長野県警が春山情報発表

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[4/9~15の遭難関係ニュースから]
4月第3週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

この週も遭難発生は比較的少ないほうでした。スキー事故(バックカントリー含む)、雪山遭難事故、近郊日帰りエリアでの遭難事故が、それぞれ発生しています。

4/9(火)大川入山(長野県阿智村)で男性(74)が転倒負傷。県警ヘリが救助
4/9(火)立山・室堂平の山小屋で従業員男性(35)が胸・頭の痛みを訴え、県警ヘリで病院へ搬送される。肺水腫と診断され入院
4/10(水)権現山(山梨県上野原市)で遭難男性(69)が救助される。詳細不明
4/12(金)志賀高原横手山でスキー場区域外をスノーボードで滑走中の男性が道迷い遭難。県警ヘリが救助
4/12(金)単独で木曽駒ヶ岳に入山した男性(70)が行方不明。4/16黒川渓谷の雪渓で遺体発見
4/13(土)北アルプス小蓮華山でBCスキーの男性(62)が滑落負傷。県警ヘリが救助
4/14(日)別子銅山東平の山中で男性(60)が道迷い遭難。4/16防災ヘリが遺体発見、死因は脳挫傷

[2019/05/10追記]
4/14(日)西上州・荒船山艫岩の展望台に落ちたザックと、崖下に倒れた男性(41)の遺体発見、
4/14(日)南アルプス地蔵岳~御座石鉱泉間で夫婦+友人の3人が道迷い遭難、翌日無事救助

●大川入山(1908m):中央アルプス南端の恵那山から、さらに南方にある中級山岳です。治部坂峠から2時間強、あららぎスキー場から3時間で登れます。阿智村は地域振興策のひとつとして「阿智セブンサミット」を設定し、登山者を呼び込んでいます。セブンサミットとは、恵那山、富士見台高原、大川入山、蛇峠山、南沢山、高鳥屋山、網掛山で、それぞれPDFでガイド地図が作られています。地域主体でのルート整備や、遭難対策も課題となります。登山による地域おこしの事例として参考になります。

●権現山(1312m):山梨県上野原市と大月市にまたがり、奥多摩と南大菩薩の中間エリアにあります。稜線続きの扇山1138m、百蔵山1003mとともに、いわゆる「中央線沿線」の代表的な山として登られてきました。遭難要因としては道迷いが最も起こりやすいと思います。

●木曽駒ヶ岳黒川渓谷:木曽駒ヶ岳登頂後、中岳から下降するときに滑落すると黒川源流部へ流される位置関係になります。アイスバーンの状況であれば滑落の危険性は大きいと思われますが、中岳で滑落の危険を予測する人は少ないかもしれません。2/22にも中岳で黒川側への滑落事故が起こっています。また、2017年1月に行方不明になった男性(37)が、半年後の同年7月に、黒川上流で遺体で発見された事例があります。

●別子銅山東平:東平は「とうなる」と読みます。明治期に別子銅山が反映した時代の鉱山施設が保存されて、観光用に整備されている一帯です。遭難者は滑落しなければ生還できた可能性が高かったと思います。道迷い状態のときの最も重要な注意点は、転倒・滑落しないことと、低体温症を防ぐことの2つです。

長野県警が春山情報発表

長野県『春山情報 2019年版』の表紙

4月11日、長野県警が春山情報を発表しました。
例年よりも3~4月に降った積雪が多く残っていることから、雪山用の装備と、雪崩の警戒を呼びかけています。
県警は過去の遭難発生状況や危険箇所をまとめた冊子(4000部)を首都圏登山用具店で配るほか、ヤマップの山岳地図に危険箇所を表示します。春山情報の冊子は、長野県警山岳情報のサイトでもPDFデータで公開されています。
これから連休前までに、主要山岳県から各地域の春山情報が発表されます。その情報を収集し確認するような登山者は、遭難のリスクを低くすることができるでしょう。
それとは逆に、(初級者、ベテランどちらでも)現地情報や危険情報に無関心な人は、当然ながら遭難リスクの高い登山者だと思います。