区)があって鎌倉市境に接しています。
瀬上市民の森と氷取沢市民の森を結んで歩きます。3時間程度のちょうどよいコースです。峯市民の森へ足を延ばすとプラス1時間で、やや強行ルートになります。

港南台駅のバスターミナル1番乗場から「桂台中央」行きのバスに乗り、「横浜栄高校前」で降ります。
高校の敷地に対して右へ車道を行き、道なりに左に曲がり川へ下って行きます。下り切った所が三叉路になっていますので右折します。カーブミラーと遺跡の看板があって、すぐ「瀬上沢小川アメニティ」の道標がありますので、左に行きます。

(1)瀬上沢小川アメニティの歩道
(2)里山の生き物が描かれた石は腰掛けにもなります

里山風景の中をしばらく歩きます。森の中のちょっとした広場に円海山周辺のトレイルの解説板が立っています。その付近から市民の森に入り、左側に小さな梅林があって、その先に水田などがあります。

(3)池ノ下広場近くの流れで、何かをさがしていたグループ

15分ほどで池ノ下広場に着きます。広い範囲にアジサイが植えられているのは、里山としては違和感がありました。すぐ先で石垣に突き当たり、それが瀬上池の北側の堤防になっています。右か左から石垣を登ると池の上に出ます。

(4)瀬上池は左側に歩道があって池ノ上休憩所へ行けます

瀬上池は左側に歩道があって上流へ行くことができます。上部は谷戸地形の湿地帯で池ノ上休憩所があります。この付近でもホタルが見られました。こちらからも区境の尾根へ抜けられますが、戻ってメインルートを行くことにします。

(5)中尾根休憩所へ登る斜面の樹林、下草にシダが多い

池ノ下広場へ引き返して、中尾根休憩所経由でいっしんどう広場へ向かいます。沢の上流に道標があって「E5 いっしんどう広場」とあります。沢から右折して山腹を登ります。
管理されたきれいな植林帯を登り、10分ほどで中尾根休憩所、さらに10分ほどでいっしんどう広場に着きます。

(6)いっしんどう広場のベンチに寝て空を見上げる
(7)広場にめだつ桜の高木

いっしんどう広場は山頂のような雰囲気のある広場です。南方だけ展望が開け、見えているのは能見堂緑地のあたりでしょうか。ベンチもきれいに掃除されていて、昼食休憩するのによい場所です。
広場中央にA2の道標が立っていますので、それに従って「ふじづか休憩所、氷取沢方面」へ向かいます。植林帯の中のうっそうとした道になります。しばらく平らですが、その先で登りになって円海山へ向かいます。

(8)円海山は入山できずここまで。頂上の20mほど手前と思われます

途中で円海山への分岐がありますが、踏み跡はかなりヤブが出ています。近くまで行ってみましたが、柵があって頂上へは行けませんでした。残念ですが柵のある所が頂上代わりでしょう。
円海山分岐の先へ下って行くと、すぐに赤と白の鉄塔が右側に見られます。鉄塔の下に大谷戸広場への分岐がありますが、「ふじづか休憩所、氷取沢方面」へ進みます。
この付近から右側は原生林のような森が広がっています。左のほうはずっと有刺鉄線があり立入禁止です。道の脇にツバキが植えられて、その奥は篠竹のヤブのような感じです。
尾根ルートをずっと下って来て、市民の森の出口に「ふじづか休憩所」があります。ここまで、いっしんどう広場から15分程度です。直進すると氷取沢町です。

森を出て坂を下って行くときに海が見えます。広々としたよい眺めです。T字路に突き当たり、道なりに左に行きます。急な坂を下り切った所の右側に道標があります。「氷取沢バス停15分」とあります。ここで右側に直角に曲がります。さらに下り切った所の交差点を右に曲がります。
団地を右側からぐるっと車道に沿って半周して行きます。途中に「磯子台団地」のバス停があります。団地の外れで車道がY字路に合流したら、右に曲がります。さらに大きな車道(笹下釜利谷道路)に合流します。合流点の右側に氷取沢神社があります。
広い車道に出たら右折して、神社の前を通り過ぎて、右から入ってくる道へさらに右折します。右折する所に「氷取沢市民の森」の標識があります。

小さい流れに沿って、一車線の狭い車道を歩いて行きます。右に曲がって沢を離れて登って行くと、左手に大きな畑作地が広がっています。上のほうには先ほど下りてきた住宅街が見えます。

(9)氷取沢農業専用地区

しばらく畑作地の中の車道を歩きます。上に横横道路の高架が見える所で畑作地が終わり、氷取沢市民の森の入口になります。途中の道標を確認しながら大谷戸広場に向かいます。車道が終わって細い山道になると、道が複雑に分かれた箇所もあります。一番太いメインの道を選んで行きます。横横道路の真下あたりで沢に合流して、沢沿いの道になります。

(10)深い森の雰囲気があるおおやと広場付近
(11)氷取沢の源流付近、すぐ先から尾根への登りになります

源流の細い流れと雑木林の道をたどります。市民の森入口から15分ほどで「大谷戸広場:E7」に着きます。さらに10分ほど上流に歩くと、広場の端で直角に右に曲がり(道標あり)、斜面を登る道になります。雑木林からしだいに人工林に変わり、尾根道に合流します(A4地点)。右へ進み5分ほど歩くと、先ほどのいっしんどう広場に戻ります。今回のコースはここで終わりなので、好きなだけ休憩しましょう。

(12)ひよどり団地の高台の道から洋光台団地方面、遠くみなとみらい、右方に東京湾

来た方向から尾根道をそのまま進むと、すぐに市民の森の東口に出て(A1地点)、左側にトイレがあります。車道をそのまま進み、T字路に突き当たります。高台からの眺めがすばらしく、左右一杯に地平線が見えます。
左折して300mほど道なりに行くと、環状3号の交差点(ひよどり団地入口)に合流します。左へ行くとすぐ「港南環境センター前」バス停です。

