[1月4週]バックカントリーの雪崩死亡事故2件発生

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[1/22~28の遭難関係ニュースから]
1月第4週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

≪雪崩危険斜面を滑るのがバックカントリー?≫
●3件の死亡事故があって、どれもバックカントリー遭難事故でした。そのうち2件は雪崩によるもの、また2件は外国人グループの事例でした。

●1月25日の大毛無山南面で起きた雪崩事故は、滑走グループの1人が雪崩を誘発させ、幅30m、厚さ30~150cm、流下距離350m、やや大規模な(サイズ2.5)雪崩でした。3人は雪崩対策装備を持っていて自力捜索も行いましたが、別グループや、近くのスキー場パトロール隊も加わって捜索しました。発生から20分後に上半身が掘り出されましたが、病院で死亡が確認されました。

●1月26日の谷川岳熊穴沢で起きた雪崩事故は、詳しいことはあまりわかっていません。比較的小規模な(サイズ2)雪崩だったように思われますが、遭難者の埋没位置が深かった(250cm)ようです。そして、3人は雪崩ビーコンを持ってないためセルフレスキューができませんでした。2日後の28日、プローブによる捜索で発見されたそうです。

●筆者は30~40年前に山スキーをやっていましたが、現代のバックカントリーの感覚がよくわかりません。両事例とも地形図を見れば「雪崩がやばい!」と思われる場所で事故が起こっています。もっと雪崩の危険性が少ない場所を選んでルートをとるべきではないでしょうか? 本当に不思議です。

※以上の情報は日本雪崩ネットワークの事故調査速報にもとづいています。

1/22(火)富良野スキー場、スノーボードの男性4人(20~30代)が道迷い(コース外遭難)
1/22(火)日光白根山に入山した男性(52)が行方不明。1/24外山付近で発見救助
1/22(火)北アルプス八方尾根で、男性(19)が積雪のため行動不能(コース外遭難)
1/23(水)黒姫山で滑走中のデンマーク人男性(27)が転倒し雪に埋没、窒息死。仲間と13人でバックカントリーツアー中。
1/24(木)北アルプス唐松岳で単独登山の男性(45)が悪天候のため行動不能。1/25救助
1/25(金)大雪山系旭岳へ向かったオーストラリア人親子(男性45・10)が行方不明
1/25(金)ロッテアライリゾートから大毛無山南面を滑走中の外国人3人が雪崩に巻き込まれ、フランス人男性(49)が心肺停止、のち病院で死亡
1/26(土)谷川岳熊穴沢で雪崩が発生、スキー中の男性(29)が巻き込まれ死亡
1/26(土)苗場スキー場、男性(21)がコース外滑走中に道に迷う(コース外遭難)
1/26(土)妙高杉ノ原スキー場、滑走中のオーストラリア人男性(20)が戻れなくなる(コース外遭難)
1/27(日)八ヶ岳・広河原沢本谷でアイスクライミングの男性(62)が滑落重傷
1/28(月)日光・雲龍渓谷でアイスクライミングの男性(24)が氷が割れて滑落重傷