滋賀県ではGW中に7件(昨年同期2件)の遭難が発生、急増しました

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[6/4~10の遭難関係ニュースより]
滋賀県ではGW中に7件(昨年同期2件)の遭難が発生、急増しました。滋賀県警は、昨年10月の台風21号で登山道が荒れたのが原因の一つではないかと言っています。びわ湖バレーロープウェイから蓬莱山へ向かう金毘羅峠コースは、倒木帯が数百メートルにわたって広がり、GW中に「道に迷った」との119番が相次いだそうです。
滋賀県では、2008年に35件(ちょうど10年前の2007年は29件)だった遭難発生数が、2017年は76件と過去最多を記録しました。108人が遭難して、36人が負傷、死者・行方不明者は5人でした。
2018年は5月末時点で32件発生、死者はすでに6人、負傷者は18人です。県内には高い山はないのですが……、滋賀県としては危機感を抱く状況となっています。
遭難発生件数が多くなるのは、携帯電話の普及と、通話可能エリアが山岳域まで広がったことも要因といいます。
県警は、道迷い遭難は通報して救出される例も多い一方、通報後に現場を離れたために救出が遅れる例もあると言っています。(明らかに、新潟県五頭連峰での遭難事例を意識した発言と思われます)
県警地域課では、次の点をアドバイスしています。
(1)「救出されるのは恥ずかしい」と思わないで。道迷いは対応を誤ると最悪の事態もありえます。
(2)登山届を出して、夕刻には下山する
(3)道に迷ったときは引き返す
(4)雨具(カッパ)、ライト、予備の食料を持参する
(5)スマートフォンを持ち、予備バッテリーも装備に入れる
さらに、スマートフォンで、登山用GPSアプリの活用を推奨しています。【読売新聞、6月5日付より】

●6月4日、長野県遭難防止対策協会は、山岳遭難抑止目標を、これまでの「遭難件数/遭難者数」から改め、「死傷者数」に一本化する方針を決めました。今後の活動方針は「死傷者数の減少」と明確化することができます。2018年の目標数は、「死傷者数202人」(前年より9人減)に設定されました。

●6月6日、南アルプスの笹山(2733m)早川町側斜面で5月21日に発見されていた男性の遺体は、昨年7月に妻と一緒に入山して行方不明になっていた60代男性であることが確認されました。現場は登山道から外れた急な斜面で、妻はまだ見つかっていません。笹山は道迷い遭難が頻発している山で、何か多発要因があるものと推測されます。