[峯市民の森]
ひよどり団地前の分岐を右折して道なりに行きます。800mほどで横横道路の上を高架で渡ります。渡って最初に右に分かれる道に入ります(左側にごみ箱があり、電柱に「磯子区洋光台6丁目15」の表示があります)。
右から山腹が迫りますが、もう100mほど先へ進みます。特徴的なタブノキの古木が保存されていて、車道が二股に分かれてすぐ先で合流しています。その先が市民の森入口になります。
タブノキから最初に右へ分かれる道に入ります。数メートル登った先で左へ歩道が分かれますが、ここには標識がありません。次に左へ登る階段から市民の森へ入ります。

(13)[峯市民の森]山の神休憩所のタブノキ古木
(14)[峯市民の森]更新橋へ下る竹林の道

すぐ左に大きな古木が見えます。狭い山の神休憩所で、モチノキの古木とタブノキの古木が2本あります。ここを過ぎると左側は竹林になります。右側に巨木が見えますが、すぐにこちら側も竹林になります。
10分ほどで大きい車道に合流します。対面に矢印の標識と看板がありますので、そこから森に入ります。すぐに甘沼広場に着きますが、何もない草原の広場です。かつては梅林だったようで、何本か梅の木が残っています。

甘沼広場の上で道は左に曲がり(道標あり)山腹を登って行きます。登り切ったF6地点で左折して、「展望台、甘沼休憩所」をめざします。展望台休憩所は杉林の展望しかなく、木の間からちらっと遠くが見えるだけです。すぐ下の甘沼休憩所はベンチが老朽化していて、腰を下ろす気になれません。ここで更新橋への道と、善正山休憩所を経て坂下へ下りる道に分かれます。直進して坂下方面へ行きます。

(15)[峯市民の森]善正山付近の緑のきれいな所

右手が大規模な竹林になり、立入禁止の看板があります。そこを通過すると、感じのよい森と下笹の歩道になり、15分ほど歩いて善正山休憩所に着きます。ここからすぐ森の外へ出ると「坂下」下り方面バス停で、向かい側に上りのバス停があります。磯子行きのバスは1時間に1本ぐらいしかありません。歩いて洋光台駅へ行くこともできます。

[アクセス] 行き:港南台駅(神奈中バス6分)横浜栄高校前、または港南台駅(横浜市営バス3分)榎戸(徒歩5分)横浜栄高校前/帰り:港南環境センター前(横浜市営バス8分)港南台駅
※徒歩の場合、港南台駅~横浜栄高校・港南環境センター間いずれも約25分
[参考時間] 「横浜栄高校前」バス停(15分)瀬上川小川アメニティ(25分)池ノ下広場(5分)瀬上池[池ノ上往復15分](25分)いっしんどう広場(5分)円海山入口(10分)ふじづか休憩所(15分)バス道・笹下釜利谷道路(10分)氷取沢農業専用地区(25分)おおやと広場(30分)いっしんどう広場(5分)瀬上市民の森東口(5分)ひよどり団地(15分)「港南環境センター前」バス停 計3時間10分
[追加情報]
・徒歩20分で峯市民の森へ足を延ばすこともできます。ひよどり団地(20分)峯市民の森入口(10分)更新橋(10分)展望台休憩所(15分)善正山休憩所(5分)坂下 「坂下」または「更新橋」バス停から磯子駅前行きのバスがあります。
・6月中は瀬上沢上流~瀬上池でホタルが見られます。シーズン中はコース入口に仮設トイレが設置されていました(6月末まで)。氷取沢でも見られると思いますが未確認。

[7月3週]梅雨明け前でも、徐々に夏山遭難発生

[7/16~22の遭難関係ニュースから]
7月第3週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

全国的にはまだ梅雨前線による悪天候が続き、週末は九州北部で台風の影響による大雨となりました。悪天候の影響かどうかは個々の事例を検討しないとわかりませんが、北・中央・南アルプスで遭難事故発生が多くなってきました。また、19日に富士山でイギリス人女性が遭難死しましたが、悪天候によるものだったことが報じられています。

7/16(火)北アルプス針ノ木岳で女性(43)が針ノ木峠へ下山中に滑落負傷。7/17山小屋従業員が救助
7/17(水)独鈷山(長野県上田市)に単独で登山中の女性(29)が道に迷い行動不能。上田署が救助
7/17(水)奥秩父笛吹川東沢を6人で下降中の男性(24)が滝つぼに飛び込んだあと行方不明。7/20川岸で遺体発見
7/18(木)大峰・山上ヶ岳から下山中の男性(83)が登山道から谷へ50m滑落、顔・腰など負傷。警察・消防が救助
7/19(金)7/18富士山に夫婦で登山中の英国籍女性(54)が悪天候のためはぐれ、翌日御殿場口八合目で遺体で発見
7/20(土)南アルプス北岳八本歯コルで男女(35・38)が40cm大の落石を受け太ももに軽傷。県警ヘリが救助搬送
7/20(土)南アルプス北岳~北岳山荘間で女性(49)が下山途中に足を滑らせ転倒し左足首捻挫。県警ヘリが救助搬送
7/20(土)中央アルプス空木岳から池山林道方面に下山中の男性(37)が道に迷い行動不能。駒ヶ根署・遭対協が救助
7/21(日)トムラウシ山短縮登山道登山口から15分の場所で男性(60代)が心肺停止で倒れる。搬送先の病院で死亡
7/21(日)筑波山地・加波山で男性(54)が仲間と別れて山頂を目指し行方不明。登山道わきの斜面に倒れた遺体発見
7/21(日)大菩薩・小室川谷で沢登り中の女性(60代)が川に転落し流されて意識不明。同行者3人はその場に残し下山して通報
7/21(日)南アルプス駒津峰~仙水峠間を下山中の男性(44)が体調不良となり行動不能。北杜署救助隊が同伴下山
7/21(日)北アルプス白岳~西遠見鞍部付近を下山中の女性(55)が転倒負傷。県警ヘリが救助
7/22(月)7/21南アルプス北岳で男性(47)が体調不良となり、北岳山荘へ宿泊後救助要請。7/22県警ヘリが救助
7/22(月)北アルプス唐松岳で女性(55)が転倒して負傷。県警ヘリが救助

