鈴鹿・霊仙山 2022年2月9日

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■晴
霊仙山は、鈴鹿山脈の最北に位置する山で、初級雪山ルートとして紹介されることが多い。鈴鹿の中では雪が多いのだろうと予想していた。
入谷の橋を渡った先に、先行車が2台停めてあったので、ショベルで雪を削り広げて隣に停めた。心配していた駐車を、これで何とかクリアできた。

01:今畑登山口、登山届の投函箱がある

車道を落合方向へ10分ほど歩くと、左に作業小屋があり、そのすぐ先に登山口の道標があった。登山届の投函箱が壊れていて、提出しても横風が吹いたら飛ばされそうだ。ちゃんと取り扱ってもらえるのか心もとないが、用意してきた登山計画書を入れておいた。
不明瞭なトレースを登り出すと、落合の方向から男性がやってきた。やはり、そちらによい駐車場所があったのか。トレースは迂回して右にトラバースし、下から別の明確なトレースが合流した。こちらが正規ルートなのだろう。それからは登りやすくなった。

02:廃村のお寺
03:下部樹林帯、雪たっぷり

今畑廃村のお寺の前を通り、トレースが乱れて変な所へ迂回させられ、また正規トレースを探し当てて戻った。廃村裏の山道に入るとあとは迷うこともなく、尾根の一端に登り着いた。標高差150mぐらいしか登っていないが、もう体(特に両脚)がつらい。

04:西南尾根末端の急斜面
05:急斜面を登って行った軽アイゼンの女性
06:西南尾根から、初めて頂上方面が見える

笹峠の小広い雪原にたどり着いた。登山口から約3時間もかかっている。正面に見える白いピークは西南尾根の末端で、霊仙山はまだずっと先である。樹林帯を高差50mほど登り、雪の急斜面に取り付いて、さらに250mほど急登する。若い男性1人、少し若い女性1人に追い越された。女性は「なかなか進みませんねぇー」とひと声かけると、ひょこひょこと過ぎていった。たぶん雪用ではない靴に、モンベルの軽アイゼン。
一番急な所を越えても、少し傾斜が緩んだ斜面がまだまだ続いた。登り切った付近が近江展望台らしい。休み休み登って2時間以上かかった。体力不足が大問題だが、本当に歩けなくならないように、気をつけなければいけない。

ここで初めて、はるか遠く霊仙山の頂上台地が見えた(見た目ほどには遠くなかった)。鈴鹿北部の山々が周囲にズラッと見える。左側には広々と琵琶湖。この尾根は琵琶湖をすぐ横に見ながら登れるルートなのだ。
特徴的なブッシュが出ているが、名前がわからず残念。ブッシュが出ているぐらいだからそれほど多雪ではないのだろうが、高木のない石灰岩台地だから、全面的に白い雪に覆われて、豪雪の雪山と同じような風景に見える。すばらしい雰囲気の雪山ルート。

07:P1036手前から山頂方面。右最高点、左三角点、中間が経塚山分岐のピーク

トレースは地形図のP1036手前から左の沢に下り、沢底から霊仙山最高点(P1094)と三角点(P1084)の両方に分かれていた。プラス20~30分程度で周回できると思うが、時間ギリギリであまり遅くなるのも危険なので、今回は最高点の往復だけにした。

08:最高点ピーク、後ろは伊吹山
09:山頂付近での雪景色
10:西南尾根から山頂をふり返る(16時すぎ)

下りは、笹峠でほぼ暗くなり、途中からヘッドランプをつけた。最後の30分ほどをヘッドランプで歩くことになった。
基礎体力が必要だが、技術的に難しい所はほとんどない。人気があるのも納得できるよい雪山ルートだった。駐車スペースが少ないのが残念である。

[情報]
*雪山登山の要素がしっかり味わえる山。難易度は武奈ヶ岳より少し高い。
*トレースがないか、または不明瞭な場合に備えて、スノーシューまたはワカンがあったほうがよい。頂上一帯はスノーシューなどで雪上散歩が楽しめる。
*山頂は3つのピークがあり、西側の三角点ピークが正式の山頂、東側に最高点がある。中央の1070mピークからは経塚山、汗フキ峠を経て落合に下山できる。
*公式に認められた駐車場所はなさそうである。入谷~落合間に2、3カ所駐車可能なスペースがあるが、地元の迷惑にならないよう注意。ツアーやガイドの場合は、彦根駅からタクシーを利用するのがよいと思う。

『雪山登山』の訂正点
(1)登山口に「落合・西南尾根登山口」の標識はなくなっており、現在は、立ち木に「今畑登山口」の標識が付けられている。文中の「落合・西南尾根登山口」は今畑登山口に変更したほうがよい。本文上段13行目、参考タイム、追加情報、に該当箇所あり。地図中「落合・西南尾根登山口」も「今畑登山口」に訂正
(2)駐車可能なスペースは2~3カ所あるが、いずれも狭く、除雪車の雪捨てや折り返しに使われているかもしれないので注意