奥越・取立山 2022年3月10日

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日本海側に近い福井の山は、多雪のため冬には簡単には登れないはずだが、そのなかで取立山は比較的登りやすいので人気があるようだ。(1)近くを国道157号が通りアプローチがよい、(2)標高差700m程度なので初級者も可能、(3)特別な危険箇所はなし、というありがたい雪山である。

01:登山口の無料駐車場、きちんと除雪され管理されているようだ

前夜発で遠路はるばる車を走らせてきて、9時前に駐車場着。きれいに除雪された無料駐車場は25台ほど可能、とてもありがたい。パトカーが来て車のナンバーをチェックし、遭難対策をやっている。雪山も含めて取立山登山の価値を地元が認め、大切に維持されている証しである。登山者は感謝しなければ。

02:「東山いこいの森」の林道終点付近の広場、頭上は西尾根末端

多くの人は最初からアイゼンだが、私は最初は登山靴のみ。40分ほど登って、せっかく持ってきたのでスノーシューをつけた。無雪期の林道終点広場(駐車場?)と思われる場所まで登るのに1時間30分ほどかかった。(予定は1時間10分だったが・・・)

03:最も急な箇所は登り切ったが、まだ急な尾根がしばらく続く
04:緩やかな尾根に出るとすばらしい展望が広がった

頭上に見える取立山西尾根末端へ約150mの急登が始まった。スノーシューはきついのであきらめて、アイゼンにチェンジ。このとき早くも下ってくる若いグループがいた。
急斜面を右斜上ぎみに登り切ると、トレースは左にカーブしてなおも急な尾根を登り続け、標高1100mぐらいからは緩やかな登りになる。後ろに特徴的な雪山が見えるが、越前甲(越前大日山)、加賀甲、大日山(加賀大日山)というようだ。

05:取立山への最後の斜面が立ち上がる
06:登り切って細くなった稜線、右(南)側に雪庇が出ていた

広く緩やかな、尾根というより雪原上を気分よく歩いてゆく。太い木は1本もなくなり、山スキーやスノーシューで散歩するのによい疎林の雪斜面だ。もう一度傾斜を増した斜面を一段登ると、尾根はやや細くなり右から左へカーブする。右側にはそれほど大きくない雪庇が出ていた。そこを登り切れば頂上で、何人かの人が腰を下ろして山を眺めていた。

07:山頂で休む人たちと白山連峰
08:取立平と白山、右から御前峰、剣ヶ峰(三角の突起)、大汝峰、白山釈迦岳(大汝峰手前の低いピーク)、七倉山、四塚山

期待した通りの展望が一気に開け、白山がドーンと構える。眼下には取立平の平原、そこを区切る低い尾根が白山の前景を一部塞いでいるが、それはそれで調和した風景である。
どうにもすばらしく、神様が造った奇跡の風景としか言いようのないものだった。この風景を見られたことに感謝しかない。もちろん晴れを計算して来たのだが、運がよく本当に晴れてくれた。
白山以外は山名がわからないが、加越国境の大長山、赤兎山、奥越の経ヶ岳、荒島岳も見えるようだ(あとで写真を見て調べたが、荒島岳はわからなかった)。

09:大長山方面:中央が鉢伏山、奥に小さく大長山、その右に1500Pと烏岳、さらに右に赤兎山が見えた
10:大日山方面:中央の高い山が加賀大日山、左に加賀甲(大日山稜線の左角)、越前甲(手前の丸い山頂)、1135P(左の突起)
11:経ヶ岳方面:右から経ヶ岳の中岳、経ヶ岳、北岳、市境稜線の1421P

頂上には40分ほどもいた。取立平へ下ってこつぶり山へ行けば、また違った角度で白山が見られると、行ってきた人が話していた。

12:楽しそうに下山する人たち

14時下山開始。目標がすべて達成できたようで、とても気分がよい。登りの苦労がうそのように足取りは軽く、2時間ほどで駐車場に戻った。

[情報]
*メインの登山口駐車場はトンネルを抜けてすぐ左側にある。25台ほど可能。一角に公衆電話がある。ほかにも国道沿いに駐車可能な場所がある。
*取立山往復でも十分だが、余裕があればこつぶり山を往復するとよい(約25分)。
*中~上級者向けの周回ルート:(1)取立山~ゴマンド山~谷峠、(2)取立山~大長山~小原峠~滝波川(1泊2日?)

『雪山登山』の訂正点
(1)地図中、P記号を国道の上側へ、「東山いこいの森」の文字を国道の下側へ移動
(2)林道をショートカットした歩行ラインを破線で記入する