[9/2追記]
7/21(日)越後金城山二合目付近を下山中の男性(53)が転倒し両足を負傷、熱中症の症状もあり。防災ヘリが救助
7/21(日)奥秩父鶏冠山で男性(63)が下山中に手をかけた岩が崩れ3m滑落、両腕から出血。県警ヘリが救助
7/21(日)富士山須走口六合目付近で男性(25)が左足を負傷して行動不能。御殿場署などが五合目まで担架搬送
7/21(日)北アルプス立山・内蔵助カールで男性(29)がスキー滑走中に転倒、100m滑落し左脚骨折。防災ヘリが救助
7/22(月)富士山富士宮口八~九合目間で男性(37)が下山中に左足を滑らせて負傷し110番通報。県警救助隊が救助

[その他のニュース]
●ヤマップ「みまもり機能」リリース
7/16(火)登山のSNSヤマップは、登山中のGPS位置情報を家族や友人などに知らせることができる「みまもり機能」を新たにリリースしました。
これまでは、スマートフォンの位置情報は本人が確認するだけで、だれかに伝えるには電話やメールで連絡する必要がありました。新機能では次のようになります。
①通信圏内にいるときは、位置情報がヤマップのサーバーに自動送信されます。
②通信圏外にいるときは、ヤマップユーザー(アプリ利用者)同士がすれ違うと、互いの位置情報が自動で交換・記録されます。その後通信圏内に入ると、相手の位置情報がサーバーに自動送信されます。
③ユーザーが登録しておいた連絡先宛に、随時通知メールが届き、そこに記載されたリンクから位置情報を地図上で確認できます。
この②の部分が特徴で、その山域内にユーザーが多くいるほど情報交換の頻度が高くなり、安全度を高くすることにつながります。新たな器具などの必要がなく、スマートフォンと無料アプリだけでこの機能を利用できる点も、登山者には大きなメリットです。

ただし、便利そうな用具や技術というものは、何でもそうですが、正しい登山知識や考え方のうえで利用しないと失敗することがあります。
ヤマップの「みまもり機能」は、次の点がそもそもの前提になっています。
・登山前にきちんと登山計画を立てられる
・そのさい「緊急時連絡先」を設定できる(その重要性がわかる)
遭難対策の必要性と、登山計画と遭難対策との深い関係がわかっていて、そのうえで「みまもり機能」を利用すれば、登山の安全性を大きく高められると思います。

●学校登山の見守りシステム、諏訪東京理科大が開発
7/17(水)茅野市の公立大学である諏訪東京理科大学が、学校登山のときに生徒たちの位置情報を表示するシステムを開発し、16日に永明中学校の学校登山で実証実験を行ったそうです。
このシステムは、教員が携行する小型送信機により3分おきに位置情報を発信し、径路をPCやスマートフォンの画面に表示します。遠距離通信が可能で消費電力も少ないLPWAという無線通信技術を使用しています。2020年度の実用化をめざしているそうです。
※LPWA:Low Power Wide Area(省電力長距離無線通信)

[7月2週]夏山シーズンに入り、行方不明事例2件

[7/9~15の遭難関係ニュースから]
7月第2週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

まだ梅雨明けはしていませんが、暦の上では夏山シーズンが始まっています。北・中央・南アルプス、八ヶ岳、富士山での遭難が始まってきています。死亡事故はありませんが、行方不明事例が2件発生しています。

7/9(火)南アルプス北岳で女性(50代)が下山中に転倒して右足首骨折。1km下った山小屋から通報、7/10救助
7/9(火)霧島・高千穂峰に13:30に入山した女性(49)が下山中に道に迷って17:50通報。7/10早朝に発見救助
7/10(水)蔵王ダム上流1kmの沢で渓流釣りに入山した男性(62)が行方不明。7/12朝発見、足を負傷し行動不能
7/11(木)日高・カムイエクウチカウシ山で男性(年齢不明)が体長1.5mの熊に襲われ右腕にけが。杖などで抵抗し熊は逃走
7/11(木)北アルプス常念岳で女性(41)が滞在中の山小屋の階段から転落負傷。安曇野署が救助
7/12(金)北アルプス立山連峰雄山または大日岳方面へ向かった男性(38)が下山予定日を過ぎても戻らず行方不明
7/14(日)毛無山(野沢温泉村)周辺でトレランの大会に参加中の男性(62)が道に迷い、14:00主催者側に連絡後消息不明
7/14(日)八ヶ岳美濃戸口から赤岳へ登山中の女性(60・29)がルートを誤り行動不能。茅野署・遭対協が救助
7/14(日)北アルプス白馬乗鞍岳から栂池高原へ下山中の女性(62)が浮き石に乗り転倒負傷
7/14(日)北アルプス立山連峰雄山で男性(59)が下山中に足を滑らせ転倒、右足骨折
7/14(日)北アルプス前穂から奥穂へ登山中の男性(50)が、ルートを誤って道に迷い行動不能。7/15救助

[9/2追記]
7/12(金)富士山御殿場口七合目で女性3人(40-50代)が寒さのため動けなくなり19:15通報。7/13未明まで全員救助
7/13(土)富士山御殿場口七合目で男性(50)が滑って足を負傷し山小屋から救助要請。御殿場署・消防などが救助
7/13(土)天子山塊毛無山で男女3人(40-50代)が下山中寒さや疲労などで動けなくなる。富士宮署などが救助
7/15(月)北アルプス立山・天狗平2100m付近で女性(61)が転倒して右足骨折、歩行不能となる。山岳警備隊が救助
7/15(月)大峰山脈・大滝内の山中で金峯神社に向かった男性(69)が行方不明。7/16捜索隊が大滝内山中で発見

