日光白根山 2019年3月18日

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01:山頂駅から白根山。中央が地獄薙の大ガレ

丸沼高原スキー場のロープウェイ山頂駅舎から外に出ると、3つのピークがある白根山が正面に見えます。中央に地獄薙の大きなガレが落ちています。

02:立派な鳥居をくぐって山道に入る
03:気持ちのよい森の中のトレース

立派な鳥居をくぐり、針葉樹の森のトレースに入ります。出発する人たちはスタートからアイゼンをつけていました。私はスノーシューでスタートしました。
雪のない時期にも歩いたことがあるルートで、樹林帯の雰囲気のよさは知っていました。しかし、今日はロープウェイの終発時刻である15時30分までに戻る必要があるので、のんびりと歩くことはできません。40分ほどで七色平分岐に着きましたが、写真だけ撮って先へ進みました。

04:トラバースの途中で、地獄薙と思われた場所

地獄薙のガレは雪におおわれていて気づかず通過しました。ずっとトラバース主体で登っていき、時おり樹間から遠くの山が見えました。樹林限界に近づいた所で、展望のよいポイントがあったので大休止にしました。七色平分岐から1時間でした。行動食をまとめて食べ、ポカリスエットを飲み、アイゼンをつけました。

05:森林限界から上部斜面、中央の雪のルンゼがルート
06:雪のルンゼを登る。ここから先行者は左へトラバースした

樹林限界に出ると、真上に特徴的な雪面が見えます。無雪期には浅いガレのルンゼなのでしょう。その時には気づきませんでしたが、夏道のジグザグの跡が写真に写っていました。先行者は雪面の右端を直登して、途中から南峰(左上のピーク)へトラバースしていました。私はトラバースせずに上部まで直上し、南峰の右側の鞍部にトラバースしました。前日までのトレースは風で消えているので、ここはルートを自分で決めて登らなくてはなりません。

07:山頂直下、白根権現の横から

長く感じますが、40分ほどの登りで上に出ると白根権現の祠がある南峰の一角です。目の前にある頂上へ、少し下って10数メートル登り返します。

08:山頂からの展望(1)男体山と中禅寺湖
09:山頂からの展望(2)五色沼と表日光連山(左から太郎山、女峰山、大真名子山)
10:山頂からの展望(3)真っ白な飯豊連峰
11:山頂からの展望(4)弥陀ヶ池と燧ヶ岳、右に奥只見、左に荒沢岳

快晴になり、すばらしい展望でした。近くの男体山や表日光連山が目を引きますが、反対側遠くには豪雪地である上越~奥利根~奥只見~会越の白い山々が輝いています。遠い一角に独立した白い船のように浮かんでいるのは飯豊連峰です。

12:白根山の北面、この斜面に下るまで40分ほどかかった

山頂でもあまり長休みせず、思い切って北面へ下りました。トレースは薄くなり、岩場のルートファインディングに神経を使いました。幸い雪が少ないため、所々に夏道を区切るロープが見えています。しかし、岩稜からルンゼに急下降する所では危険を感じて、ポールをしまいピッケルに持ち替えました。ここで頂上にいた2人(比較的若い人)が追い着き、先行して下っていきました。私が北面へ降りたので追いかけてきたのでしょうか? 最初から北面へ下る予定だったとは思えません。
ルンゼへ入る初めの4~5mが少し危険ですが、滑落しても下で傾斜がゆるむので止まりそうです。それよりも、ここは雪崩地形なので、積雪の多いときには注意が必要でしょう。
ルンゼを下って右側の斜面に抜けると、あとは普通の雪の斜面でした。いつしかトレースは消えて、ラッセルになってしまいました。スノーシューに替えてのんびりと下り(急いでも疲れて続きません)、先行の彼らに追いつくことはありませんでした。

13:賽の磧(かわら)付近の樹林帯

七色平分岐で彼らは左折していましたが、別のトレースがあったので、私は右折して賽の磧(かわら)方面をめざしました。こちらは正規ルートから外れたり戻ったりしている迷いトレースでした。どうにか賽の磧まで下り、登り返してゴンドラ山頂駅に出たのは15時25分という、ギリギリの状況になってしまいました。

青線が予定していた北面の下山ルート(おおむね地形図の破線記号)、赤線が実際に歩いたトラックの記録。外れている箇所があるが、どうにか山頂駅に戻ることができた

[登るための注意点]
・ロープウェイは8:30~15:30運行(悪天候などで変更の場合もある)。乗車券はICカードで往復料金¥2000+保証料¥1000を支払います。
・乗車券購入時にインフォメーションで登山届を提出する必要があります。
・インターネットなどで登山届の手続きをしている場合は、その内容を印刷したものを提出できます。書類をあらかじめ用意したほうがいいでしょう。
・ロープウェイ最終に乗れなかった場合はスキー場内を徒歩で下りますが、往復料金は返金されません。
・下山後インフォメーションでICカードを返却すると¥1000を返金します。

[注]『入門&ガイド 雪山登山』の訂正事項
(1)アクセス:ロープウェイ運行時刻が変更されています。
  「2011年は8:30~16:00」× → 「2019年は8:30~15:30」
(2)追加情報:
  「下に見えるスキー場を約1時間下ってスキー場下へ」×
    →「南側の斜面を登り返して山頂駅へ約25分」