[7月3週]梅雨明け前でも、徐々に夏山遭難発生

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[7/16~22の遭難関係ニュースから]
7月第3週の山岳遭難まとめと、関連ニュースです。

全国的にはまだ梅雨前線による悪天候が続き、週末は九州北部で台風の影響による大雨となりました。悪天候の影響かどうかは個々の事例を検討しないとわかりませんが、北・中央・南アルプスで遭難事故発生が多くなってきました。また、19日に富士山でイギリス人女性が遭難死しましたが、悪天候によるものだったことが報じられています。

7/16(火)北アルプス針ノ木岳で女性(43)が針ノ木峠へ下山中に滑落負傷。7/17山小屋従業員が救助
7/17(水)独鈷山(長野県上田市)に単独で登山中の女性(29)が道に迷い行動不能。上田署が救助
7/17(水)奥秩父笛吹川東沢を6人で下降中の男性(24)が滝つぼに飛び込んだあと行方不明。7/20川岸で遺体発見
7/18(木)大峰・山上ヶ岳から下山中の男性(83)が登山道から谷へ50m滑落、顔・腰など負傷。警察・消防が救助
7/19(金)7/18富士山に夫婦で登山中の英国籍女性(54)が悪天候のためはぐれ、翌日御殿場口八合目で遺体で発見
7/20(土)南アルプス北岳八本歯コルで男女(35・38)が40cm大の落石を受け太ももに軽傷。県警ヘリが救助搬送
7/20(土)南アルプス北岳~北岳山荘間で女性(49)が下山途中に足を滑らせ転倒し左足首捻挫。県警ヘリが救助搬送
7/20(土)中央アルプス空木岳から池山林道方面に下山中の男性(37)が道に迷い行動不能。駒ヶ根署・遭対協が救助
7/21(日)トムラウシ山短縮登山道登山口から15分の場所で男性(60代)が心肺停止で倒れる。搬送先の病院で死亡
7/21(日)筑波山地・加波山で男性(54)が仲間と別れて山頂を目指し行方不明。登山道わきの斜面に倒れた遺体発見
7/21(日)大菩薩・小室川谷で沢登り中の女性(60代)が川に転落し流されて意識不明。同行者3人はその場に残し下山して通報
7/21(日)南アルプス駒津峰~仙水峠間を下山中の男性(44)が体調不良となり行動不能。北杜署救助隊が同伴下山
7/21(日)北アルプス白岳~西遠見鞍部付近を下山中の女性(55)が転倒負傷。県警ヘリが救助
7/22(月)7/21南アルプス北岳で男性(47)が体調不良となり、北岳山荘へ宿泊後救助要請。7/22県警ヘリが救助
7/22(月)北アルプス唐松岳で女性(55)が転倒して負傷。県警ヘリが救助

[その他のニュース]
●ヤマップ「みまもり機能」リリース
7/16(火)登山のSNSヤマップは、登山中のGPS位置情報を家族や友人などに知らせることができる「みまもり機能」を新たにリリースしました。
これまでは、スマートフォンの位置情報は本人が確認するだけで、だれかに伝えるには電話やメールで連絡する必要がありました。新機能では次のようになります。
①通信圏内にいるときは、位置情報がヤマップのサーバーに自動送信されます。
②通信圏外にいるときは、ヤマップユーザー(アプリ利用者)同士がすれ違うと、互いの位置情報が自動で交換・記録されます。その後通信圏内に入ると、相手の位置情報がサーバーに自動送信されます。
③ユーザーが登録しておいた連絡先宛に、随時通知メールが届き、そこに記載されたリンクから位置情報を地図上で確認できます。
この②の部分が特徴で、その山域内にユーザーが多くいるほど情報交換の頻度が高くなり、安全度を高くすることにつながります。新たな器具などの必要がなく、スマートフォンと無料アプリだけでこの機能を利用できる点も、登山者には大きなメリットです。

ただし、便利そうな用具や技術というものは、何でもそうですが、正しい登山知識や考え方のうえで利用しないと失敗することがあります。
ヤマップの「みまもり機能」は、次の点がそもそもの前提になっています。
・登山前にきちんと登山計画を立てられる
・そのさい「緊急時連絡先」を設定できる(その重要性がわかる)
遭難対策の必要性と、登山計画と遭難対策との深い関係がわかっていて、そのうえで「みまもり機能」を利用すれば、登山の安全性を大きく高められると思います。

●学校登山の見守りシステム、諏訪東京理科大が開発
7/17(水)茅野市の公立大学である諏訪東京理科大学が、学校登山のときに生徒たちの位置情報を表示するシステムを開発し、16日に永明中学校の学校登山で実証実験を行ったそうです。
このシステムは、教員が携行する小型送信機により3分おきに位置情報を発信し、径路をPCやスマートフォンの画面に表示します。遠距離通信が可能で消費電力も少ないLPWAという無線通信技術を使用しています。2020年度の実用化をめざしているそうです。
※LPWA:Low Power Wide Area(省電力長距離無線通信)