[その他のニュース]
7/9(火)栃木県で高校生の登山計画の安全性を審査する登山計画審査会が開かれ、おもに夏休み中に実施される登山部計画8校9件、学校行事2校2件が審査されました。従来の運用では、学校行事2件は対象外でしたが、雪崩事故遺族らの「全計画を審査すべき」との指摘を採用して、運用を改めたそうです。
7/12(金)富士山の噴火の危険性が高まったことを想定し、山小屋関係者、周辺自治体などが、登山者を安全に避難させるための訓練が行われました。山梨県側、静岡県側で、それぞれ実施されたそうです。富士山の噴火は将来確実に起こると言われており、御嶽山で経験した事故が富士山でもあり得ると認識しておくことは非常に重要です。

気にかかった遭難事例

●トレラン大会で道迷い~行方不明
長野県野沢温泉村で開催されていたトレイルランニングの大会「The 4100D マウンテントレイル in 野沢温泉」で、最も距離の長い65kmソロにエントリーしていた男性(62)が、レース中に行方不明になりました。7月14日7時にレースはスタート。14時ごろ、男性から主催者側に「道に迷った」と携帯電話で連絡がありました。主催者によれば「その場を離れないように」と連絡しましたが、その後行方がわからなくなりました。飯山署、消防、遭対協など約60人で捜索していましたが、発見に至らず、17日をもって捜索本部は解散されたそうです。続報に注意していたいと思います。

[7月1週]悪天候続き、遭難発生は一段落

[7/2~8の遭難関係ニュースから]
7月第1週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

ひさびさに遭難の少ない週となりました。週前半は前線が太平洋岸に停滞し、九州では災害をもたらす規模の大雨となりました。後半も不安定な天候が続きましたので、登山に出かけた人は少なかったのではないでしょうか。山菜採りの遭難もようやく少なくなり、把握できたのは長野県での1件のみでした。

7/3(水)三ツ峠八十八大師付近で男性(49)が体調不良で動けなくなり救助要請。消防・大月署などが救助
7/4(木)北アルプス白馬岳で男女(32・32)が道に迷い行動不能。7/5県警ヘリが救助
7/6(土)長野県木島平村の山林で山菜採りの男女3人(70・70・65)が一時行方不明になるが、のち自力下山
7/6(土)富士・宝永山付近を下山中の女性(58)が転倒して左足首骨折。御殿場署・消防救助隊が救助
7/7(日)日高・ピリカヌプリ800m地点で男性(24)が滑落し手首・足を骨折の疑い。道警ヘリと消防が救助
7/7(日)九州傾山を下山中の男性(57)が道に迷い110番通報。2H後に防災ヘリが発見救助
7/8(月)中央アルプス中岳で女性(71)が転倒負傷。7/9駒ヶ根署・遭対協が救助

[その他のニュース]
7/3(水)「和歌山県世界遺産熊野地域協議会」の総会が開催されました。5月に起きた死亡事故を踏まえて、熊野古道を訪れる観光客などに対して、広域で安全対策に取り組むことが事業計画として決定されました。
具体例としては、事故防止のメッセージや注意箇所を記載した啓発物資を作成するとのことです。登山でいえば、ガイドマップ中に危険ポイントを記載するような感じでしょうか。地元関係者の総意としてオフィシャルなものが作られることが期待されます。

現状において、無雪期の一般登山・ハイキングと熊野古道ウォーキングとでは、ほとんど差がなくなってきていると思います。登山の分野でも、全国各エリアでこのような動きが出てくればいいのにと思いました。

[6月5週]御嶽山で早くも遭難2件発生

[6/25~7/1の遭難関係ニュースから]
6月第5週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

梅雨明け前の天候の不安定な季節にもかかわらず、登山に出かける人が多いのか、多くの遭難事故が発生しています。山菜採りの遭難もまだ起こっています。

6/25(火)南アルプス薬師岳で男性(70)が下山中に仲間からはぐれて道に迷う。6/26長野県警ヘリが発見救助
6/25(火)北アルプス白馬鑓温泉へ下山中の男性(30)が道に迷い、軽アイゼンのみのため行動不能。県警ヘリが救助
6/25(火)北アルプス前穂高岳で男性(34)が残雪上でスリップし500m滑落重傷。同行者が通報し、県警ヘリが救助
6/26(水)南アルプス山麓田代付近へ渓流釣りに出かけた男性(83)が戻らず。6/28山中の沢で遺体発見、外傷なし
6/26(水)長野県木島平村の山林で女性(67)が山菜採りのため仲間と入山後、別々に行動中、道に迷い行動不能
6/26(水)長野県高山村の山林で女性(63)が山菜採りのため家族と入山後、別々に行動中、道に迷い行動不能
6/26(水)八ヶ岳・赤岳から男性(35)が権現岳方面へ縦走中、道に迷い行動不能。県警ヘリが救助
6/26(水)八ヶ岳・赤岳文三郎尾根を下山中の男性(79)が浮き石を踏んで転倒負傷。県警ヘリが救助
6/28(金)北海道・朝里岳(赤井川村)で男性(82)が山菜採りのため入山して行方不明。山頂付近に車発見
6/29(土)=発見日/群馬県下仁田町南野牧の山林内で男性(54)の遺体発見。高い所から落下したと見られる
6/29(土)御嶽山黒沢口六合目付近で男性(64)が下山中に登山道から外れて道に迷う。17:40救助要請、6/30無事救出
6/30(日)御嶽山黒沢口七合目付近で男性(67)が登山中、体調不良により行動不能。木曽消防署員が救助

