神成大平山 2019年1月4日

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 1週間の帰省期間は、ほとんど雪かき作業で終わってしまいました。夜行バスで帰宅しようという最後の日に、スノーシューをはいて近くの山へ出かけました。
 阿仁前田と阿仁合の旧町境近くにある神成(かんなり)集落の裏山です。ずいぶん以前に山道が整理されて、大平山と呼ばれているそうです。私の少年時代(1960年代後半)、このへんの山はすべて子どもたちの遊び場でした。

1:25000「阿仁前田」より作成

 国道105号線バイパスのログハウス風建物のある左側から山道に入ります。左側にたくさんタラノキが出ているわきを通り、右折して林道に上がります。左へ行くと林道上の最高点で、ちょっと見晴台のようになっており、「窓」と呼ばれる稜線上の峠です。ここを右折するとすぐ右側に鳥居があって、大平山の登山口になっています。尾根に向かって登り、尾根に出たら左に曲がって稜線をたどります。
 私の少年時代には、このへん全体が雑木林で、燃料の薪を伐り出す林だったと思います。今は手入れの不十分な杉が伸びて展望が悪くなってしまいました。稜線の左側に少しだけ雑木林が残っていて、木の間から青空が見え、日が差し込んでいました。

01:林道に作られた登山口
02:スノーシューのトレース
03:雑木林の枝越しに青空がのぞく

 地図で三角点の記号がある付近は、ちょっとした広場になっていました。
 集落に面している右側斜面は、子どもらが冬にスキーをする遊び場でした。毎日ここに通って雪まみれになりながらスキーをしました。そして、たまにはこの稜線まで登りつめて、反対側の斜面に滑り下りました。初めての斜面に出て深雪を滑るのはドキドキする冒険でした。スキーはゴム長靴に革ベルトで取り付ける粗末なものでした。小学5年~中学1年のころです。
 雪の上にはたくさん足跡があって、犬のようにも見えます。足跡から動物の種類がわかったら、それだけでずいぶん楽しめるでしょう。
 三角点の広場から少し下り気味にたどって、最後に10mほど短く登ると頂上に着きました。展望はよくないですが、木の枝越しに阿仁前田の集落と阿仁川が見えます。晴れれば森吉山も望めるでしょう。

04:三角点付近と思われる小広場
05:縦横にアニマルトラックが残されている
06:大平山頂上の小屋

 頂上の小屋は昔からあって、中で花札を打って遊んだ記憶があります。「太平山神社」と書かれていましたが、石に刻まれた字は「大平山」で、どちらが正しいかわかりません。この地方の山は、すべて秋田の太平山と関係が深いようなのです。
 ここまで順調に来られたので、変化をつけて稜線を縦走してみることにしました。登ってきた方向と逆側、北方の尾根へ向かいます。

07:小屋内は神社になっている
08:山頂からの眺め、小又川合流点
09:地図読みをして東方向へ下る

 標高190m付近(A地点)で北東の支尾根へ入りそうになり、修正して引き返しました。こんなとき誤ったことに気づくには、直感と地図読みの力が必要だと思います。一帯は平坦でルート判断が難しい地形となり、誤って左右の支尾根や、浅い沢筋に入りそうになります。
 道形らしい箇所をさぐりながら尾根突端の送電鉄塔まで来ました。その先はヤブの茂った急斜面になっています。戻って東側の浅い沢地形に沿って下ると、うまく山道に当たって林道に出ました(送電鉄塔があれば、かならず通じる山道があるはずです)。

10:無事に林道へ下りた
11:林道側壁の崖、雪崩もあるだろう

 滝ノ沢と神成集落を結ぶ林道を南方向へ歩きました。すぐに右側の崖からスノーボールが大量に落ちている箇所がありました。この上に迷い出たら危険でしょう。また、雪が多ければ雪崩が起きてもおかしくない地形です。小さな山でも危険はあるものです。
 この地方の山に第一歩を記すことができました。
 雪山ハイキングとして楽しめるルートかどうかわかりませんが、私自身にとってはなかなか楽しめるものでした。

12:神成集落の外れに下りた

【参考時間】 国道105号<ログハウス>(0:20)登山口鳥居(0:35)太平山(0:40)鉄塔(0:45)国道105号<神成入口> 合計2時間20分
(注) 秋田内陸線「前田南」駅から国道105号線の登山口・下山口へは各約20分。また、下山地点から四季美館へ15分、さらに秋田内陸線「阿仁前田」駅へ20分。