黒川からよこやまの道へ

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(歩いた日=2019年5月23日)
小田急多摩線の黒川駅から西側、三沢川の源流一帯は、狭い範囲ですが1970年代以降の宅地開発を免れて、多摩丘陵の谷戸地形を残している所です。また、多摩ニュータウンの南の縁に当たる東京・神奈川の県境は、かつての多摩丘陵の稜線で、東京都多摩市では「よこやまの道」として歩道を整備しています。
黒川の里山と「よこやまの道」を結んで歩きます。

(1)野菜などを販売しているJA経営のセレサモス

黒川駅の南口を出て右へ行き、左折~右折して、小さな公園の周囲を回り、橋を渡ると鶴川街道に出ます。左へ行くと前方に森が見えて期待がふくらみます。左側にそば屋をすぎ、約250mで信号のあるT字路を右に曲がります。左側にセレサモスの駐車場、すぐ先に汁守神社へ登る階段があります。小さいですが掃除の行き届いた立派な神社です。

神社の横から直角に左に曲がります。左側は大規模なカキ(柿)の農園になっています。しばらく(約200m)行くと分岐がありますので左に入ります。黒川町の掲示板が立っています。帰りは右の道からここに戻ってきます。

(2)道端に咲いていたハナニラ

すぐ四差路がありますが直進し、右側は竹林のある山裾の道、左側は畑作地になります。400mほど進み、平地(谷戸の中央)に出て、十字路を右折します。ここの分岐には、明治大学黒川農場、市街化調整区域、黒川町内会の看板が立っています。

(3)毘沙門大堂前の石塔群
(4)放置された古い石塔、文字不明(調べればよかったが……)

右折してすぐ、毘沙門様への参道が右に分かれます。由来はわかりませんが、ヤブ道を5分入った上に、小さなお堂と古い石塔群がありました。その1つには「天明八年」(1788)とありました。下の車道近くの耕作放棄地にも崩れかけた石塔が放置されており、興味深いものがあります。史上有名な天明の飢饉は、天明4~8年(1784~88)に起こったとされています。

(5)収穫作業をする若い人

車道に戻り、70mほど進んだ分岐を左折して、ビニールハウスのほうへ行きます。(ここを直進しても、谷戸地形を通って「よこやまの道」へ出られます)一帯は大きな谷戸地形ですが、水田ではなく畑作地になっています。谷戸の右側を上流に歩き、左の畑作地が終わった所で車道が左にカーブしたら、直進して山のほうへ登って行きます。ここの分岐は左にカーブミラーがあって、右に「ごみ不法投棄禁止」の看板があります。

(6)荒れた感じのする雑木林

山に入ると、ちょっと荒々しい感じの雑木林が左右に見られます。荒れた感じなのは、人手による管理が十分には行き届いていないためでしょう。
ゆっくり歩いて10分ほどですが、自然林の風景を楽しみます。森の外に出ると「よこやまの道」の道標があります。大学の建物の裏手のようです。左は鎌倉往還に向かいます。右折するとすぐ山に入る踏み跡がありますが、車道を少し進んだ先にも入口があります。

(7)よこやまの道、給食センターのあたり

「よこやまの道」は、昔の多摩丘陵の稜線上を歩くようにつけられた歩道です。要所に解説板や道標が設置され、すぐ左側には車道がありますので、迷わず安心して歩けます。
そして、狭い範囲ではありますが、径路沿いの自然林が市民ボランティアによって保存・維持されているのもすばらしい点です。

(8)展望広場から丹沢方面、左手に続く森が「よこやまの道」付近と思われる

国士舘大学の裏側のあたりから北上すると、豊かな雑木林の歩道がしばらく続き、やがて左側の展望が開けてゆるやかに登り、展望広場に着きます。ここは「防人見返りの峠」の名称があります。丹沢、奥多摩方面や、多摩ニュータウンの一部が展望できます。

展望台の少し手前に戻り、右側へ回り込む歩道に入ります。右側の畑地が終わると、一度山すそへ下りて「もみじの広場」に出ます。建物の右側の歩道を進んで山に戻り、「瓜生黒川往還」の表示がある五差路(六差路?)に出ます。
黒川へ下るには、稜線をまたぎ越えて右斜め下への道を下ります。しかし「よこやまの道」をもう少し歩きたいので、ここから少し先まで往復してみることにします。

(9)「諏訪ヶ岳」、地形図では標高144.5m
(10)大きいコナラ群の樹影

一番左側の道をとると、すぐ三角点とベンチのある広場に出ます。三角点には小さく「諏訪ヶ岳」の標識が立っています。見上げると背の高いコナラの群れがすばらしいです。

(11)よこやまの道、常緑樹林の木立ち
(12)さくらの広場
(13)ヒメコブシの大木、花期には見事だと思われる

稜線上ないし、稜線のわずか右下を歩いて行きます。常緑樹林や雑木林が美しく維持され、歩道も歩きやすく、とても快適なコースになっています。「さくらの広場」には、桜の大木とともに、ヒメコブシの大木が1本あります。花の時期に来てみたいところです。

(14)瓜生黒川往還の分岐、よこやまから黒川へ至る古い道
(15)常緑樹の大木(クスノキと思われる)

先ほどの黒川への下り口まで戻り、左(東)方向へ下ります。左右の樹林地には、時おりかなりの大木も見られます。その後はしばらく尾根上の歩道を行き、右手は雑木林、人工林や竹林、左手に少し離れて宅地が見えています。

(16)子どもたちが遊ぶ海道ひだまり公園

広い車道に合流すると、左側に海道ひだまり公園があります。右側は低地の谷戸地形になります。その先の分岐では、右の谷戸へは下りず直進します。200mほど進んで三差路を左折すると、カキ農園のある汁守神社への道に合流します。

[アクセス] 行き+帰り:小田急多摩線黒川駅下車
[参考時間] 黒川駅(15分)セレサモス(25分)毘沙門大堂下(毘沙門大堂往復10分)(20分)谷戸を離れる車道分岐(10分)よこやまの道(25分)展望広場(10分)瓜生黒川往還分岐(5分)諏訪ヶ岳(15分)さくらの広場(20分)瓜生黒川往還分岐(20分)海道ひだまり公園(15分)黒川駅 計3時間10分
[追加情報]
・「多摩よこやまの道」の全行程は、唐木田配水所から多摩東公園近くの「丘の上広場」まで約10kmです。本コースはそのうち約2kmを歩いています。
・「さくらの広場」近くからはるひ野駅へ約10分で下りることができます。