[その他のニュース]
6/25(火)長野県木曽町が、御嶽山山頂への夏山期間に限定した入山許可を発表。6/29に遺族や行方不明者家族の希望者が山頂登山を実施しました。
7/1(月)御嶽山の木曽町側登山道が規制解除されました。10/16までの期間、黒沢口九合目から剣ヶ峰まで登山できるようになります。

[7/17追加]
6/26(水)両神山方面へ出かけた女性(63)が下山せず夫が届出。6/27鞍掛山北東の登山道から40m下の斜面で遺体発見
6/26(水)高座山(忍野村)山頂付近で男性(60)が下山中に足を滑らせて転倒し右足首骨折。静岡県防災ヘリが救助

気にかかった遭難事例

御嶽山山頂への登山道規制解除は7月1日からでしたが、それに先立つ6月29~30日に、御嶽山で早くも2件の遭難事故が発生しました。
事例を目にしたとき、「エッ……」と、少々驚きました。しかも1件はツアー登山のようです。
6月29日(土)17:40ごろ、黒沢口六合目付近で男性(64)が道に迷ったと救助要請しました。男性は日帰り予定で入山し、下山中に正規ルートから外れたもようです。木曽署はその場から動かないよう指示し、翌日早朝、無事救助されました。
6月30日(日)ツアー登山に参加していた男性(67)が七合目付近で体調不良により動けなくなり、木曽消防署員に救助されました。詳しい状況などはわかっていません。
どちらも無事救出され被害が少なかったため、大きな報道にはなりませんでした。規制中の九合目~山頂に登ったかどうかも特に触れられていません。
山頂に登っていたらルール違反です。しかし、通常九合目で引き返す前提で登るでしょうか?
何とも言えず謎です。

荒井沢市民の森から北鎌倉

赤の番号は写真を撮った場所を示しています

(歩いた日=2019年6月21日)
横浜市栄区にある荒井沢市民の森と、鎌倉の散在ヶ池森林公園、六国見山森林公園を結んで歩きます。行程が里山散歩としてはやや長く、軽い1日のハイキングになります。時間があったら、北鎌倉の美しい寺社を訪ねてもいいでしょう。

港南台駅の駅前バスターミナル1番乗場から、「桂台中央」へ行くバスに乗ります。バス路線は桂台中央循環(港81/港82)、上之経由桂台中央行き(港83)、本郷車庫前経由桂台中央行き(港33)などたくさんあります。
「桂台中央」でバスを降りたら桂台小学校前の交差点のほうに進み、洗井沢川をめざして行きます。周辺一帯が環状4号の工事で変化していて、車道が一部地図とちがっている箇所があります。
10分ほどで洗井沢川に下りて橋を渡り、左折して車道に入ると畑が広がっています。畑の左側の昔の道路に沿って歩いて行きます。道路の歩行者用スペースが緑色に塗られていて、「洗井沢川せせらぎ緑道」に指定されています。
5分ほどで、左側の岩を掘り込んだ中に庚申塔などが置かれています。さらに5分ほどで、左の山のほうに大規模な露頭(崖)が見られます。地層がはっきりと見えます。昔クライミングで登られていたという情報がネットにありました。

(1)洗井沢川小川アメニティの小径

このあたりから車道の右側には、小川の流れに沿った「洗井沢川小川アメニティ」のコースが作られています。左側にライフコート栄があって、そこに「荒井沢市民の森」の看板がかかっています。
しばらくして炭焼き広場と極楽広場の分岐になります(道標あり)。左の極楽広場のほうに行きます。すぐに「横浜永久の杜(もり)」の墓地の門の前で左折します。
ライフコート栄の駐車場を右側に過ぎ、その先で車両進入禁止になり小さな畑があります。ここが荒井沢市民の森の入口ですが、看板などは何もありません。

極楽広場の先にあるカエル池

数分進むと極楽広場に着きます。ここに市民の森の看板と簡易トイレがあります。簡易トイレとはいえ男女別で掃除がゆきとどき、手洗い用の水が使えます。すぐ先にカエル池があります。湧き水らしく、けっこう水がきれいです。

(3)古い地層が見られる道。新生代第三紀に浅い海で堆積した交互層だそうです
(4)谷戸田に水を供給していた溜池跡の湿地。今はホタルが多く出ます

左側は田んぼになります。小さな流れを右にして歩道を歩いて行きます。田んぼが終わると湿地で、ここから奥がホタルの多い一帯です。歩道の右には砂岩・礫岩層とシルト岩層が交互に重なったという数百万年前の地層が見られます。このあたりには浸食されずに残った硬い岩盤があるようです。
湿地が行き止まりになって、階段で奥の稜線に上がります。その上で道なりに左折し、左側の斜面から木の階段で湿地帯に下ります。木道を歩いて行くと「谷戸田の池」の表示があります。昔の溜池が乾いて、今は湿地になっています。

この先で谷戸は終わり、突き当たって右に曲がります。「皆城山、炭焼き広場」の道標があります。沢を橋で渡り、階段をしばらく急登します。
10分ほど登るとササヤブの中に皆城山展望台の分岐があります。展望台はすぐに往復できます。北側の町の眺めが開け、みなとみらいや新横浜方面も見えます。
皆城山から戻ってササヤブの中を抜けると、稜線上の道になります。少し行くと三差路になって、「右・炭焼き広場、直進・鎌倉市境尾根道」とあります。市境尾根のほうへ行きます。

(5)北鎌倉への市境尾根を歩く。左の梢越しにゴルフ場が見えます

約5分でまた三差路になって道標があります。鎌倉、散在ヶ池へ行きます。途中で稜線の右側に畑が広がった所に出ます。左側はゴルフ場が木の間越しに見えます。
約10分でまた三差路に着き「右・本郷台、左・鎌倉方面」とあります。鎌倉方面のほうが細い山道ですが、そちらへ行きます。

