[5月第4週]山菜採り遭難多発のシーズン

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[5/21~27の遭難関係ニュースから]
5月第4週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

この週は遭難が多発して、連休中(5月第1週)にも匹敵するほどの発生件数となっています。そのうち山菜採りの遭難については、把握できたものだけをリストにあげていますが、未発表を含めると、実際にはもっと多発しているものと思われます。
また、吾妻山で渓流釣りの遭難(5/25)が、和歌山県で山火事の消火作業中の転落事故(5/25)が、京都府で伐採作業者の遭難(5/26)がありました。
登山・ハイキングでの遭難事例は、高山・深山でのものよりも、広範囲な地域の低山で起こっているもののほうが多くなっています。登山としての困難度と遭難発生とが、かならずしも直接的に結びついていないという、現代の山岳遭難の特徴が表れています。

5/21(火) 漆沢ダム付近で山菜採りの男性(62)が行方不明。5/24滑落した状況で発見、死亡確認
5/22(水) 登別川付近で男性(80)がタケノコ採りから戻らず。5/23道警ヘリが滑落した遺体発見
5/22(水) 雲取山~飛竜山間で男性(62)が行方不明。5/27県警ヘリが急斜面に滑落した遺体発見
5/22(水) 烏帽子岳(鹿児島市)で男性(60代)が道に迷う。県警ヘリが救助
5/23(木) 太平山(秋田市)山頂の100m下で男女(70代)が疲労などで行動不能。防災ヘリが救助
5/23(木) 塩原・八方ヶ原で女性2人(79・77)が「道に迷った」と通報。県警ヘリなどが発見救助
5/23(木) 北アルプス燕岳で男女(45・40)が下山中に滑落負傷。遭対協隊員が救助
5/24(金) 朝日連峰・古寺山付近で男性(68)が下山途中道に迷う。県警ヘリと消防などが救助
5/24(金) 南アルプス中ノ尾根山で男性(83)が下山途中にルートを外れ迷う(発見されたか未確認)
5/24(金) 鈴鹿・雨乞岳へ男性(78)が日帰り登山に出かけて戻らず。5/25甲賀署員が沢で遺体発見
5/24(金) 大峰・大普賢岳で男性(65)が同行者と分かれて以降道に迷う。5/25朝、自力下山
5/25(土) 吾妻連峰で渓流釣りの男性(30)が足を痛めて動けなくなる。同行者が先に下山し通報
5/25(土) 北アルプス瀬戸蔵山で男性(24)が崖を下りていた際に滑落、頭・右足など骨折
5/25(土) 北アルプス鍬崎山北東1350m付近で男性(26)が下山途中にはぐれて行方不明
5/25(土) 北アルプス剱山荘で男性(65)が低血糖に伴う急性胃炎腹痛を発症、室堂派出所に通報
5/25(土) 北アルプス焼岳で男女(48・46)が道に迷い遭難。県警ヘリが救助
5/25(土) 北アルプス燕岳で女性(46)が転倒して負傷。安曇野署員が救助
5/25(土) 和歌山県かつらぎ町の山林で男性(48)が山林火災の消火作業中に急斜面から70m滑落。ヘリ搬送後、死亡確認
5/26(日) 会越・御神楽岳蝉ヶ平ルートで単独登山の男性(68)が行方不明。5/30山中の沢で遺体発見
5/26(日) 城山(長野県木曽町)で男性(70)が体調不良により行動不能。岐阜県防災ヘリで救助
5/26(日) 中西山(長野市)で女性(72)が体調不良により行動不能。県警ヘリが救助
5/26(日) 倉梯山(京都府舞鶴市)で男性(65)が竹伐採作業後に姿が見えなくなる。5/28行方不明を発表
5/27(月) 葉山(山形県村山市)で山菜採りの男性(63)が行方不明。5/29捜索開始、6/7遺体発見
5/27(月) 朝日連峰・葉山で男性(66)が愛染峠経由で下山しようとして道に迷う。県警ヘリが葉山山荘北西1800mの山中で発見
5/27(月) 南アルプス日向山の南西500mで男性(59)が30m滑落し多発外傷で死亡。5/28登山者が発見

[その他のニュース]
5月18日「回転する道標」(これじゃあ、意味ないですね)の動画がツイッターに投稿され、話題になっていました。道標を設置した大江山トレイルクラブメンバーらが現地で確認したところ、方角を示した案内板を固定するボルトが緩み、案内板同士をつなぐ4つのツメ部分がすべて潰れて、案内板3枚が回る状態になっていました。何者かが強い力を加えた可能性があり、宮津署は器物損壊容疑も視野に調べているそうです。

気にかかった遭難事例

5月22日昼ごろ、北海道室蘭市の男性(80)は妻といっしょにタケノコ採りに入山しました。別々に行動してタケノコを採り、その後、男性は合流地点に戻りませんでした。妻は探しましたが見つからないため、夕方、室蘭署へ届け出ました。
23日早朝から警察・消防が捜索したところ、道警ヘリが男性を発見しました。急斜面下の沢近くで、下半身が水に浸かった状態で倒れていて、まもなく死亡が確認されました。
室蘭民報の報道によると、この事例では家族からの自発的な通報があったわけではなく、たまたま18:30ごろ巡回中の署員が山林付近で家族を発見して、遭難が発覚したそうです。
室蘭署は入山時の注意点として、①帰宅時間や行動予定を家族に伝える、②複数人での入山、③携帯電話やホイッスルを持つ、④日没時刻の把握、⑤迅速な通報 ―― をあげています。

山菜採り遭難が多発する季節に入っています。
山菜・キノコ採りの遭難は、登山での道迷い遭難と重なる部分が多いです。登山では道迷い遭難への対策がいろいろと言われていますが、山菜採り、キノコ採りでは、具体的なリスク対策はあまり行われず、提言もされていないのではないでしょうか。地図・コンパスを持参して使う、GPSを使う、というような方法は、山菜採りでは現実的ではありません。登山技術のない人にもできる対策を考えていく必要があるでしょう。