携帯GPSで遭難を減らせるか?

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ハフポスト日本版で、登山用GPSアプリ「ジオグラフィカ」の開発者である松本圭司さんへのインタビューが載っていました。このようなネットメディアに純粋山ネタが載るのは珍しいことです。
五頭山の遭難は社会的にも大変注目され、登山用GPSの有効性を訴えるツイートが広がったそうです。(ツイッターを活用できない私は、気がついていなかった)
登山の世界は頭が硬いと言いますか、新しいことを簡単に受け入れたりしません。本質的なところで自分の命がかかっていることをやるのですから、むやみに新しい方法を試すようなわけにはいかないのです。
スマホGPSも、道迷い遭難におちいるかどうかの局面で、新しいギアを試してみたものの、かえって事態を悪くしてしまった、などということになったら大変です。

ジオグラフィカの画面

従来から登山の世界では、地図とコンパスという装備は必携で、重要な用具と考えてきました。スマホGPS(地図付き)という新しいギアが登場して、これがあれば従来の地図・コンパスは不要だと、本当に断言していいのかどうか、ここは慎重に考えなくてはなりません。「これ超便利、紙地図はもういらない!」そう言いたくなるような局面に、スマホGPSはさしかかってきています。

1年半前、私は『やってはいけない山歩き』で、「スマホのGPSマップだけでは危険すぎる」と書きました。すると、登山を知らない人からは、「えっ!スマホ地図がどうしてだめなの?」と反応が返ってきたそうです。
それ以後も、この種のギアは進歩を遂げ、日々機能アップしてきています。いつか紙地図が本当に不要な日が来るかどうか、あるいはITギアと紙地図をどういうふうに使い分けるべきか、大きなテーマと言えます。

前記インタビュー中で、松本さんは次のように注意喚起しています。
(1)スマホGPSは、「迷ったとき」に役に立つ(現在位置がすぐわかる)
(2)行動中はバッテリーを無駄に使わないようにする(機内モードを推奨)
(3)予備バッテリーをかならず持つ
(4)スマホ使用上の諸注意が必要――画面保護、防水、低温、磁気など
(5)紙の地図とコンパスも持ち歩く
(6)GPSがあれば絶対安全ではない。安全登山には総合力が必要だ

今のところ、「スマホ地図+GPSを持てば、紙地図は不要」と断定する人(山の先輩、登山関係者、マスコミ・・・)がいたら、その言葉は疑ったほうがいいと思います。