(6)市境尾根からの下降ポイント。道標はこれしかなくルートミスの危険あり

すぐ先(2分ほど)で山道が左右に分かれています。ここは迷いやすく要注意です。
[右]稜線上を2~3分進むと小ピーク(標高約100m)で、左に90度曲がる踏み跡が分かれます。「鎌倉方面」と書いた小さい板が幹につけられています。左に行き、南向きの支尾根沿いに下ります。
[左]稜線の左側を巻いて、小ピークから下ってくる道と交差し、さらに白山神社方面へ続いています。散在ヶ池へ行くには交差ポイントで左折しなくてはなりませんが、そこに道標はありません。
雑木林の中を下り、10分ほどでバス道に下りると、右手に「今泉不動」のバス停が見えます。下りた地点の少し左から、右(南方向)に分岐する車道を行きます(道標あり)。100mで右側に散在ヶ池森林公園(通称・鎌倉湖)の北口があります。バス道から分かれて公園に入ります。

(7)「せせらぎの小径」の崖にイワタバコ咲く。愛犬とお散歩の人がいた

すぐに、散在ヶ池へ直接行く道と、右へ下りるせせらぎの小径とに分かれます。せっかくなのでせせらぎの小径を歩いてみましょう。きれいな流れと森の景色が見られます。水辺の岩壁にイワタバコが群生していました。

(8)散在ヶ池(さんざがいけ)、別名鎌倉湖とも呼ばれます

せせらぎの小径から登って車道に戻ると、そこが散在ヶ池になります。のんびり小径と馬の背の小径に分かれますが、のんびり小径を行きます。入口に管理事務所(地図などが入手できます)とトイレ、水飲み場があります。

(9)森林公園南口への分岐(上から下を見ています)。左は馬の背を下降する道

のんびり小径は前半で池が見下ろせ、途中にイワタバコの群落があります。森林には植栽した木もあって、いろいろな種類の木が見られるようです。後半は山腹の森をトラバースする山道を歩き、30分ほどで一番南側、馬の背の小径との合流点に着きます。南口出口の看板があり、ここを左へ行きます。右へ行くと馬の背の小径を下って戻ることになります。
続いてまた道標があって、右が「パノラマの小径」、左が「天園ハイキングコース400m」とあります。左へ行くと南口の出口になります。
南口には散在ヶ池森林公園の看板が立っています。車道に出たら右にゆるく下って行きます。50mほど行くと、頭上に送電線がある所で左に天園ハイキングコースが分かれます。左折してハイキングコースのほうへ行きます。100mほど直進してバス道路(バス停「半僧坊下」)へ出たら、右折して大船方面へ行きます。
しばらく200mほど進むと、メイン道路は右斜めに曲がり、左右から細い道路が合流しますがメイン道路をそのまま進みます。左右からいくつも道路が合流しますが、かまわずまっすぐに進みます。正面に見える山が六国見山です。400mぐらい歩いて突き当たったら右へ曲がります。100mほどで突き当たって十字路になりますが、左へ曲がります。あとはしばらく道なりに歩いていきます。
山に突き当たったら、山裾を取り巻く車道を左に曲がります。看板が立っていますが指示内容がよくわかりません。車道が左右に分かれて、右へ登っているほうへ入ります。左手に鎌倉アルプスがきれいに見えています。

(10)六国見山(ろっこくけんざん)登山口、小さな道標がありました

最後の人家の前で車道は終わり、右に登る細い山道があって、入口に小さい道標が一つ立っています。

(11)六国見山頂上にあった花。名前不明、葉っぱはアザミににている

山道に入ると鬱蒼とした森に囲まれます。散在ヶ池の森よりも古く幽すいな感じがします。わずか10分ほどで山頂に着きますが、展望のない森の中に三等三角点と私製の小さな表示板があるだけです。葉がアザミに似ている見たことのない花が、山頂周辺にだけいくつも咲いていました。

(12)稚児の墓の横に寄り添っていた大木

山道を進むと稚児の墓に着きます。相当古い石塚で、文字が全く読めなくなっていました(奈良時代のもののようです)。墓に寄り添って常緑広葉樹の大木が立っています。ここからは山道の整備が行き届いていて、鎌倉観光のエリアに入ったことが感じられます。

(13)展望台広場の小山へ登る道
(14)展望台広場から鎌倉方面、由比ヶ浜と海も見えました

稚児の墓から約80mで展望台のある広場に着きます。展望台に立つと鎌倉から西鎌倉の山や森、街並みが眺められます。展望台の下に道標があります。来た方向から反対側へ進むと、北口から大船へ行きます。

(15)南口へ下るルート、ササのトンネルをくぐる

南口(北鎌倉)は、展望台下で左に曲がって山道を下ります。すぐササがおおいかぶさった箇所を通ります。10分ほどであっけなく南口に下り着きます。
南口から車道へ出たら右へ行きます。280mほど進んで、突き当たったら右に曲がって、すぐ左に曲がります。道なりにゆるく下って行くと、広い道路に出る手前の左側に白い道標が立っていて、(下から見て)「右・北鎌倉駅方面、左・六国見山」となっています。この道標に従って北鎌倉方面へ行きます。(ここで、広い道路へ出てから左折すると、かなり遠回りになります)
左折した道は、途中から車の通れない歩道になって、その先で見晴らしのよい石の階段を下っていきます。降りると1車線の細い車道になります。道なりに下って行くと権兵衛踏切に着きますので、その手前で左に曲がります。

(16)北鎌倉駅へ行く線路の北側の道

線路に沿ったこの道は、素掘りのトンネルをくぐって北鎌倉駅の円覚寺側に着く雰囲気のある道でしたが、2019年3月現在、トンネルが通行止めになっています。そのため、権兵衛踏切か、もう一つ駅寄りの踏切から線路の反対側へ出て、鎌倉街道から駅へ行きます。

