[2月1週]甲斐駒と白馬乗鞍で雪山事故発生

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[1/29~2/4の遭難関係ニュースから]
2月第1週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

●この週末は好天だったためか遭難は少なく、把握できた事例は2件のみでした。
甲斐駒ヶ岳の事故発生場所は報道されていませんが、標高2000mから推測すると黒戸尾根の通称「刃渡り」と思われます。4泊5日の予定で入山したそうです。仙丈ヶ岳~地蔵尾根へ縦走する計画だったのでしょうか。

●白馬乗鞍岳の雪崩発生場所は天狗原から上部の東斜面で、無雪期の登山ルートが通っている付近から幅約300mにわたって崩落したようです(日本雪崩ネットワークの速報が発表されています)。乗鞍岳や白馬岳方面へ登下降する際には、どうしても通らなくてはならない場所です。
しかし、天狗原の北端から比較的ゆるやかな尾根沿いに登るラインをとれば、雪崩のリスクをいくらか軽減できるのではないでしょうか。

●埋没者は、自力で脱出できた同行者が雪崩ビーコンとプローブにより位置を特定し、近くのスキーヤーも掘り出しに加わって、発生から25分で呼吸を確保したと報告されています。1次レスキューの重要性がよくわかります。

1/29(火)甲斐駒ヶ岳標高2000m付近の岩場で男性(27)が滑落重傷。1/30救助
2/2(土)白馬乗鞍岳で登行中の男性2人が雪崩を誘発して巻き込まれ、1人(30)が大腿骨骨折など重傷

[注]2/11追記
長野県警により2/3(日)に発生した2件の遭難事例が発表されました。
2/3(日)北アルプス唐松岳を下山中の男性(30)が悪天候のため道に迷い行動不能
2/3(日)栂池高原で、単独でバックカントリースキー中の男性(64)が道に迷い行動不能

雪崩の出た白馬乗鞍岳東斜面、普通に登り下りされている(3月下旬撮影)