高尾駅発始発の電車に乗ると、塩山駅6:40の始発バスに乗ることができます。次のバスは7:35ですが、これで日帰りするのはけっこう難しいです。
丸川峠の分岐に大きな無料駐車場があって、車がぎっしり停まっていました。車中泊するか、早朝着くようにすると、長い行程でも日帰りできます。しかし、現代の交通事情では電車・バス利用だと出発が遅くなり、日帰りは難しくなりました。
千石茶屋の先から山道に入り、尾根を登っていきます。白く見えるのは雪ですが、積雪はほとんどありません。尾根に沿ってつけられた峠道だったのでしょうが、深くえぐれて沢のようになり、右側の側面に踏み跡が広がっています。古いミズナラの木や、ブナの大きく立派な木もあります。自然林の様子がよく残された、気持ちのよい道でした。
上日川峠が近づくと笹の下生えが多く雰囲気が変わりました。車道を横切ったりしてロッヂ長兵衛前に出ました。ここで休憩しました。
カラマツ林主体の林道を歩くと富士見山荘がありますが、老朽化して営業休止のもようです。林道は沢に下りて行って、雰囲気のある勝縁荘の前に出ます。ヤマレコ情報によると2015年5月に営業終了したもようです。山荘前に古い小さな石像と、創建者の顕彰碑がありました。
樹林には針葉樹のモミ、ツガ類が混じって、さらに雰囲気のよくなった道を登って行きます。峠が近づくと笹原が多くなり、やがて介山荘の建物が見えてきました。山道はずっと緩やかな傾斜に作られていて、急登することのない楽な道でした。
介山荘横から稜線へ出ると、まず大きな富士山が視界に飛び込んできます。富士山は何といっても主役で、コメントのしようがない存在感です。
そして南アルプスは……甲斐駒からほぼ南端近い上河内岳まで見えていました。これだけきれいに並ぶのは、登山歴の長い私も見た記憶がありません。大菩薩峠は第一級の展望台といえるでしょう。
親不知ノ頭に登ると、富士山、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父西方、さらに甲府盆地を眼下にする好展望です。賽ノ河原へ下り、登り返して霧氷におおわれたツガの森を抜けました。雷岩に登っていくと、また西~南方の展望がよくなってきます。大菩薩嶺の頂上は樹林に囲まれて無展望ですから、大菩薩嶺に近い雷岩は実質的な山頂のようなものです。
雷岩から樹林帯に入るとすぐに大菩薩嶺頂上で、2組4人の人が休んでいました。また、私の後から関西の団体さんも着きました。
大菩薩嶺周辺は針葉樹の森がきれいで、原生林の雰囲気がある所です。陽の届きにくい樹林帯の写真は難しいですが何点か収めました。
山道の雪は少ないですが、その下に氷が貼りついて滑りやすいです。効率よく楽に歩けるように、6本爪アイゼンを使って丸川峠へ下りました。
[注]『入門&ガイド 雪山登山』の訂正です
(1)本文上段13行目:「丸川峠の少し先に」→「丸川峠に」
(2)本文上段14行目:「すぐ手前のカーブ」→「ゲートを過ぎて次のカーブ」
(3)本文上段20行目:「林道に出たところが」→「2回目に林道に出たところが」
(4)マイカー情報:「ここから徒歩5分で通行止ゲート」→「ここから上日川峠方面は冬季車両通行止め」 ※通行止ゲートは分岐から徒歩5分ではなく、分岐自体に設置されています。
(5)アドバイス11行目以降全面書き替え:「冬季(12~4月中旬)の小屋は、介山荘のみ通年営業、ロッヂ長兵衛は土日と年末年始営業、福ちゃん荘は予約のみ営業。富士見山荘、勝縁荘は2019年現在休業中。
(6)問合せ先1行目:「観光交流課」→「観光商工課」
(7)同2行目:「山梨貸切自動車」→「山梨交通塩山営業所」
(8)同7行目:「富士見山荘+電話番号」→ 削除
(9)地図:通行止ゲートを丸川峠分岐近くに移動
(10)地図:富士見山荘、勝縁荘の小屋記号を「・」(地図上の地点を示す)に変更
※難易度「体力★」は小屋泊2日のものです。日帰りの場合は「体力★★」になります。
※『厳選・雪山登山ルート集』のP.040-041でも上記に対応した訂正があると思います。