(17)明月院の青いアジサイ①
(18)明月院の青いアジサイ②

[アクセス] 行き:港南台駅(神奈中バス15分)桂台中央、または大船駅東口(神奈中バス16分)桂台中央/帰り:JR横須賀線北鎌倉駅
[参考時間] 「桂台中央」バス停(35分)荒井沢市民の森・極楽広場(35分)皆城山展望台(25分)市境尾根下降点(15分)散在ヶ池森林公園北口(<せせらぎの小径経由>20分)管理事務所(30分)南口(25分)六国見山登山口(10分)六国見山(15分)展望広場(10分)六国見山森林公園南口(25分)北鎌倉駅 計4時間5分
[追加情報]
・「桂台中央」バス停から市民の森への近道(約20分)がありますが、本格的な山道で、山歩きに慣れた人でないと勧められません。
・北鎌倉駅円覚寺側の素掘りトンネルは危険なため通行止め(2019年6月現在)。線路北側の歩道から駅構内には入れますが、駅外へは出られません。円覚寺、明月院などへ行きたい場合は、駅手前の踏切を渡って一度鎌倉街道へ出る必要があります。
・北鎌倉駅から円覚寺、東慶寺はすぐ、浄智寺は徒歩6分、明月院は12分、建長寺は20分です。

2018年度山岳遭難発生状況

6月13日付で警察庁から昨年(2018年)の山岳遭難統計が発表されました。

(1)全体数

図1 過去10年間の山岳遭難発生状況

遭難件数………………2661件(+78) 3.0%増
遭難者数………………3129人(+18) 0.6%減
死者・行方不明者数… 342人(-12) 3.4%減
死者・不明者の割合…10.9%
遭難件数・遭難者数は統計開始(1961年)以来で最も多くなりました。2015年以降、2500件超、3000人クラスの多発状況がずっと続いていましたが、2018年はさらに増加傾向が出てきています。遭難件数で3%増は、高い率だと思います。
一方、死亡者数(行方不明者を含む)の遭難者総数に占める割合は10.9%で、2016年に並んで史上最低となり、山岳遭難救助における救命率が高いことを示しています。しかし、救命率が約11%ということは、遭難してしまったら10人に1人以上の高い率で助からないことを意味します。登山をはじめ、山岳レジャーとは大変危険なものであるといえます。

(2)年齢層別状況

図2:年齢層別遭難者数(2015年・2018年)

10歳ごとに区切って遭難者数の分布を見ると、最多は70代、2番目に60代が多いですが、ほとんど同レベルで並びます。次いで50代、40代、30代の順になっています。
警察庁統計では、次の点が指摘されています。
・遭難者のうち、40歳以上が2457人、全体の78.5%を占める。
・遭難者のうち、60歳以上が1581人、全体の50.5%を占める。
・死者+不明者のうち、40歳以上が325人、全体の95.0%を占める。
・死者+不明者のうち、60歳以上が246人、全体の71.9%を占める。
しかし、遭難者数の大小は、登山人口の大小に対応していると考えられます。
遭難者数が多いからといって、その年齢層が「遭難しやすい年齢層」だとすることはできません。上記のデータを根拠に「高齢者が遭難を起こしやすい」と断定するのは、正確ではない考え方だと思います。
図2のグラフは、参考として3年前のデータを並べてあります。2015年(赤)と2018年(緑)とを比較すると、増加幅の大きいのが50代と70代、減少しているのが60代となっています。

図3 年齢層別遭難者数と比率の推移

(3)年齢層別状況の変化

もっと長期間にわたって年齢層別の変化を見たのが図3です。比率の推移(下のグラフ)を見ると、60代は大きく比率を下げ、50代も比率を下げています。逆にアップしているのが70代と40代です。
厳密に分けられるものではないですが、70代は国内で人口が最も多い年齢層(いわゆる団塊世代)に近く、40代はその子供の世代に近いと推測できます。
2018年は60代と70代の遭難者数がほぼ同数、同比率になりました。山岳遭難を抑止するには、この年齢層への遭難防止対策が重要になると思います。

(4)態様(原因)別状況

図4 態様(原因)別遭難者数(2018年)

「態様」とは警察庁統計にある用語で、遭難の形態をさしています。遭難原因と意味が重なる場合もあります。
図4のように、いろいろな遭難態様(原因)がありますが、内容の近い「転落」と「滑落」、「疲労」と「病気」を合わせて、次のようにまとめられます。カッコ内は前年度と比較した増減数です。
①転・滑落…… 644人(+ 20) 20.6%
②転倒………… 468人(- 1) 15.0%
③道迷い………1187人(- 65) 37.9%
④疲労・病気… 513人(+106) 16.4%
以上4種類の合計で、全体の約90%となります。
遭難原因で一番多いのは「道迷い」です。しかも、他の要因「滑落」「転倒」「疲労」「病気」も道迷い状況から引き起こされるケースがあり、それらは統計上「道迷い」ではなく、帰結となった態様のほうに分類されることが多いです。現代の山岳遭難において、「道迷い」は大きな引き金になっている、注意すべき遭難リスクといえます。
しかし、その「道迷い」にも、減少傾向が見られるようになってきました。地図を使える迷わない人、迷っても遭難以前でくい止められる人が増えているのではないでしょうか。

図5 態様(原因)別遭難者数と比率の推移

(5)態様(原因)別状況の変化

図5は13年間にわたる態様(原因)別遭難者数の推移です。遭難者全体が増加する中で、特に「道迷い」が大きく増加してきました。増加率はそれよりも鈍りますが、「転・滑落」「転倒」「病気」「疲労」も増えてきました。それに対して、その他の態様(落石、悪天候<落雷、鉄砲水を含む>、野生動物襲撃、雪崩)は増えていません。
何年も増加を続けてきた山岳遭難は、落石、悪天候、雪崩のような古典的遭難ではなく、上記①~④(なかでも「道迷い」)が増えてきたのでした。
図5下のグラフを見ると、2015年ごろから「道迷い」の比率が変動し、小幅ですが下降傾向が表れてきました。逆に「疲労」「病気」はわずかながら上昇傾向、「転・滑落」「転倒」はほとんど一定率を維持しています。
「道迷い」対策は、一種の流行現象とも見られるほど、登山教室や講習などが活発に行われてきました。今後は、「転倒」「転・滑落」「病気」「疲労」への対策も充実させてゆくことが重要ではないでしょうか。

