[7/24~30の遭難関係ニュースから]
7月24日(火)、北海道旭川市消防本部は、6月23日に愛山渓村雨の滝で遭難者の救助活動にあたっていた男性隊員(32)が雪渓上で滑落し、意識不明となった二重事故について、事故調査結果を発表しました。それによると、男性隊員の主な役割は応急救護や搬送作業で、登山靴などは貸与されておらず、当日も平地で使用する靴を履いていたとのことです。軽アイゼンがあったもようですが、2人とも装着していませんでした。
なぜ、山岳救助専門の研修・訓練を受けていない隊員を派遣したのか、指示系統などの問題点は明らかになっていません。派遣理由については、「現場は登山道で、山岳救助の専門知識を必要としない遭難者の救命措置と搬送業務になると判断した」と説明しています。
同消防本部では2014年から山岳救助支援隊員の養成に着手して、2人が国立登山研修所の研修を受講し、6人が東京消防庁などの救助訓練に参加しましたが、滑落した男性隊員はどちらも受けていなかったそうです。
◆各地で夏山の遭難事故が発生しています。富山県では7月に入って登山事故が多発し、24件26人(7/1~25)の発生数は、昨年同期の3倍になっています。県警担当者は、「猛暑で登山者の集中力が低下していた可能性がある」と指摘しています。
◆埼玉県で、ヘリ救助手数料の徴収事例が1月以降3件あったことが発表されました。1月二子山(60代男性)、3月両神山(50代男性)、5月日和田山(40代女性)の3件。
7/24(火)榛名・相馬山で滑落死した男性(64)を発見。山頂北側崖下200~300m地点
7/24(火)北ア・唐松岳で男児(12)が体調不良。ヘリで救助
7/24(火)鈴鹿山系水無山で女性(45)の滑落した遺体発見
7/25(水)南ア・観音岳で男性(63)が浮き石で転倒、重傷。ヘリで救助
7/25(水)北ア・唐松岳で男性(68)が転倒、負傷。ヘリで救助
7/25(水)北ア・蝶ヶ岳ヒュッテで女性(50)が体調を崩し行動不能。7/27ヘリで救助
7/25(水)22日にK2登頂に成功した「北日本海外登山研究会」の男性隊員(41)が、下山中に滑落し行方不明になったことが明らかになる
7/26(木)南ア・大門沢登山道で男性(72)が滑落、重傷のもよう。ヘリで救助
7/26(木)北ア・北又小屋付近で、学校行事に参加していた女子生徒(14)が滑落、重傷。ヘリで搬送
7/26(木)北ア・白馬大雪渓岩室付近で男性(77)が転倒、負傷。ヘリで救助
7/26(木)北ア・白馬大雪渓葱平付近で男性(68)が体調不良により行動不能。ヘリで救助
7/27(金)北ア・涸沢上部で男性(79)が疲労により歩行困難。県警救助隊が救助
7/27(金)南ア・北岳二俣分岐で女性(64)が転倒、重傷。ヘリで救助
7/27(金)南ア・北岳山荘で男性(60代)が足の痛みを訴え行動不能
7/28(土)北海道ニペソツ山で親子(男性46・11)が道迷い遭難。ヘリで発見救助
7/28(土)富士山御殿場口六合目で、安全誘導員の男性2人が強風で動けなくなり救助要請。救助後に男性(71)の容体が急変し、低体温症で死亡
7/28(土)妙高山赤倉登山道付近で男女(40代)が道迷い遭難。ヘリで救助
7/28(土)北ア・白馬大雪渓で女性(63)が疲労により歩行困難。救助隊が救助
7/28(土)北ア・槍ヶ岳北鎌平付近に倒れた男性(69)の遺体発見。死因は低体温症
7/28(土)北ア・燕岳富士見ベンチ付近で女性(35)が転倒、重傷。救助隊が救助
7/28(土)屋久島の安房川で沢登り中の女性(27)が急流に流され行方不明
7/29(日)飯豊・石転び雪渓で男性(70)がルートを迷い救助要請。7/30ヘリで救助
7/29(日)北ア・白馬大雪渓葱平付近で男性(71)が落石により負傷。ヘリで救助
7/30(月)北ア・不帰2峰北峰付近で男性(60)が行動不能。遭対協隊員らが救助
7/30(月)北ア・八方池山荘で女性(76)が転倒・負傷。遭対協隊員らが救助