低山の危険性を示す、行方不明・滑落死亡事例

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[3/12~18の遭難関係ニュースから]
3月第3週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

今週も5件の遭難事例を把握できました。うちバックカントリー遭難は2件で、いずれも無事救助されています。低山エリアで滑落したと思われる死亡事故が起こっています。低山は私たちがイメージしている以上に、危険な状況が普通に存在しているものです。

●讃岐山脈の一山である大滝山(946m)で死亡した男性(68)は、登山道から20m下の沢に倒れて発見されました。南アルプス山麓の赤薙ノ滝で死亡した男性(48)も、尾根付近から急斜面を滑落した可能性があるそうです。

●3/16八方尾根の滑落遭難は、前週3/9と近い場所で起こっているようです。長野県警が公開した写真を見ると、遭難者は八方沢の下部で救助されています。かなり長い距離を流されたのではないかと思います。

●3/17大山の遭難事例は、男性(53)が道をまちがえたうえ50m滑落したそうです。吹雪の中を下山中に起こったものでした。3/16~17は上空に寒気が入り大気の状態が不安定になっていました。登山は中止したほうがよかったでしょう。

●3/17大雪山バックカントリー遭難については、ビジターセンターのアドバイスをお聞きください。
旭岳ビジターセンター 3月19日 9:34(フェイスブックより)
『旭岳のコース外で遭難した方は、無事救助されました。
昨夜、捜索・発見・テントに収容した道警山岳救助隊の皆さんがようやく朝8時頃旭岳温泉に帰ってきたところです。ひと晩じゅうの救助活動、ほんとうにお疲れさまでした。
遭難した人は、夜が明けてからヘリで収容され、命に別状ありません。
姿見駅から歩いてコース外の新雪斜面に出て滑り、コースに帰ろうとしたが戻れず、はるか南西に下り、天人峡(忠別川)北岸の崖まで達していたそうです。(こうした経路の道迷い遭難は昔から多発しています。)
比較的穏やかな天候で昨夕ヘリが飛べ、スキーのトレースを発見できていたこと、そのトレースを辿った救助隊が遭難者と無事接触できたことが、今回の無事生還につながったものと思われます。
遭難者を発見した場所は、どの会社の携帯電話もまったく通じなかったそうで、所持していた携帯はすで電源が切れていたそうです。
雪のないシーズンも決して少なくはありませんが、雪のあるシーズンは道迷いが多発します。激しい風雪など悪天候で地図やコンパス、GPSを十分確認できないまま道を外れてしまうことも少なくありません。いかにしてロープウェイ駅など安全な場所に戻るか、常に想定しておきましょう。技術に応じて自分が踏み出して大丈夫な範囲を見極めましょう。
また、単独行は複数のメンバーよりも事故が多く、より深刻な事態になりやすいことを、いまいちど肝に銘じておきたいと思います。』

3/13(水)香川・徳島県境の大滝山に登った男性(68)が行方不明。3/15遺体で発見
3/16(土)北アルプス八方尾根で男性(42)がバックカントリー滑走中に滑落負傷。3/17県警ヘリが救助
3/17(日)大雪山系旭岳でバックカントリースキーをしていた50代男性が下山せず行方不明。3/19山麓駅の南南西3kmの山林で発見救助。ビーコン電波が発見の決め手となる
3/17(日)バードウォッチング目的で離山(山梨県北杜市)方面に入山した40代男性が下山せず行方不明。3/18赤薙ノ滝付近で遺体発見、滑落の可能性あり
3/17(日)大山に夫婦で登山中に1mほど前を歩いていた男性(53)が行方不明となるが、3/18山頂付近で無事救助。事故当時は吹雪でホワイトアウトの状態

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3/14(木)神戸市とNTTドコモがICT(情報通信技術)を活用した事業提携協定を締結。六甲山系において遭難対策や救助活動への活用をめざす
3/14(木)茅野市、諏訪東京理科大学などと提携したドローンによる「山岳見守りシステム」の実証実験を北八ヶ岳坪庭で実施
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