[6月4週]低山や観光に準ずるエリアでの滑落事故

[6/18~24の遭難関係ニュースから]
6月第4週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

相変わらず山菜採り遭難が多く、登山の遭難は比較的軽度なものにとどまっています。その中で、低山での遭難が目につきました。6/18愛知県設楽町の低山で発生した滑落事故は、2m程度の滑落でしたが、肺挫傷で死亡しています。この遭難は、道迷いから沢を下降しての事故との推定もあります。6/21新潟・白根山での滑落事故も、道迷い~沢下降でのものでした。6/21中津川市付知町での滑落、6/23西会津大山祇神社での滑落も、本格的登山とは異なる状況下で起こっています。

6/18(火)戸隠山で男性(31)が登山中にバランスを崩し滑落負傷。県警ヘリが救助
6/18(火)長野県木島平村の山林内で山菜採り中の男女(81・71)が道に迷い行動不能。県警ヘリが救助
6/18(火)愛知県設楽町荒尾の山中で男性(66)が「背中を打って動けない」と通報。3H後近くの沢で発見、搬送後死亡
6/19(水)北アルプス栂池高原で女性(63)が山菜採り中に仲間とはぐれ、斜面で滑落し負傷。県警ヘリが救助
6/20(木)奥鬼怒・黒岩山で男性(72)が宿泊予定の日光沢温泉に到着せず、旅館が通報。6/22防災ヘリが救助
6/20(木)長野県須坂市米子の山林で男性(77)が山菜採り中に連絡不通、行方不明となる。6/22発見救助
6/21(金)白根山(新潟県三条市)で女性(70)が仲間からはぐれ道に迷ったうえ沢に滑落。6/22防災ヘリが発見救助
6/21(金)岐阜県中津川市付知町の渓谷で男性(56)が現地調査の仕事を終え渓谷沿いを下山中に10m滑落、多発外傷で死亡
6/22(土)蓼科山を下山中の男性(58)が転倒負傷。茅野署・諏訪広域消防が救助
6/23(日)大山祇神社参道を仲間10数人で登山中の男性(55)が斜面から30m滑落、右腕骨折など
6/23(日)北アルプス蓮華温泉付近の山中で姉妹(56・67)が山菜採り中道に迷いはぐれる。6/22妹は自力下山、姉は行方不明

[7/9追記]
6/22(土) 鳥海山鉾立ルート河原宿周辺の雪渓で男性(43)が道に迷う。通報約4時間後に県警ヘリが救助
6/23(日) 蔵王連峰五色岳~熊野岳間で女性(47・46)が道に迷い110番通報。中丸山の山中で引き返し中に発見救助
6/23(日) 黒部ダム中ノ谷付近で女性(77)が登山道から10m滑落、自力で戻れなくなる。警備隊員がロープで救助
6/24(月) 早池峰山小田越一合目付近で女性(69)が転倒し後頭部を打つ。レンジャーらが付添い下山後、病院へ搬送

[その他のニュース]
6/19(水)山梨県の1~5月の山岳遭難者数が過去最多ペースだそうです。1~5月の山岳遭難者数は53人で、過去最多だった2017年の同期数を7人上回っています。死亡者数11人も、過去最多の2017年12人に迫ります。遭対協関係者は「4~5月の春山で残雪が多く、技術や経験が不足している登山者が遭難するケースが多かった」と言っています。

6/22(土)<奈良県> 2018年の遭難発生数は53件、遭難者数69人、いずれも過去5年間で最多でした。死者9人、重傷9人、軽傷14人でした。ちなみに過去10年間では発生件数で最多、遭難者数で第2位(最多は2013年114人)でした。

6/22(土)南アルプスの県道南アルプス公園線で21日に落石があり、7:30より野呂川橋~奈良田(開運トンネル)感が通行止になりました。奈良田~広河原間バスも運休中です。復旧の見通しは未定。

6/24(月)富山県と富山県警は日本山岳ガイド協会と協定を結び、インターネットによる登山届システム「コンパス」が富山県でも利用可能になりました。外国人向けに6カ国語で対応可能だそうです。条例に基づく剱岳危険地区への登山届、努力義務になっている立山室堂地区への入山届も、コンパスで行うことができます。また、7月から登山ルート上に「スマート山岳道標」という装置を設置し、アプリを入れた端末(携帯電話)が通過すると記録されるシステムを運用開始する予定です。

気にかかった遭難事例

6月18日15時ごろ、愛知県設楽町荒尾の山中で男性(66)が「2mほど滑落して背中を打って動けない」と、本人から110番通報がありました。約3時間後、登山道から外れた沢で発見され、病院へ搬送後死亡が確認されました。死因は肺挫傷。
発見場所が登山道から外れた沢ということで、道迷いから沢を下降して滑落した可能性が考えられます。道迷いで非常に多いミスのパターンです。
報道では山名が書かれていませんが、住所近くにある山は岩古谷山(799m)です。登山口からの標高差300m弱、典型的な低山です。このような山でも道迷いや滑落死亡事故の危険性があることを、登山をする人はしっかりと学ぶ必要があります。
地元近いと思われる東海白樺山岳会のブログで、この遭難について論評がありました。また、このブログで、愛知県警設楽署が公開している「北設楽郡登山安全マップ」の存在を知りました。このような地域密着のデータは、登山者の意識に働きかけると思います。

北設楽郡登山安全マップ(愛知県警設楽署公開)